●概要
HSに遅れること約半年、2009年12月7日に発売されました。
2.4リッターエンジン+モーターを組み合わせるハイブリッドシステムも、「レクサスHS250h」と同じもの。
レクサスでは全車に付随するサービス「ヘルプネット」もトヨタ車として初めて標準装備され、ボタンひとつで救急車などの助けを呼ぶことができます。
今回のテスト車は、エントリーグレードの「S」です。
2インチ大きな18インチホイールやLEDのヘッドランプ、プラズマクラスター付きエアコンなどの装備が追加される上級グレード「G」との2本立てとなっており、それぞれにエアロパーツやレーダークルーズコントロールを備える「ASパッケージ」が用意されます。
スタイル★★
第一印象はいかにもトヨタらしいと言うか、はっきり言って田舎のおっさん風です。
何でハイブリッド専用車がこのスタイルなのかまったく理解できません。
先進的なイメージはどこにもありません。
全長はプリウスよりも240mmも長いのにホイールベースはプリウスと同じ2700mmにとどまります。
これではせっかく高くしたルーフが活かせません。
合理的なパッケージングとはいえません。
前後のオーバーハングが大きいのも古臭いスタイルに感じる要因です。
Aピラー付け根を前に出したキャブフォワードはトレンドですが、これもSAIのキャラから考えると印象をチャラくしているだけです。
これが立っていれば初代プリウスのような実直なセダンを印象付けられたかもしれません。
なんとも惜しいです。
ベルトラインが高くドアのマスが大きいのも古臭いですね。
せっかくの天地の高さを活かせていません。
グリーンハウスを大きくすればクリーンな印象もあったと思います。
とにかく田舎臭く古臭いスタイルです。
とてもハイブリッド専用車とは思えません。
サイドのマスの大きさから16インチタイヤがやけに貧弱に見えるのもマイナスです。
内装★★★
インパネはフルフローティングで宙に浮いたように見せるタイプですね。
頑張っていますが、これも出典はボルボV50ですから褒められたものではないです。
シートは前後とも大きく座り心地もいいのですが、デザインは相変わらず何の変哲もないタイプです。
救いはブラウンのカラーが落ち着いていること。
ダッシュの質感や、ドアの内張りの生地などが凝っていることです。
ここは単に欧州チックなHSよりもジャパンオリジナル風に個性的で好感がもてます。
レクサスと同じマウスのようなリモートタッチも慣れれば使いやすいのでしょうが、これはどうしても右手で操作したくなりますね。
エンジン★★★★
プリウスより600cc大きい2.4リッター直4エンジンと強力なモーターによって、3リッター並みの動力性能となっています。
2.4リッターエンジン(150ps、19.1kgm)とモーター(143ps、27.5kgm)、スペック上はプリウスと比較すると、エンジン出力が約1.5倍、モーター出力が1.75倍で、トータルで発揮されるシステム出力でも1.4倍。車重が250kgほど増えていますが力強さは十分です。
THSでいつも思うのはやはりスタート時に無音と言うのはやはり未来を感じますね。
流石に繋がりも違和感が無くスムーズそのものです。
エンジンも4気筒としては十分に静かでスムーズです。
そういう意味では無音のモーターとのマッチングもいいですね。
アクセルを踏むと「プシュー」っと風船が膨らむようにトルクが盛り上がります。
無音でどんどんスピードを重ねるサマはやはり高級感があります。スタートがスムーズで街中のストップ&ゴーがストレスフリーです。
もちろんスポーツエンジンのような楽しさはありませんが、ハイブリッドにそれを望むのは筋違いでしょう。
星が一つ欠けるのはアクセルが妙に軽くオン・オフ・スイッチのようなドライビングになってしまうからです。
燃費を稼ぐ繊細なドライブも出来なければエンジンとモーターの調和を愉しむ気にもなれません。
まあもともとTHSは勝手な制御が多くドライバーの意のままには走れませんが・・。