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BMW 320d Luxury 試乗

ボルボのディーゼルと比べてどうか?

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最近の2リッターのディーゼルはどれも良くできていますが、Vol.230でご報告したC220dや私が最高の出来と思っているVol.219のボルボV60 D4のディーゼルと比べてどうなのか?

ではでは、早速逝ってみましょう!^^

スタイル★★★

3シリーズも流石にちょっと古くなってきた感じもありますね。
現行のF30は2012年のデビューですから、まだ4年弱しかたっていませんが、Cクラスがモダンなスタイルで登場した事もあってか新鮮な印象は受けません。

この5月にマイナーがありましたが、これも一般にはほとんどどこが変わったのかわからない程度のものでしたからなおさらです。

全体にちょっと丸いフォルムは3にしては若々しさに欠けます。

LEDで化粧していますが、昔の3シリーズを知る物にはちょっと大人になっちゃったなーという印象ではないでしょうか? 

まあサイズアップしたことも影響していますね。

救いはサイドのシャープで明確なウェッジシェイプを表現したキャラクターラインや3のアイコンともいうべきCピラーの処理ですが、そろそろ次期モデルは大幅なフォルムの変更が必要な時期かもしれません。

内装★★★

内装も試乗したLuxuryはシートのデザインにしてもあまり面白みはありませんね。

インパネも全車統一されているせいもあってかちょっと飽きてきました。

まあ品質感や色使いは流石に高級感があってプレムアムブランドらしさはあります。

特に最近のMスポーツの内装はいいですね。

前席も後席もスペースに不足はありません。もちろん贅沢な空間はありませんが、セダンならではの居心地の良さがあります。

リアシートのシートバックの角度や適度なプライバシーの確保されたCピラーなどはかなり練られたパッケージングだなと感じます。

まあ、BMWの主力モデルなので当然ではありますが。

 

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エンジン★★★★

ここがこのモデルの見所ですね。

2リッター直4DOHC16バルブ ディーゼルターボエンジンは184psと38.7kgmを発生、燃費は19.4km/リッター(JC08モード)。

ミッションは8速のトルコンATです。

排気浄化システムはNOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒を装着するため、尿素水溶液「アドブルー」の必要はありません。

ちなみにライバルのスペックは、ボルボが2リッターで最高出力190ps(140kW)/4250rpm、最大トルク40.8kgm(400Nm)/1750-2500rpm、ミッションは8AT、燃費はV60で20.2km/リッターです。
またメルセデスベンツのC220dは2.2リッター直4ディーゼルターボで最高出力170ps、最大トルク40.8kgm、ミッションは9AT、燃費はセダンで20.3km/リッターです。

これを見るとボルボのスペックが勝っていますね。

実際のフィーリングもボルボが一番パワフルで軽快です。

メルセデスはマナーが良くディーゼルらしさを抑えたセッティングです。

スタートはスムーズで音もマイルドです。

BMWのディーゼルは一言でいえばライバルに比べるとディーゼルらしさが強いというか、スタートからドンと力強さを感じるタイプです。
音もどこか固さが残っているというか、気になるほどではありませんが硬質感のあるフィールです。

パワーに不足はありません。ただエンジン屋のBMWに期待する、ファンなフィールはありません。

ライバルのボルボがディーゼルでありながら回す楽しささえある素晴らしいユニットに仕上がっていることを思うと、そこが少し残念なところです。

足回り★★★★

足回りも従来の3シリーズに準じますが、マイナーで乗り心地まで良くなったMスポーツや前回乗ったアクティブハイブリッド3に比べるとこのLuxuryは少し物足りません。

乗り心地も悪くはないですがフラット感では前述の2モデルに及びませんし、ハンドリングもしかりです。

どこか中途半端な印象です。メルセデスのしなやかさや、A4の完全なスタビリティと比べると今や3の標準モデルのアドバンテージは何なのかと考えます。

以前ならFRならではのステアリングフィールや50:50の前後バランスによるニュートラルなコーナリング特性などにそれを見出しましたが、今回は重いディーゼルユニットを搭載していることもあって、残念ながらそのあたりもクリアに伝わってきませんでした。

美点はブレーキのフィールとコントロール性の良さでしょうか?

またほとんどのBMWが停止寸前にブレーキを抜いても“ギギッ”っと音を発しパッセンジャーに気を遣うのですが、流石に日本でも売れ筋である3シリーズは対策されているようです。

未だに多くの輸入車がこの無粋な特性を克服できていない中、制動力との折り合いをつけているのはいいと感じました。

 

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総評★★★☆

不思議なのは同じエンジンを積んだ218dの方がエンジンの印象はいいのですね。

多少ディチューンされているのも影響しているのか、吹けあがりも軽く回す楽しさもあります。

ちなみに218dのスペックは150ps&33.7kgmです。

車重はほぼ変わらないので、ポテンシャルの高い3シリーズの方がシャーシファースターに過ぎて、面白くないと感じられるのかもしれません。
あまりに剛性の高い3シリーズのボディには相対的にモアパワーを感じるのだと思います。

クルマって難しいですね!本当に微妙なバランスの上に成り立っています。

2リッタークラスのディーゼルエンジンのベストはデンソーの2500barのコモンレールと1秒間で1000回という「i-ART」のインジェクターを搭載したボルボのディーゼルだと思います。

また車両も含めての洗練性ではC220dに軍配が上がります。

BMW320dは価格を含めて少し厳しい戦いを強いられるのではないでしょうか?
なんと言っても身内の218dが100万近く安くて、広くて新しいとなると、FRのありがたみとハンドリングにその価値を見出す人がどれだけいるのか?

新しいアウディA4もかなりの出来だと聞きます。
3シリーズはいろいろな意味で難しい時期に来ているのではないでしょうか?

【スペック】全長×全幅×全高=4625×1800×1460mm/ホイールベース=2810mm/車重=1620kg/駆動方式=FR/2リッター直4DOHC16バルブ ディーゼルターボ(184ps/4000rpm、38.7kgm/1750-2750rpm)/燃費=19.4km/リッター(JC08モード)

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