320iが来たのはいいですが、このカラーは・・・?
赤の見本のような赤はちょっとオヤジには恥ずかしいです。
アウディのようにちょっとルビーっぽい艶やかな赤だったらもう少しシックに乗れるのですが?
それでもコレに若い女の子なんか乗っていたらかっこいいでしょうね!
実際、試乗中もけっこう視線を集めましたが、ドライバーがオヤジと確認すると明らかに「なーんや」みたいな表情になります。
まあ、逆の立場ならボクも同じようにすると思うので仕方ないですが。
●概要
2005年のデビューですから早いものでもう3年目になります。
バリエーションは豊富で、セダンはこの320をボトムに323,325,330,335の5種のエンジンがあり、325と330にはxiと呼ばれる4WDモデルがあります。
ワゴンのツーリングは320.325.335の3種。
クーペは320.335とご存知M3とカブリオレがあります。
まあ、こうして説明するのもいやになるほどのバリエーションですが、BMWといえば「3」、そして3の全てBMWの全てを味わえるモデルがこの320iといえるでしょう。
スタイル★★★
確かに3年を経ていまだフレッシュさを失わないのは見事です。
しかし、それは「7」と「5」に短を発するクリス・バングルのデザインの延長です。
最初にこのニュー3を見た時なーんだと思いました。
「7」から「5」へはさらにエッジの利いたデザインになったのに「3」ではそれが後退して無難になってしまったように感じたからです。
確かに46よりもラインはシャープになっていますが、「5」の後だとむしろぼってりして見えます。
テールランプの処理も迷いが感じられて冴えません。
ちなみに3のデザイナーは日本人の永島譲二氏ですね。
内装★★★
品質感は高いですが、これまた今までのテイストの踏襲で新鮮さはありません。
またドアロックが国産の高級車みたいに走り出すと自動で閉まってしまいます。
これは不便ですね。
後ろにちょっとした荷物とか置く機会は多いと思いますが、乗り降りの度にロックを解除してやらなくてはいけません。
まったく不便です。
走行中に襲われるとか?
防犯上の理由でしょうか?
日本はまだそこまで危険でもないような?
ドイツの最新モデルですから事故で閉じ込められるということはないと思いますが、とにかく不便です。
↓「5」と比べると流石に革は薄く質感は少し落ちます。それでも「テカって」ないのは流石ですが。
↓日本市場が重要なマーケットとなっているBMWでは使いやすいカップホルダーも標準です。
↓トランクはセンターコンソールだけではなく、リアシートも倒れてスルーします。
↓ナビはディーラーオプションの物が付けられていました。それにしても「3」はいつもウッドが似合わないし下手です。「5」以上はシックなのに、なぜか「3」のだけ安っぽくプラスチックに見えてしまいます。
↓これが使いにくい!左側にあるスタータースイッチ&キーの差込口。乗るたびに左手に持ち買え、しかも2モーションです!それとこのウインカーも最近皆コレなんですが、「チョン」とやると3度自動で点くタイプ、戻すときに反対に出してしまったりでハッキリ使いにくいです。
エンジン★★★★★
ここまで評価の低かった「3」ですがエンジンは流石にBMWです。
ボンネットの中にまでエンブレムを付けたくなる気持ちも分かります。
とにかくどこからでも充実したトルクを味わえます。
ATも見事で、あらゆるスピード域でショックもなく効率的に加速してくれます。
本当にコレだけしか知らなければコレで十分スポーティーだし、まったく不満はありません。
正にエンジン家の面目躍如です。
ただしペダルレイアウトには不満があります。
右ハンドル化の弊害か、アクセルとブレーキの間隔が狭く、さほど足の大きくないボクでも何度か踏み換えの際に引っ掛けてしまいました。
ホイールハウスに邪魔されて、アクセルが左に少しオフセットしているせいです。
カップホルダーより先にキーやペダルをなおして欲しいものです。
これまた悔しいほどに見事です。
ランフラットを履くにもかかわらず乗り心地は十分にマイルドで、安定性も定評のあるボディ剛性と共に信頼に足るものです。
ただ試乗車は走行500kmの新車だったため、まだフリクションが残っていて、高速での上下動やフラット感の欠如といった問題はありましたが、距離を重ねればしなやかになるはずです。
町中を走る限りではその小さなボディの恩恵もあって、一体感が非常に高く、「5」よりもスポーティーに感じます。いつでも望むだけの加速をしてくれるエンジンともあいまって「スポーツセダンはBMWの3に限る」のフレーズが頭をよぎります。
ただ、ステアリングは「5」の方が好みです。
新車を考慮しても「3」の方がハッキリと重めの味付けなのですが、切り始めのセッティングは随分ダルです。
もちろんゲインが立ち上がる頃には十分正確でシャープになるのですが、とにかく普通の進路変更などがスローでそこだけスポーツセダンの称号がちぐはぐに感じます。
ちなみにアクティブステアリングは「3」には与えられていません。
↓タイヤはBSトランザ205/55-16です。
色々細かな文句も書きましたが、やはりこれほどの一体感を味わえるスポーツ・セダンはなかなかありません。
しかも、これほどの品質とブランドを伴って。
3シリーズが世界的に高い評価を得ているのもうなずけます。
今回久々に「3」に乗って「5」以降のBMWが乗り心地とハンドリングの両面でまた新たなステージに突入したのだと実感しました。
E46も見事なクルマでしたが、今度のE90はフルチェンジの効果を証明してみせました。
E90に乗ってE46に乗ると、楽しさは別として明らかに1世代前のクルマであることを実感するでしょう。
それほど今度の「3」もモダンでレベルの高いクルマでした。