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GLK350  4MATIC  ブルーエフィシェンシー メルセデスベンツ 試乗 Mercedes Benz BlueEFFICIENCY

小さいながらもしっかりメルセデスの味
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今週もグランフロント大阪のメルセデスベンツ・コネクションで試乗してきました。

希望の「GL」はオープン時の事故の影響もあってGW中はタクシーライドという同乗走行のみというのでパスして、今回は「GL」の弟分たる「GLK」に乗ってみることにしました。

 

「GLK」クラスは、メルセデスSUVのエントリーモデルとして2008年4月にデビューしました。

名前の末尾にある“K”はドイツ語のkurz(英:short)の頭文字、つまり短いGLクラスという意味ですね。

ベースは「Cクラス」です。なので「GL」や「R」などとは違いアメリカ工場ではなく、製造はドイツのブレーメン工場となっています。

 

 

スタイル★★★★

 

4645×1840×1669mmというボディーサイズはCクラスセダンと比べると、55mm短く、70mm広く高さは240mm高くなっています。

 

X3やQ5といったライバルに比べると幅が40?60mmも狭く、スクエアなスタイリングのおかげもあって取り回しは楽です。

幅の割に背が高くグリーンハウスがやけに大きく感じるプロポーションはなかなかと特徴的で、ボディの縦横比は、見る角度によってはかなりアンバランスな印象です。

 

でも、そんなところも良く言えば実用主義的に感じ、昔のメルセデスを彷彿とさせるのはその名前同様「Gクラス」の雰囲気を継承したという直線的でボクシーなデザインによると思います。

この巨大な岩石から一気に削り出したような彫刻的な逞しさは、欧州車特有のもので優雅さを強調した兄貴分の「MLクラス」との違いです。

 

昨今のメルセデスがどちらかといえば直線的なラインを強調していることもあって一気に古く感じてきた「MLクラス」と違い、こちらはまだまだ当分使えそうなスタイルです。


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内装★★★☆

 

内装も昨年のマイナーでリフレッシュしました。

水平基調のインストゥルメントパネルや丸型のエアコン吹き出し口など新しいメルセデスの文法にのっとってリニューアルされています。

 

質感も「Cクラス」同様かなりグレードアップしました。

メーターやブラックの木目パネルなども最新のフェイズです。

 

センターコンソールにあったシフトレバーは、ステアリングコラムへと移設され、小物入れも増えました。

ただパーキングは古い足踏み式のままです。

シートはサイズやサポート、座り心地ともいまいちしっくりきませんでした。
この手のクルマの常でポジションも難しかったですね。

 

いつものパワーシートのスイッチをあれこれ調整してみましたが、短い試乗の間にはベストポジションを探し当てることはできませんでした。

オプションでスポーツシートが付くAMGスポーツパッケージを選べばサポートの件は解決する筈です。

リアシートのスペースは十分です。

しかしシートはフロント以上に物足りません。

倒した時のフラット性を重視した平らな形状は仕方ないとして、滑りやすい革やしなやかさを欠いた触感、サポート性などちょっと長時間落ち着いて座っていられる感じではありません。

 

 

エンジン★★★★

 

昨年のマイナーでエンジンは従来の3リッターから、新世代の3.5リッターV6エンジンに変更されました。

パワーは従来型よりも75psと7.1kgm増しの306ps、37.7kgmを発生し、アイドリングストップなどの装備により燃費も30%向上しています。

欧州仕様でのCO2排出量は199g/kmと優れた値です。

 

モード切替はエコとスポーツがあり、それぞれ明瞭にキャラを変えます。

エコではのんびりと走る時にはラフなアクセルワークでもギクシャクしない感じもあっていいですね。

まあエコなのにラフなアクセルワークというのは矛盾しているようですが、私の場合スポーツモードで真剣に走る時以外はあまりアクセルワークに気を使いたくないのでエコというよりのんびりモードととらえて使いたいので。

 

一方スポーツモードに切り替えるとSUVとは思えないほどシャープな回転とレスポンスを発揮します。

7速のATも最新のメルセデスの常でほとんどシフトショックを感じないほどに洗練されています。

スタートから重さを感じませんし、かといって過剰な飛び出し感もありません。

中間加速も文句無しのストレスフリーで常にトルクの余裕を感じさせてくれます。

 

ちなみにGLKの4MATICシステムは、CLSシューティングブレーク同様、センターデフによって前45:後55にトルク配分が固定されています。

望めばオプションでダウンヒル・スピード・レギュレーションや30km/h以下でABSの作動を一瞬遅らせるオフロードABSなど本格的な装備も用意されています。

残念なのはやはり左ハンドルしか選べないことですね。

私は左ハンドルでも気になりませんし、むしろ乗り降りなどは左からの方が安心なのでいいのですが、やはりコインパーキングなどは手間ですし、商売としても難しいようで事実X3やQ5に比べてセールスは苦戦しています。

 

4MATICはそのレイアウト上、トランスファーを右側に通す設計の為に右側にステアリングユニットを取り回すことができないのですね。

ちなみに、イギリス市場ではFRにした廉価版の右ハンドルがよく売れているそうです。

 

 

足回り★★★★

 

サス形式はフロント:マクファーソン・ストラット、リア:マルチリンクです。
ここもメルセデスらしい乗り味を持っていました。

 

乗り心地はその豊かなストロークもあって懐が深く、Cクラスよりいいとすら感じました。

これは路面や走行状況に応じて減衰力を変化させる油圧式セレクティブダンピンクシステムも利いているのかもしれません。

 

ステアリングも前回のSLKよりもセルフアライニングトルクが自然で、パーキングスピードでもわざわざ戻してやらなくてはいけない感も少なく、違和感の少ないものでした。

Q5ほどダイレクトな感じはありませんがメルセデス流の落ち着きのあるステアリングではあります。

ハンドリングもSUVとしてはサイズなりの軽快さもあります。

 

問題は車高の高さが災いしてかわずかにグラつくことです。

このあたりはX3やQ5の方がすっきりとしています。

ただこれは、ベースラインの車高を20mm落とし、運動性と快適性を高めたスポーツパッケージを選べば解決する筈です。
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総評★★★★

 

最近乗ったX3と比べるとやはり高級感もスムーズさもこちらが上ですね。

すべてがメルセデスのレベルにあります。

 

走行時の静粛性は、音源となる路面との距離が遠いSUVゆえの特性もありますが、フリクション低減が図られたという4MATICドライブトレインのリファインも効いているのでしょう。

このあたりの高級感はQ5と双璧です。

 

加えてこのスタイルからくる上質な道具感というかメルセデスのど真ん中っぽい感じはなかなかのものだと思います。

しっかりとした乗り心地やボディは、やはり国産車とははっきりと別物だと思わせてくれます。

 

このGLKは手ごろなサイズのSUVを求めている人には長く乗る選択肢としてかなり魅力的な1台なのではないでしょうか。

 

 

 

【スペック】全長×全幅×全高=4645×1840×1669mm/ホイールベース=2755mm/車重(欧州参考値)=1845kg/駆動方式=4WD/3.5リッターV6DOHC24バルブ(306ps/6500rpm、37.7kgm/3500-5250rpm)/価格=599万円

 

(※この記事は2013年5月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)

 

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