新型のCクラス評判いいですね!どの雑誌も絶賛です???
オヤジは以前テストコースと市街地でチョイノリしたのですが、はっきり言ってイマイチ響きませんでした。
それでも、あまりにもメディアが絶賛するので自分の舌は、いや尻は間違っているのか?
と思い、今回は2泊3日で淡路島まで行ってきました。
メルセデスの真価は高速&長距離でこそ発揮されるかもと思ったからです。
「試乗オヤジ・・」では珍しい300キロを超える長距離テスト。
果たして新型メルセデスの真価やいかに。
●概要
名車、190のあと93年にCクラス(W202)と名前が変わり、2000年にW203、そして2007年にこのW204ですからCクラスとしては3代目ですね。
3シリーズやA4をライバルとするDセグですね。
マスクはこのアバンギャルドとエレガンスがあります。
エンジンはこのコンプレッサーが直4、1.8スーパーチャージャーで184ps、他にV6、2.5、204psと3.0、231psの3種です。
ボディはセダンとワゴンがあります。
スタイル★★★★
スッキリしてどこから見てもベンツそのものですね。
力感のあるフェンダーや、ストレート基調に変わったラインはSクラスと同じ流れを汲むものです。
ブランディングの構築は相変わらず見事ですね。
ドイツ車の場合はモデルごとというより、メーカー全体の流れが、スタイリングを支配していますね。
↑黒がスポーティーってワンパターンですね。190のコスワースみたいな雰囲気はちょっとやりすぎでは?
内装★★
簡単にサイズアップしてしまう3シリーズやA4と違い、1800mm以内に全幅を収めているのは見識ですし、乗った印象も幅方向の狭さは感じないのですが、天地が窮屈ですね。
シートのデザインも何の遊び心もなく、掛け心地ベンツに期待する高級感はありません。
スライドは手動ですし、長時間のドライブでは尻が痛くなってしまいました。
190やW202の時代は、豊かなストロークと面の張りで支えるベンツ流のシートでこんなことは絶対にありませんでした。W203にしてもストロークこそ制限されていましたが、バンとした面の張りを持っていました。
このW204からは残念ながら普通のシートになってしまったようで、ベンツ特有のシートの感触はもはやありません。
またウッドやダッシュの質感はいいのですが、ステアリングやシートのレザーは硬くて風合いはありません。
昔のように中身が良ければこれも「実質剛健」となるのでしょうが・・。
そしてなんと言っても今回最大の驚きと失望が、ナビやオーディオ、エアコンなどのコントロール系です!
ビーエムのようにダイヤルで全てをコントロールするのですが、コレが恐ろしく使いづらい!!
目的にたどり着くまで何層にもなっていて、特にナビはマニュアルがなければまったく使い物になりません。
オーディオにしても、普通助手席でCDを入れ替えたりするものですが、これまたダッシュにスイッチが何も無いので勝手知ったるはず? のドライバーの仕事になってしまいます。
とにかく、これまでのベンツは誰が乗っても直感的に操作できる安全性が売りだったはずです?
今回は何度もクルマを止めてマニュアルを見ました。
結局、それでもオヤジはついにこの3日間、最後までマスター出来ませんでした。
安全性を重視し、走行中の視線の移動を嫌うベンツにはありえないアプリケーションです。
↑あまりに簡素なリアシート。500万級のクルマのありがたみが伝わりません。
エンジン★★★
4気筒としてはスムーズでパワーもあるエンジンです。
どの回転でも確かにパワーもあるし、パーシャルではスムーズです。
それでもベンツとしては? となってしまいます。
ベンツのブランドとはそれほど期待値を高くさせます。
まあ、203の高回転の盛大な音とガサツなフィールに比べれば随分と静かでスムーズになりました。
V6ならば4つ★です。
↑初期のビーエム並にひどく使いづらいコントローラー。クリック感が安っぽいのも気になります。
足回り★★★
歴代Cクラスの試乗会がサーキットで開かれる理由が分かりました。
セダンとしてハンドリングが素晴らしく、飛ばした際の安心感としたたかさ、懐の深さは流石にベンツです。
とにかく安定しているのです!
ただ今回、高速道路と市街地を走ってみて、やはりイマイチなのです!
高速道路ではベンツに期待する直進性はありません。
もちろん手を添えているだけでまっすぐ走るのですが、昔のように大地に根が生えたかのような磐石の安定性が感じられないのです。
乗り心地も昔は高速になると、これまでの硬さが嘘のように消え、恐ろしくフラットでまるで止まっているのではと思うほどだったものですが・・。
スポーティーに振った足は100キロを超えても一向にフラットになりません。
路面の凹凸を正確に拾い細かなピッチングを繰り返すだけです。
市街地ではもっと硬さを伝えます。
45にしてはハーシュネスはありませんし、角は十分に丸められています。
それでも振動の周期が速く落ち着きません。
エレガンスでは印象がまた違ったのかもしれませんが、この乗り心地に引き締まった高品質感はあっても高級感はありません。
飛ばさないと楽しめない足です。
ただ、小回りが利くことと、ブレーキがいいことはベンツの伝統を踏襲しています。
↑ステアリングの革はコレ本物? まるでプラスチックのような質感?
総合評価★★★
このクルマ、ベンツでなかったら4つ★かもしれません。それぐらいの完成度は持っています。
でも、これはベンツなのです。それだけのプライスタグも付けています。
他のクルマに比べ、100万円以上高いと思います。
VWやプジョーならこのぐらいのクルマなら300万円台で作ります。
乗り心地にもシートにも、そして高速安定性にもベンツの味がなくなってしまった今、グリルのスリーポインテッドスターに100万円のエキストラを払うほど、オヤジはメルセデス信者ではありません。