【PR】

BMW X3 xDrive20d ブルーパフォーマンス 試乗 

値段の割りに高級感に欠ける
bm.jpg

BMWはあっという間に日本にもディーゼルのラインナップを揃えてきましたね。
セダンの3・5シリーズ、そしてこのX3にX5シリーズと計4車種になりました。

 

ディーゼル・モデルでは日本に1番のりだったメルセデスが未だにEクラスだけなのと比べ随分と積極的です。

それはメルセデスが排ガス処理に高価でメンテナンスも必要なアドブルーという尿素とSCR触媒に頼っているのに対し、BMWはより安価で簡素なシステムを持っているからでしょう。

 

BMWはトヨタにディーゼル技術を売るだけあって排ガス処理も流石に先進的です。
BMWでは排出ガス中のNOx(窒素酸化物)処理には、尿素SCRシステムではなく、NOxトラップ触媒で完結させています。

これは安価なのでモデルの幅も広げやすいですね。

 

実際、価格差はガソリンモデルと比べ20万円程度で納まっています。

さてさて既に523dで試乗済みの4気筒ディーゼル・ターボですが、X3に積むとどうなるのでしょうか?

 

 

スタイル★★★

 

X3も今や随分大きくなりましたね。

スリーサイズは全長4648mm×全幅1881mm×全高1661mm、2810mmのホイールベースは、3シリーズと同等。

先代比では、全長83mm、全幅28mm、全高12mm、それぞれ拡大されています。

 

この数値は全長では初代X5に匹敵し、全幅では上回っています。

「X1」が登場したとはいえ、日本ではコンパクトな事も魅力だっただけにちょっと残念な部分です。

 

スタイルも先代はライトを内側にセットし、こじんまりとまとめていましたが、新型ではサイドと一体化して横幅を強調する一般的な手法になりました。

ディメンションが変わったこともありますが、先代の明快なメッセージはぼやけた感じです。

 

相対的に低めの車高などSUVなのにスマートに見せようとしている感じになっていますね。

クーペ的なX1と正統的なX5に挟まれているからでしょうか?少し中途半端な印象です。

 

bm1.jpg

 

 

内装★★

 

内装は新型3シリーズと比べるとかなり見劣りする部分です。

ナビ画面の小ささやダッシュボードの質感もですが、平坦なメーターも上級グレードにはあるシルバーのリングが省かれていることもあってかなり貧弱な感じです。

 

内装色が黒でシートのデザインもいつもの(少し古い)BMWそのものだった事もあまりいい印象をもてなかった要因でしょう。

デザイン自体もちょっと飽きたのか古く感じてしまいます。

 

まだデビューから2年ほどしかたっていないX3ですが、どうもSUVに乗るというワクワク感に欠けるのです。

ドイツ車の生真面目な部分が悪い方に出てしまった感じです。

 

白のレザーなどの仕様であれば少し明るい印象になるかと思いますが、もう少しフレッシュで華やかな印象を与えて欲しいものです。

シートのフィッティングも物足りません。

 

サポートが足りないと言うより普通に座った時の落ち着きと言うか微妙なのですが、セダンの3や5では気にならなかっ
た何かが足りないのです。

 

 

エンジン★★★★

 

このエンジンはやはりいいですね!

セダンの523dは1760kgですからこのX3では逆に110kgほど重くなっていますが、この程度はもろともしないトルクがあります。

スタート時はアイドリングはディーゼル特有の「コロコロ」音が少し気になります。

このあたりはセダンの3シリーズの方が静かですね。

 

しかし、走り始めると音が気にならなくなるのもセダンと同様です。

それよりも軽くアクセルを踏むだけで力強く加速する力強さの方が印象的です。

6気筒となるX5のディーゼルとまではいきませんが、X3のボディには十分なパワーです。

 

ミッションはお馴染みの8速ATですが、これも相変わらずいい仕事をしますね。
ショックはほぼ皆無で効率的なシフトアップをします。

ただ1シリーズや3シリーズのように電光石火とまではいきませんが、これはSUVという性格上仕方ないでしょう。

 

このエンジンは最新のコモンレール直噴システムに、回転数に応じて過給圧を制御する可変ジオメトリー・ターボチャージャー(VGターボ)の組み合わせです。

ちなみにアウトプットは、最高出力184ps/4000rpm、最大トルク38.7kgm/1750-2750rpmです。

 

これは「X3 xDrive20i」の2リッター直4ターボが、最高出力184ps/5000rpm、最大トルク27.5kgm/1250-4500rpmですから、パワーでは全く同じ、トルクではこちらの20dの方が11.2kgmも圧倒します。

さらに上級モデル「28i」(2リッター直4ターボ搭載)と比べても、その最大トルク35.7kgmを3.0kgm上回っています。

アイドリングストップからの再始動もディーゼルエンジンとは思えないほど素早いですね。

ただエンジンが掛かった瞬間に僅かなショックがあります。

ここもセダンの3シリーズと比べそのショックが僅かに大きいのは残念です。

 

そして燃費はJC08モードのカタログ燃費を見ると、20dが18.6km/リッター、20iが13.4km/リッターですからスペックだけを見たらディーゼルを選ばない手はないですね。

価格もガソリンの20iが541万円なのに対し、ディーゼルの20dは23万円高に抑えられた564万円と、なかなか魅力的な設定です。

 

 

足回り★★★☆

 

乗り心地はいいですね。

今のBMWにランフラットの心配は無用です。

先代の固さはすっかり取れています。

 

フラットな感じは薄いですが、直接的なショックは全く感じません。

試乗車のタイヤは標準サイズの225/60R17でした。

Mスポーツパッケージではひと回り大きな245/50R18が装着されます。

また、オプションでは245/45R19(前)、275/40R19(後)というセットもあります。

 

一方、ハンドリングはX1あたりと比べると随分SUVっぽさが残っていますね。

横方向には意外にも緩い感じです。

 

少しビシッとしないというか、街中では落ち着きがない感じです。

しかし、これが飛ばすと不思議に収まってきます。

高速道路では高い車高もあってなかなかゆったりとした気分で安心したドライブが出来ます。

このあたりは流石にBMWだなあと思う部分です。

 

bm2.jpg

 

 

総評★★★

 

SUVにディーゼルの組み合わせは魅力的ですが、X3はちょっと中途半端に感じました。

微妙に上級移行したサイズとキャラのせいでしょうか。

 

この価格ならはっきり言ってQ5の方がいいですね。

BMWの贅沢さとスポーティーさを併せ持つ性能を期待するならX5まで行かなくてはなりません。

またこのクラスのSUVにはイヴォークという尖がった強敵もいま すし、フォードのエクスプローラーやクーガも乗り味では全く負けていません。

今回はディーゼルであると言う事以外にX3を選ぶ理由はないと感じました。

 

【スペック】全長×全幅×全高=4660×1900×1675mm/ホイールベース=2810mm/車重=1870kg/駆動方式=4WD/2リッター直4DOHC16バルブ ディーゼルターボ(184ps/4000rpm、38.7kgm/1750-2750rpm)/燃費=18.6km/リッター(JC08モード)/価格=564万円

 

(※この記事は2013年3月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)

 

↓↓↓もっと詳しいクルマ買取テクニックを知りたかったら↓↓↓
中古車一括査定
 

↓↓↓もっと詳しい中古車を探すテクニックを知りたかったら↓↓↓
中古車購入

↓↓↓もっと詳しい自動車保険を安くするテクニックを知りたかったら↓↓↓
自動車保険