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フェアレディZ NISMO 6MT 日産 試乗 

流石にちょっと古くなってきたかなあ
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先週、試乗車の手配が付かず1週遅れの掲載です。申し訳ありません。

この6代目のZは2008年12月のデビューですから既にデビューして5年が経過しているのですね。

2012年7月にマイナーが行われていますが見た目はそれほど変わっていません(マイナーでは主にECUによる中速域のトルクの最適化が図られました)。

 

このNISMOが出たのは2013年6月です。

それまでVersion NISMOとして特別仕様というか準メーカー的な扱いでしたが、今後はAMGなどと同様にメーカーのカタログモデルとして正式に育てていくようですね。

 

スタイル★★★☆

 

33からホイールベースが100mm短縮されて凝縮感が増しました。

特にリアのオーバーハングが削られたことでスポーツカーとして大切な要素であるヒップラインが引き締まったことが大きいです。

これでロングノーズのプロポーションも引き立つというものです。

 

デザインはマッチョ系ですね。

広がった全幅もあって全体に丸みを帯びてぼてっとした感じです。
このクラスのスポーツカーに大切な軽快感や清涼感は無く、そこが少しマイナスポイントです。

 

2代目以降のZが肥大化するにつれ魅力を失っていったことを思うとデザインでその二の舞を踏まなければと願うばかりです。

ただこのNISMOではその辺りを気にしてかフロントとリアにフラットなエアロを与え、かなりシャープに引き締めています。

またこれまでボディと同色だったフロントリップスポイラー、サイドスカート、サイドミラー、リアウイングがブラック塗装となったこともシェイプされた印象を与えます。

 

このエアロ類は実際にも効果的です。

ノーマルでもゼロリフトを達成している揚力係数は「SUPER GTマシン」の成果を取り入れ、ついに(Cl 値)-0.159とマイナスリフトを達成しました。

これは市販車としてはかなり稀なケースです。

全体の印象はシルバーのボディならちょっとサメっぽくもありますね。

 

 

内装★★★☆

 

本革とアルカンターラが巻かれたステアリングホイールには、赤いステッチとセンターマークが配されスポーティーな印象です。

3本スポークのステアリングから覗く大型の3連メーターやセンターコンソール上の小さな3連メーターなどは歴代Zのアイコンです。

ナビは画面の近くに操作系を集めたタイプでこれは日産車の多くが使いますが、視線移動が少ないという意味では極めて優れたインターフェイスです。

 

少なくともタッチパネルにこだわるよりはブラインドタッチが利く分、走行中遥かに安全に操作できます。

質感は流石に500万オーバーのクルマですからそれなりにしっかりしています。

ポジションはもう少し低い方がいいですね。

 

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 エンジン★★★☆

 

エンジンは3.7リッターV6エンジンは355psと38.1kgmを発生します。

パワー感はNAらしく非常にリニアです。

なのでトルク変動が少なく扱いやすいです。

 

FRというレイアウトではこのぐらいのパワーのNAが一番安心ですね。

どこから踏んでもトルクは十分です。

 

しかもこのユニットは3.7リッターという大きな排気量ながら8000rpm近くまでぶん回せることも特筆です。

こうした自然吸気ユニットは今後失われてしまうでしょうから今のうちに楽しんでおくのもいいかもしれません。

 

しかし問題はサウンドがいまいちなことですね。ちょっと雑味があります。

高回転まで回してもさほど高揚感もありません。

 

このあたりは昔の911ぽいといえば聞こえはいいですが、重厚感や質感の部分でももう一歩足りません。

ココに色気が加わればなかなか魅力的なユニットだと思うのですが。

 

また残念なのはせっかくの6MTのシフトフィールです。

シフトダウン時にエンジン回転を同調させるシンクロレブコントロールが付いていますが、それよりも肝心のシフト感がいまいちです。

セカンドからサードに入れる時に隣の5速に入れそうになってしまう事が何度もありました。

 

早いシフトではセカンドからサードは最も重要というか一直線に叩き込みたいものですが、そこが明確でなくスムーズにいきません。

以前にVol.31バージョンSTのZでご報告しましたがZはJATCOの7ATの出来がずば抜けていいのでこの6MTがことさら残念です。

 

 

足回り★★★☆

 

NISMOの足は専用のダンパー&スプリングを備え、タイヤ&ホイールも19インチが与えられています。

レイズ製19インチアルミ鍛造ホイールはデザインもかっこいいですね。開口部が大きく冷却効率がよさそうです。

そこから覗く赤のキャリバーもスポーツカーらしい演出です。

 

装着されるタイヤサイズは前が245/40R19、後ろが285/35R19とリアを太くしているの
もFRらしいディメンションです。

 

乗り心地は十分にソフトで許容範囲ですがどこか清涼感がありません。

ちょっときつく言えばチューナーがいじった雑味があります。

 

ステアリングも妙に重いところがありフリクションを感じる場面もありました。

乗り心地は主に重いホイール&タイヤに対してダンパーの能力が足りない感じです。

ダンパーを固めれば収まるのでしょうがそれだと今度は急激に乗り心地が悪化する筈です。

ここらのバランスポイントがやはり最新のスポーツカーと比べると見劣りする部分です。

 

ハンドリングは限界も高いですが、まず普通の直進で落ち着きがないのが気になります。

荒れた路面で普通ステアリングを遊ばせればどうにかなるのですが、このクルマは少し進路を乱します。

細かな路面のアンジュレーションに対して常に修正舵が必要というか少し神経質な部分があります。

これはスポーツカーだからという問題ではなくリアのトーコントロール、直進性の作り方に問題があるのだと思います。

 

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総評★★★

 

Zは以前に乗ったバージョンSTの7ATモデルの印象が良かったのでそれと比べるとこのNISMOはスポーツカーとしても中途半端な印象ですね。

 

乗り心地やパワートレインの洗練度はおろかハンドリングさえ遥かにノーマルの方が快適で楽しいです(もちろん飛ばせば別ですが)。

NISMOがその存在価値を示すならもっと割り切ったチューンが必要だったのではないでしょうか?

 

それはもっと硬くてもはっきりとソリッドな足だったり、お金のかかったエンジンによる圧倒的なパワーとサウンドだったり・・。

価格差も少ない代わりに今のままでは中途半端です。

 

せっかくVersionが取れたのならもっと思い切った商品に仕上げて貰いたかったです。

AMGやBMWのM、アウディのRSシリーズのような地位を得ようとするならもっとコストをかけてもいいから、街乗りでもノーマルを圧倒する質感が必要です。今後のNISMOには皆が驚くようなノーマルとは全く違う世界を見せて欲しいと思うのです。

 

 

【スペック】全長×全幅×全高=4405×1870×1315mm/ホイールベース:2550mm車重:1540kg/駆動方式:FR/エンジン:3.7リッターV6 DOHC 24バルブ/トランスミッション:6段MT/最高出力:355ps(261kW)/7400rpm/最大トルク:38.1kgm(374Nm)/5200rpm/タイヤ:(前)245/40R19 94W/(後)285/35R19 99W(ブリヂストン・ポテンザRE-11)/価格:521万8500円

 

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