久々のホンダらしい企画
冒頭、JADEを批判しましたがこのN-BOX/(スラッシュ)には久々にホンダらしさを感じました。
ベースのN-BOXもバモス、モビリオ、初代スッテップワゴン系の道具感のあるスタイルで多くの支持を得ましたが、このN-BOX/(スラッシュ)は軽のスペシャリテとして一転贅沢な遊びクルマになっています。
こういうクルマは成熟した自動車文化を持つ国とメーカーでないと作れないタイプのクルマです。まずはホンダにこうした遊び心が帰ってきた
ことを歓迎したいです。
ではでは、逝ってみましょう!^^
スタイル★★★★★
このクルマのハイライトはなんといってもこのスタイルです。
こういう企画をさせるとホンダの若いスタッフは上手いですね。
S-MXの時はちょっと下衆かったものですが、これはギリ上手いところを突いていると思います。
サイズはノーマルN-BOX比、全高で-110mmの1670mm(4WD車は1685mm)。
しかしこれは1610mmの「N-ONE」より、60mm高いです。
この低い?車高に加え2トーンカラーやリアアウタードアハンドルなどによって一見クーペ風のスタイルを実現しています。
チョップトップを思わせるこの処理によってノスタルジックにも感じますし、シンプルな面構成によって未来的な感じもあります。
内装★★★★★
内装もいいですね。
ホンダの普通車が可愛そうなぐらいに・・。
ダッシュやシートの質感は普通車と比べても確実に勝っています。
まあこれは軽で200万になんなんとするスぺシャリテですから・・。
と言ってしまえば確かになのですが、これが出来るならホンダの普通のモデルももう少し頑張って欲しいですよね。
今回乗ったのはノーマルでしたが、N-BOX/(スラッシュ)にはメーカーオプションの「インテリアカラーパッケージ」3種を含めると、全5種の内装が用意されます。
ちなみにメーカーオプションは「ダイナー スタイル」「グライド スタイル」「セッション スタイル」という名前ですが、どれもいい塩梅です。大人が乗っても恥ずかしくありません。
機能面では新採用された電子制御式パーキングブレーキや携帯音源を利用して音楽を楽しむユーザーに配慮して、「X」と「X・ターボパッケージ」には「Qi(チー)」規格のワイヤレス充電器も備えられます。
こうした若者のニーズをいち早く取り入れるあたりも昔のホンダを思い起こさせます。
8つのスピーカーとサブウーファー、360Wのアンプを組み合わせた「サウンドマッピングシステム」やオプションではさらにシートヒーターやステアリングヒーターまで用意されます。なんといっても軽の枠を超えたスペシャリテですから!
リアシートもいいです。ヘッドクリアランスは依然十分で、特に太くなったCピラーは安心感があります。
だだっ広くて不安を覚えるほどのノーマルと比べスラッシュの適度な閉所感は安心感と高級感を感じさせます。
また左右独立式の座面チップアップ&ダイブダウン機構に加え、新たに調整幅190mmの前後スライド機構はマイナー前のノーマルのN-BOXユーザーも羨ましいでしょう。
エンジン★★★
今回試乗したのはNAではなくターボバージョンです。
N-BOXのNAはこれまで何度も乗りましたが、非常にスムーズでパワフルでいいエンジンですが、このターボも流石です。
ターボエンジンのスペックは、64psの最高出力と10.4kgmの最大トルクです。
おろしたての新車とあって少し硬いところがありましたがパワーは十分です。
特に低速トルクが強くパーシャルでもそこそこ加速します。
欲を言えばサウンドに硬さがあるのでもう少し角の取れたものであったらと感じましたがこれも走り込んだら変わるかもしれません。
CVTのマッチングもいいです。N-BOXの場合、NAをぶん回して走るのも楽しいですが、高速なら断然このターボを選ぶべきです。
足回り★★★★
サスペンションはローダウンサスペンションになっています。
リアのダンパー径を拡大するなどの工夫で、細かな強化が図られています。
乗り心地はノーマルも良かったですがこちらの方は少ししっかり感もプラスされています。
飛ばした時の姿勢変化の少なさでそれと分かります。
同乗したホンダのセールス氏はサスペンションはノーマルのN-BOXと同じですと何度も言い張っていましたが・・。
もちろんコーナーのマナーも洗練されています。
ノーマル比でロール少なくステアリングの効きも上々です。
ちなみにこのステアリングですが、重さ手応えを変える機構も装備されています。
重い方でちょうどいいですね。
総評★★★★☆
走りは軽で最高と思っているムーヴにわずかに及びませんが、そのすっきりとしたバランスのいい走りはN-BOXの持ち味が失われていないことを確認しました。
これまで軽のスペシャリティーカーは同じシリーズのN-ONEぐらいだったと思いますが、ハイト系のスラッシュが加わりました。
やはりこういう遊び心のクルマはクルマ好きをワクワクさせてくれますね。
実際よく売れているといいます。こういうクルマをどんどん出してくれれば若者もスマホゲームをやめて頑張って働くのではないでしょうか?
やはりクルマが売れないのは楽しいクルマを作ってこなかったメーカーの責任が大きいですね。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1670mm/ホイールベース:2520mm/車重:950kg/駆動方式:FF/エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ/ トランスミッション:CVT/最高出力:64ps(47kW)/6000rpm/最大トルク:10.6kgm(104Nm)/2600rpm/タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)165/55R15 75V(ブリヂストンB250)/ 燃費:23.0km/リッター(JC08モード)/ 価格:176万円