もはや死んでいる?
2代目フーガのデビューは2009年11月でした。
この現行モデルは2015年の3月に大幅な変更を伴うマイナーチェンジを受けたものです。
試乗したのはハイブリッドです。
デビュー時には随分パワフルに感じたものですが・・
ではでは、早速逝ってみましょう!^^
スタイル★★
タイトルに“もはや死んでいる”と書いたのは、別にこのフーガのスタイルがアンモナイトの化石みたいだからというわけではありません。
マイナーチェンジで、ヘッドライトの形状が変更され、フロントグリルのバッジがインフィニティのものとなった為にスカイラインと見分けがつかなくなりました。
だいたい高級車とスポーティーカーが同じデザインのベクトルってどうなんでしょう?
フェンダーアーチのはっきりとした筋肉質なフォルムは確かにスポーティーカーたるスカイラインにはありかもしれません。でもフーガのような高級車にははっきりと下品です。
高級車に必要な品格というものが感じられません。
まあ、それをいえば現行のSクラスのフェンダーアーチも?なのですが、それを日産が真似てはいけません。
フーガにはあそこまでの圧倒的な高級車としての認知も歴史もありませんから、単なるアンモナイトになってしまいます。
スカイラインで見慣れているせいもありますが出た瞬間からもはや古い、やっぱり死んでいるのです。。
内装★★
内装もなんだかもっこり系ですね。
なんか小太りなお相撲さんをイメージさせます。
まあ乗るとそれなりにクッションストロークもあるしホールドもいいのでこの形状に意味のあることはわかります。試乗車は「プレミアムインリアパッケージ」仕様で、シート表皮は柔らかなセミアニリン本革となっていました。
またこの「プレミアムインテリアパッケージ」に含まれる「銀粉本木目フィニッシャー」は確かに単体で見ると非常に質感が高くいいもの感があるのですが、何故かこのデザインの中では埋没してしまいます。
なんだか全体としてスタイルと同様に、これまた古臭いというかおっさん臭いのです。とにかくあまり若々しさとか新鮮さを感じません。
これは現在の日産デザインの闇ですね。
ちなみに、リアシートのスペースは十分ですが、トランクルームは奥にリチウムイオンバッテリーが搭載されるためにミニマムでした。
エンジン★★
パワートレインは、マイナーチェンジ前と同じスペックです。
つまり306ps/35.7kgmの3.5リッターV6エンジンと、68ps/39.6kgmを発生させるモーター1個の組み合わせ。日産独自のハイブリッドですね。
リチウムイオンバッテリーをリアに搭載し、ジャトコ製の7段ATにふたつのクラッチを組み合わせたシステムです。
燃費はJC08モードで18.0km/リッターとまずまずですね。
スカイラインでは確かにパワフルに感じましたが、このフーガではあまりいい印象はありません。足もですがセットが中途半端というかぬるい
です。もちろん高級車なのでスムーズに走らせたい意図は分かります。
しかしそのミッションはシフトスピードを遅くクラッチを滑らせることでショックを回避している節があります。
スカイラインほどにダイレクトに加速してくれないので、カタログを見るまでてっきりディチューンされているものと思っていました。
スカイラインの記憶では回せばそれなりに吼えたV6も随分大人しめです。
“アクティブ・ノイズ・コントロール”といって、不快なこもり音を打ち消す機能が備わっていますが、フィールやサウンドに雑身が残っているのはどうしたことでしょう?
足回り★★
ここも中途半端ですね。
スカイラインのようにもっとフラットさを高めたほうがいいと思うのですが、やはりこのセットを日本のこのクラスを買う層は求めるのでしょうか?
クラウンならまだしもフーガほどのレア物件なら決してそんなユーザーばかりとも思えないのですが・・、
今やクラウンのアスリートの方がしっかりしているというのは昔ながらの日産ファンも納得がいかないのではないでしょうか?
つまり乗り心地は角こそ取れていますが、ピッチングや無駄な揺れが気になります。
ハンドリングも主にパワステのフィールが曖昧でその気になれません。
正確なステアリングでないので運転がついルーズになってしまいます。
だってミリ単位のコーナリングラインを狙ったところで無理ですから!!
朗報は高機能な「エマージェンシーブレーキ」が標準装備になっていることでしょう。
2台前を走る車両の動きを監視して危険を知らせる「PFCW(前方衝突予測警報)」や、側方と後方の危険を知らせるさまざまなシ
ステムが採用されています。
総評★★
今回同乗してくれた日産の若いセールススタッフさんはこのフーガの事をまったく知りませんでした。
エンジンを直4の2.5+モーターなんていうし、リチウムイオンかどうかも確認します・・。
なんていい出す始末です。
まあ、それほど売れていないクルマと言う事もあるのでしょうが、輸入車のディーラーと比べるとおしなべてトヨタや日産のディーラーのセールスさんはクルマの知識がないというか興味がないというか、何で車のセールスになっちゃったのという人が多いです。
トヨタもですがハイブリッドの試乗に行って試しにエンジンはアトキンソンサイクルですか?って聞いてみて下さい。9割がた「アトキンソンって何?」ってキョトンとしていますから。
うーん、前回のシエンタと違って、今回の試乗はまたまた日産のというか日本車の闇を見た気になりました。
残念です。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4980×1845×1500mm/ホイールベース:2900mm/車重:1850kg/駆動方式:FR/エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ/トランスミッション:7段AT/エンジン最高出力:306ps(225kW)/6800rpm/エンジン最大トルク:35.7kgm(350Nm)/5000rpm/モーター最高出力:68ps(50kW)/モーター最大トルク:29.6kgm(290Nm)/タイヤ:(前)245/50R18 100V/(後)245/50R18 100V(ダンロップSP SPORT MAXX TT)/燃費:18.0km/リッター(JC08モー
ド)/価格:620万5680円/