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ティアナ XV 試乗 日産 

もはや内装まで中国向け?
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今回で3代目ですね。

初代は2003年2月「クルマにモダンリビングの考え方」というコピーと実際に洒落た内外装で当時垢抜けなかった日本のアッパーミドルセダンの中にあって一定層の市場を持ちました。

まあ、2代目はその延長ですがいつもの惰性のモデルチェンジですね。

時代の少し先を行っていた内外装は時代に追いつかれ個性を失いました。

中国市場でしか売れないクルマに成り下がっていました。

 

そして今回この1月に登場した3代目です。

結論から言って惰性の惰性というかもう国内のセダン市場は捨てたのでしょうね。

だって目標月販520台ですよ。

これではアイドルストップも衝突防止装置も付けられないわけです。

それにとっぽいスタイルや内装を与えて中国市場でそっぽを向かれるわけにもいかないとなると・・。

もうこれは初代ティアナの名誉のためにも名前を変えた方が良かったのではないかと・・?

スタイル★★

 

最近の日産顔ですね。

ちょっと目のきつい男っぽい顔です。

これは女性ユーザーには似合わないクルマですね。

初代は女性が乗っても上品に見えたものです。

フロントフェンダーなんてものすごい盛り上がりで筋肉質です。

スカイラインと見まがわんばかりです。スカイラインならこれでいいのでしょうが、これはあの上品を売りにしていたティアナですよ?

 

確かにプロポーションに破たんはありません。

しかしセダンとしてはルーフが下がっていて、実際リアのヘッドクリアランスが不足しています。

2775mmというホイールベースでレッグスペースは十分なのに176センチの私が座るとさほど高くないシート高にもかかわらず頭は少しすれてしまいます。

内装★★★

 

ココは本来このクルマのハイライトであった項目です。

確かに質感は高くシートもソフトで一瞬はかけ心地良く感じます。

目玉の助手席パワーオットマンも装備されています。

しかしそのデザインにティアナらしさはまるでなくいったいどこの国のクルマに乗っているのかわかりません。

現代でもこのぐらいの事はやります。

 

インテリアカラーはブラックとシルキーベージュの2色です。

色使いはなかなかいいですが、これに合わさせる木目パネルやメタル調のパネルも微妙です。

シルフィよりも少しだけ高級かなというレベルにとどまります。

カーナビが7インチというのも今にしては小さく感じます。

破たんなく上質なので落ち着けるのは救いですが、初代のようにオーナーの個性を表現できるクルマではもはやありません。

 

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エンジン★★★

パワートレインはV6エンジンを廃止し、2.5リッター直4のQR25DE型とエクストロニックCVTの組み合わせ1本。

駆動方式もFFのみ。ココだけ見ても日産がもうこのクルマに多くを期待していないことが分かります。

ただ走りに特に不満はありません。

最高出力:173ps(127kW)/6000rpm/最大トルク:23.9kgm(234Nm)/4000rpmというスペックはNAの2.5Lとして悪くない数値ですし実際加速に不満はありません。

またCVTは約80%のパーツを新規開発および改良したというだけあってよほど踏まない限り気になるスリップもありません。

特に静粛性も高くCVTの長所であるスムーズな加速もあってのんびり乗るには非常に快適です。

燃費も改良されていますJC08モードで14.4km/リッターですから従来の11.4km/リッターから大きく改善しています。

アイドルストップがあればもっと伸びていたでしょう。

問題は踏んだ時の音ですね。それまで(パーシャル時)が非常に静かなだけに踏むと急激に音が増すように感じます。

そしてその音がちょっとこのクラスに似つかわないざわめいたものです。

ここは4気筒だからある程度は仕方ないのかもしれませんが、音質はもう少し頑張って欲しかったです。

足回り★★★

タイヤサイズは「XV」が215/55R17、「XL」と「XE」が215/60R16です。

乗り心地はソフトですがタイヤのせいか少し当たりが固くまた細かな揺れを制御しきれていません。

ロングホイールベース特有のゆったりとしたリズムはいいのですが、細かく観察するとその動きの中に少し不要な微振動が入ります。

ステアリングも直線を走っていてもどこかひょこひょこする感じです。

もう少し落ち着きが出ればもっとリラックスできるだけに残念です。

ここは先代とのアップデートの差が小さく感じます。

走り込めば差が出るのかもしれませんが、ちょい乗りの範囲では熟成不足というか、細かなアラばかりが気になってしまいました。

 

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総評★★★

冒頭、結論から言ってしまいましたがその通りです。

リリースで写真を見た時から終わったなと思っていたのですが、乗っても予想通りの結果でした。

もちろん現代の日産車ですからそれなりに仕上げてあります。

普通の人なら何の不満も出ないレベルです。

しかし逆にクルマ好きに何の魅力も与えないものでもあります。

“そこそこ大きくそこそこ安いだけ“のセダンです。

これでは確かに売れないでしょう。

つまり月販目標520台のクルマです。

【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4880×1830×1470mm/ホイールベース:2775mm/車重:1470kg/駆動方式:FF/エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ/トランスミッション:CVT/最高出力:173ps(127kW)/6000rpm/最大トルク:23.9kgm(234Nm)/4000rpm/タイヤ:(前)215/55R17 94V/(後)215/55R17 94V(ミシュラン・プライマシーLC)/燃費:14.4km/リッター(JC08モード)/価格:304万5000円

 

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