日本車が安物作りに走ってどうする!!
天気いいですね!原発の水も止まったみたいです。
でも放水してる水とか結局、蒸発して雨になって各地に降り注ぐのだと思うと、何も解決していないような・・。
もともとGEの設計とはいえ、技術立国である日本の威信を失墜する事故ではあります。
そうそうマーチですが、これ日本が作らないといけませんか?
そろそろ安いクルマは韓国や中国に任せれば?という乗り味でした。残念ながら。
●概要
2010年7月に発売された4代目のマーチです。
2代目はマイクラとして欧州に輸出されヨーロッパ・カーオブザイヤーに選ばれるなど、欧州戦略車として成功したブランドですね。
今回は欧州というより世界戦略車です。
開発は日本ですが、タイで生産される逆輸入車ですね。
これはタイ政府が2008年に打ち出した「エコカー計画」にのったものです。
これは適合すれば、メーカーはエコカーで得た利益の法人税が8年間免除されます。
日産以外にもトヨタやホンダ、VW・スズキなども進出していますね。
スタイル★★☆
初代はG・ジウジアーロの作でフィアット・ウーノやセアト・イピーザにも似ているなどと言われましたが、当時としては実にクリーンなイタリアン・デザインでした。
それが2代目になって急にころっとした癒し系のフォルムに生まれ変わります。
これがこの手に慣れていないヨーロッパ人に受けたわけですね。
今で言うキューブみたいなもんです。
3代目も癒し系を踏襲です。
ただ同じ癒し系でも偉いのは単なるキープコンセプトだけではないところですね。
これが単なる焼き直しですませている現行フィットとの違いです。
今回の4代目も楕円のヘッドランプや半円型のサイド・ウインドウに先代の面影を見ることができます。
面の張りもありますし、フロントはカバのように大きく口をあけたフォルムで力強い印象もあります。
ちょっと大袈裟に言えばミニ・アストン風?
ところがいけないのは実車を見ると安っぽさが透けて見えるのです。
カタログを見てもボンネットの隙間が大きく、ドアのそれと明らかに違うほどですが、実物は鉄板の薄さが感じられ、どこか日本のクルマとは思えません。
先代までの確信犯的な癒し系がわずかな品質の違いで単に田舎っぽい感じに見えてしまっています。
これでは言われなくてもタイ生産と分かります。
人間の五感はなかなか鋭いものがあります。
またこれは足回りの稿でも述べますが、新型のボディは新興国での入手を考慮して引っ張り強度440Mpaという弱く安い鋼材を使用していることにも関係します。
普通はこのクラスでも600Mpa程度の強度はあります。
もちろん新興国での修理や重量、価格などいい面もありますが質感はやはり落ちます。ドアの開け閉めもプラモデル的というかなかなか経験したことのないフィールを味わえます。もちろんメーカーは分かってやってい
るのですが・・。
そこがワールドカーといえどVWなどとの価値観の違いです。
内装★☆
内装もコストダウンの影が丸見えです。
流石に日本車ですから配線が見えていたりはしませんが、内装のたてつけもよく見ると何箇所かずれています。
プラスチックの質感はプジョーなどのヨーロッパ車はもちろん、スイフトあたりと比べても明らかに落ちます。
ゴーン流?コストカットは女性には必須と思われるUVカットガラスまで落としています。
デザインに関してもまったく見るところがありません。
せめてカラーリングだけども楽しくすればいいものを相も変わらず薄汚れたようなベージュです。
フィアット・パンダのような楽しい小型車は日本からはまだまだ出てこないようです。
シートの掛け心地も相変わらずです。
表皮は薄くちょっとしたショックで底突き感があります。
サイドサポートも物足りません。
新興国の人が長年信じ、一生懸命に働いて買った日本車がこれで本当にこれでいいのでしょうか?
頑張って日本車を買ってくれた人の夢を打ち砕かないといいのですが・・。
エンジン★★
新開発の3気筒HR12DE&ジャトコのCVTですね。
10・15モードはクラストップの26km/lです。
メーカーでは3気筒化によって4気筒よりも20%もフリクションロスが低減できると謳っていますが、実際にはバランサーなどの影響でそれほどでもありません。
確かにアイドリングの振動はよく抑えられています。
アイドリングストップの制御も見事で、再始動の振動やレスポンスもほとんど気になりません。
そうした意味では確かに日本の最新エンジンなのですが、やはりフィールが安っぽいのがいただけません。
限界設計のためか、回すとサウンドもざらついて何の楽しみもありません。
シリンダーブロックの剛性が足りない感じの薄っぺらいフィールです。
これではスポーツドライブの楽しみはありません。
いい小型車はパワーがなくてもエンジンをブン回して走る楽しみがあるものですが、マーチのエンジンは回す気になれません。
これでは若者もクルマ離れするわけです。
さらにいけないのがCVTです。
アクセルを踏むとエンジンの回転が上がり、次にCVTがスリップし、最後にようやくクルマが加速する。
そんな感じです。まるでダイレクト感がありません。
このクルマに乗ると反応が鈍いのでついアクセルワークが雑になります。
結果燃費も悪くなります。
いいクルマはアクセル1ミリの反応を楽しめるので運転が繊細にになります。
本当のエコカーは楽しくエコできるから長く続き結果になるのだと思います。
残念ながらこのクルマはなんともマイクラじゃなかったナマクラなフィールです。
足回り★☆
乗り心地はかろうじて角が取れているだけです。
タイ生産のファルケンのタイヤは燃費とコストの制約からかトレッドが固くユニフォーミティーも低い感じです。
ソフトな設定なのに小さなコツコツ感が付きまといます。またフラット感もありません。
どこか常に揺ら揺らしています。
ハンドリングも不安です。
市街地でさほど速度がのっていない時でさえステアリングの切り初めでグラリときます。
交差点を曲がる時でもステアリングフィールの曖昧さとともに不安になるほどです。
加えて件のボディは常にワナワナしています。かろうじて音こそ発しないもののその周期的な揺れがこもり音になっている感じもあります。
天井に二本のブーメラン型の窪みを入れ剛性を確保し、音対策もしたといいますが、その効果は実感できません。
440Mpa鋼鈑の限界なのでしょうか?
但し大きなショックに関しては意外にしたたかに受ける一面もあります。
まあ期待値が低いということもあるかもしれませんが・・。
いずれにしても快適性も楽しみもない足回りです。
ニスモは試していませんが、とにかくこのままでは乗りたくないです。
総評★★
日産のブランニューのモデルとあって期待して試乗しましたが、まったく残念でした。
匠の技と知恵を有するモノ作り大国の日本の製品とは思えません。
なんでわざわざ中国や韓国車の土壌に降りていくのでしょうか?
ローハイテン・ボディの生産技術なんて中国のスパイにすぐにパクられてしまうのに・・。
これは日産ではなくLGやサムスンのクルマみたいです。
日本車が勝負すべきは質の高い乗り味であり、デザインだと思います。
中国の人もそこに高い金を払う。今のレベルなら何も日本車である必要はないです。
韓国車で十分です。今や世界にはもっと安いクルマがいっぱいあります。
初めてクルマに触れる人に運転に楽しみがないみすかされると、メーカー自らの首を絞めるのではないでしょうか?
日本と違って新興国の人たちはまだまだクルマに夢を持っていると思います。
今はまだ大丈夫かとは思いますが、このマーチがクルマ離れならぬ日本車離れ加速装置にならなければいいのですが・・。