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AMG GT S メルセデスベンツ 試乗 Mercedes Benz

重いのに軽い!

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メーカーはSLSの後継ではないと言うけれどやっぱり意識してしまいますね。
何と言ってもこのAMG GTはSLSに続くAMG自社開発のスポーツカー第2弾としてデビューしたクルマですから。

ではでは、早速逝ってみましょう!^^

スタイル★★★★

第一印象はロングノーズのボディーもあって古典的な印象ですね。

典型的な2座GTのスタイルです。

ドライバーはリアタイヤに近い位置に座ります。

AMG GTは2014年のパリサロンでデビュー。
全長はSLSより90mm短い4550mm、ホイールベースも50mm短い2630mm、ボディーはSLS比かなりコンパクトになっています。

またSLSと違ってガルウイングドアは廃され、通常のスイング式となっています。

テールゲートに装備される可動式のスポイラー。車速が120km/h以上になるとせり上がり、80km/h以下になると収納されます。

Cd値は0.36、不思議と平凡な値ですね。

好みもあると思いますが、私はこの古典的なスタイルは好きです。

メルセデスらしいと言うか安心できます。

BMWのi8のような未来もいいですが、このスタイルも特に保守的なメルセデスファンの心を捉えると思います。

内装★★★★☆

内装の質感の高さはさすがですね。低いシートに“どっこらしょ”と座ると、一番目立つのはV8エンジンをモチーフにデザインされたセンターコンソールです。

この有機的に複雑な形と渋く輝くシルバーに質感の高さを感じます。

シートは試乗車にはオプションとなるナッパレザーのAMGスポーツシートが装着されていました。

このシートはサイズもたっぷりしていてサポートも完璧です。

 

ストロークは短いですが、しっかり支えられるので意外と快適性も高いです。
ハンドル位置は右と左から選べます。

 

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エンジン★★★★

エンジンはコードネーム「M178」4リッターV型8気筒直噴ツインターボです。
90度のバンク角で配されたシリンダーの谷間に2つのタービンが並列に並ぶイアウトで、メルセデスのレギュラーラインとは関連性のないAMGのオリジナルです。

ちなみにC63に搭載されるのはウエットサンプの「M177」です。

スペックはSLSが6.2リッターV8自然吸気(571ps、66.3kgm)に対し、この高性能仕様の「GT S」では510psと66.3kgm、標準仕様の「GT」では462psと61.2kgmとなっています。

今回試乗したのは高性能版のGT Sです。

動力性能は0-100km/h加速が3.8秒、最高速が310km/h。
AMGの常でサウンドはちょっとアメリカンな野太いものです。マフラー内のフラップを開閉して排気音を変化させる「AMGパフォーマンスエグゾーストシステム」を備えますが、スピーカーなどは使用しない自然な?音だそうです。

排気音が大きすぎるのかエンジン音はほとんど聞こえませんね。

ドライブモードはC(コンフォート)S(スポーツ)、S+(スポーツプラス)に加え、GT Sにはサーキット走行用の「RACE」モードもあります。
エンジン、変速機、サスペンションなどの統合制御ですが、「I(Individual)」では足はコンフォートで排気フラップだけを爆音にするなんてことも出来ます。

シフトはAMGスピードシフトDCTですがいまや十分にスムーズです。

とにかく加速は圧倒的で、エンジンが何回転であろうと、必要以上の加速を瞬時に手に入れることが出来ます。

このパワーをFRで受け止めるには、トランスアクスルは不可避だったのでしょう。

 

前後重量配分は前:後ろ=47:53と、リアの方が重く、タイヤも前=265/35R19、後ろ=295/30R20となっていますが、このパワーをコントロールするトラクションを確保するには、必須だったに違いありません。

それでも雨の日には何度もトラクションコントロールのお世話になる筈です。

アルミ製で比較的軽く仕上がったボディ(ほぼ同じボディー外寸の「ジャガーFタイプ R クーペ」より140kgも軽い)もあって常に力が漲っている感じが伝わってきます。

足回り★★★★☆

乗り心地はどのモードでも直接的なショックこそないもののはっきりと硬いですね。

これはSなので仕方ありませんが、普段使いするにはノーマルのGTの方がいいでしょう。

しかしボディの固さ感が半端ないので、非常に上質な印象があり快適です。

普通のSクラスが、内装がきしんでどこか頼りないのに比べると、こちらの方がいいもの感があります。

またこのボディの軽さ、ステアリングの軽さは、この重量級のGTにして意外なまでに軽快なハンドリングと乗り味が与えられていることに驚きます。

凝縮感、一体感が半端ないのでボディが小さく軽く感じます。

ハンドリングはSLSではホイールベースや乗員に対して長いフロント部の位置関係からくる遅れでノーズを振り回すような感じがありました。
これは昔のポルシェ928などでも感じましたが、幸いこのGT Sにはそこまでの癖は感じません。

重量配分の良さとドライサンプ化によって55mm下げられたという重心高も利いているのでしょう。

またリアアクスル近くに座ることでリアタイヤのグリップ状況が手に取る(尻に取る)ようにわかります。
しかも、パワーは有り余っているので、モードによっては軽微なスライドを誘発してリアのアングルをコントロールすることも容易です。

これはFRならではの楽しみですね。

またこのSでは望めばオプションとしてカーボンセラミックブレーキや、状況に応じてマウントの硬さを可変制御する「ダイナミックエンジントランスミッションマウント」なども用意されますので、サーキットを楽しむことも出来るでしょう。

 

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総評★★★★

価格はGT Sが1840万円で、GTが1580万円。SLS比1000万円近く安くなってほぼ同等のパフォーマンスを持つGT Sはお買い得です。

見た目の迫力も素人目にはSLSに引けを取らないのではないでしょうか?

比較車は911のGT3やBMW i8、ジャガーFタイプR、マセラティ・グラントゥーリズモなどでしょうか? 

この中ではGT Sの売りはメルセデスブランドの安定感と軽快ともいえる乗り味です。

マセラティ・グラントゥーリズモが一番近いかもしれません。

自然吸気で抜けのいい音の良さでと気持ちよさではグラントゥーリズモに軍配が上がりますが、GT Sの品質感と耐久性も含めた安定感も魅力です。

何度も買い換える余裕のある人ならグラントゥーリズモ、長く乗りたいならGT Sと言った感じでしょうか?

 

【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4550×1940×1290mm/ホイールベース:2630mm/車重:1670kg/駆動方式:FR/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:510ps/6250rpm/最大トルク:66.3kgm/1750-4750rpm/タイヤ:(前)265/35ZR19 (後)295/30ZR20/車両本体価格:1840万円

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