街乗りが抜群に楽しい!
新型スマートは2014年7月ベルリンで初公開され、日本では2015年10月28日の第44回東京モーターショーで発表されました。
4人乗りのフォーフォーは来年の1月に発売予定です。
トピックはやはり念願のデュアルクラッチの採用でしょうか。
初代に少し乗っていたことのある私はシームレスな加速をするスマートってどんな感じなの?と、興味津々で出かけた次第です。
ではでは、早速逝ってみましょう!^^
スタイル★★★★☆
「フォーツー」の外寸は全長2695×全幅1663×全高1555mm。
全長は従来型と同等ですが、全幅は従来型より一気に10cm以上広がって1663mmになりました。
これを嘆く人も多いと思いますが、走りとサイドクラッシュを考えると仕方ないのでしょう。
スタイリングはご覧の通り兄弟車のトゥインゴとかぶりますが、フォーフォーと違ってこのフォーツーは流石にプロポーションがグロいというか、ブル感が引だっています。
小さいけど可愛いくないのはこのブルドック顔によるものです。
男性が乗っても違和感がないのはイイですね。15インチのタイヤも踏ん張り感満載です。
フォーフォーもですが、サイドはAピラーからサイドシルをぐるりと取り巻く「トリディオンセル」が踏襲されています。
これだけで完全にスマートに見えますね。
少し残念なのはドアの長さが伸びたので、乗降時の横方向スペースが必要になったことでしょうか?
リアはフォーフォーは普通のハッチですが、フォーツーは従来通りガラスハッチを開けてから下のゲートを開けるタイプです。
こうすることで狭いスペースでも開閉することができるというわけですね。
色はフォーフォーは5色ですが、フォーツー限定販売となるため今回はオレンジとブルーの2色のみです。
内装★★★★
内装もスマートそのものですね。
コントローラー付きのステアリングや液晶モニター(7インチ)は初出ですが、大きな速度計やダッシュボードから“生えた”サブメーターなどがスマートのアイコンです。
スエット調の生地もスマートらしいところです。
エアダクトはスリーポインテッドスターをモチーフに、それ自体を回すことで風量をコントロールするというシンプルさもスマートらしさでしょう。
幅が10センチ広がったことで、隣との間隔は普通の小型車と変わらなくなりました。
前を向いている限りは軽自動車よりもゆったりした感じです。
ちなみに「フォーツー」のラゲッジルームの容量は260~350リッター(VDA方式)。
エンジン★★★★
エンジンは今回はNAですね。
1リッター直3自然吸気エンジンの71psです。
パワーはちょうどいい感じに回せます。街乗りで使い切れるパワーは楽しいですね。
フィールも音もイイです。
初代のターボはかなりドッカンターボだったのでこの扱いやすさは嬉しいですね。
スムーズで使いやすいエンジンです。
やはりこういう小さなクルマはエンジンをブン回して楽しみたいのでコレはいいです!
そして、ミッションはついに6段DCT、デュアルクラッチになりました。
念願のシームレスな変速が実現しました。
従来型はどうしても加速時に息継ぎがありましたが、これは流石にスムーズです。
ダイレクト感もしっかり出ていて楽しいです。
足回り★★★★
このホイールベースですから仕方ないのですがピッチングは完全には取れていないです。
でもそれが嫌ではないです。
その動きはサスペンションの動きが感じられるようでとても楽しいです。
乗り心地はしっかり感がありながらソフトさも感じられるもので、この辺りはアライアンスの関連かルノーっぽさも感じます。
ボディが圧倒的にしっかりしているのもイイです。
そして、10センチ拡大された全幅の効果は絶大でコーナリングの安定感は抜群です。
従来型ではハードコーナリングで僅かながらでも転倒のリスクを感じたものですが、これは全く心配入りません。
そして楽しいです。
この楽しさはRRならではと言うか、リアアクスルに近い位置に座るので駆動やグリップをダイレクトに感じます。
正にミニ911と言って差し支えないと思います。
サスペンション形式は先代と同様、前がマクファーソンストラットで後ろがド・ディオンです。
また、新型フォーツーで凄いのは3.3mという最小回転半径です。「トヨタiQ」が3.9m、開発担当のエンジニア氏は「iQをしのぐべく頑張った!」といいます。
この最小回転半径は新型「ルノー・トゥインゴ」と同様にRRレイアウトによるところが大きいです。
FFと違ってフロントにドライブシャフトがないことで達成されたものですね。
総評★★★★
パリやローマなどヨーロッパでスマートが流行っているのは、街中でスマートなら止められるスペースが見つけられるという事があります。
日本では都市部は一律に全面駐車禁止なので、スマートのメリットがあまり得られないのが問題ですね。
それにこの国にはよくできた軽自動車という強力なライバルがいます。
なのでその辺りを熟知したメルセデスはスマートのフォーツーは限定車として発売することにしたようです。
今回のエディション1はオレンジとブルーを各220台です。
でも走りは、軽自動車ととは比較にならないほど楽しく有機的です。
RRレイアウトに良く動くサスペンション。
しっかりしたボディとスムーズで扱いやすいパワートレイン。
199万円という価格もそのセンスと存在感を考えると、今や高くなった軽自動車に対して競争力を持つと思います。
前作をみると今後カブリオレやもしかするとターボやロードスターなども発売されるかもしれません。
フォーフォーならトゥインゴを選ぶかもしれませんが、このフォーツーは今だ唯一無二の存在で魅力的な小型車だと思います。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=2695×1663×1555mm/ホイールベース:1873mm/車重:935kg駆動方式:RR/エンジン:1リッター直3 DOHC 12バルブ/トランスミッション:6段AT/最高出力:71ps(52kW)/6000rpm/最大トルク:9.3kgm(91Nm)/2850rpm/タイヤ:(前)165/65R15/(後)185/60R15/燃費:4.1リッター/100km(約24.4km/リッター、欧州複合モード)/価格:199万円