初代は2002年のデビューですから12年ぶりの新型ですね。
そう思うと初代は随分頑張りましたね! シンプルなスタイルの良さが長くフレッシュな印象を保った秘訣ではないでし ょうか。
さてさて、着せ替えコンセプトで登場した新型はどうでしょうか?
スタイル★★★☆
少し前にスタイルは「前の方が可愛かったなー!何でこんな平凡でいかつい顔 にしちゃたんだろう?」ってフェイスブックで投稿したら思わぬ反響というか、 賛同のコメントを多数いただきました。
それだけ前のモデルの丸めとめ類フォルムに愛着を感じている人が多かったと いう事でしょう。
新型はフレッシュさを出すためにも一転したのかもしれません。
カンダムっぽ い感じは今時の若者にはマッチするのかな?
それでもフォルムはコペンを感じさせますね。
また今回の目玉の着せ替え可能なボディーパネルによっても印象は随分と変わ るでしょう。
ボディーカラーは全8色。
チーフエンジニアの藤下修さんは「若い人は、スマートフォンを本体だけでな くケースを組み合わせることでも楽しんでいる。
買って終わりではないんです。
お客さんとわれわれのコミュニケーションを密にして、新しい関係を作ってい かなくては生き残れません」といっています。
確かにこういう遊びクルマは買ってからも色々と楽しめる方がいいですね。
ぶ つけてもボルトで交換出来るので修理も安く済みそうです。
スタイルの完成度としては先代の方が上だったかもしれませんが、この新たな 提案はいいと思います。
内装★★★★
内装はダッシュが高くて解放感イマイチなあたりが、先代の感じを引き継ぎま す。
まあこれは安心感と表裏一体のところもあります。
スポーツシートはヘッドレスト一体型でフィット感に優れます。
なかなかいい 出来です。
またシートヒーターが標準で装備されるのもオープンを分かってい る感じです。
メーターは三眼式。中央に速度計、その左にエンジン回転計、右が燃料計です。
この配置はオーソドックスでかなり見やすいですね。
先代のようにオープンで荒れた道を走ってもガタガタ音を立てる事が無くなっ たのも朗報です。
エンジン・ミッション★★★☆
乗ったのは残念ながら5MTではなく7段のスーパーアクティブシフト(マニ ュアルモード)付きCVTです。
確かにCVTのスリップ感は比較的抑えられてい ます。
サウンドも低く生意気?な程ですし、シフトダウン時のブリッピング 制御が備わります。
660ccの直3ターボエンジンは64psと9.4kgmを発生します。
先代の4気筒から3 気筒になりました。
これは気筒当たりのキャパを考えるとトルクも出るしい いと思います。
おかげで低速トルクもかなり力強く感じます。 嫌な振動も感じませんね。
残念なのはトルクカーブがフラットで回しても盛り 上がりを感じないところですね。
イージーですが、もう少しシャープさやメリハリがあった方が楽しめると思い ます。
足回り★★★★
ボディーの骨格にはD-Frameと呼ばれる独特なフレーム構造が採られています。
これは着せ替えを実現するために、フレーム単体で剛性を受け持つ構造です。
従来比で曲げ剛性は3倍、ねじり剛性は1.5倍となっており、確かにオープンで も先代のようにボディーがきしむ事は無くなりました。
流石にがっちりという印象はありませんが、さほど不満を感じる事もありませ ん。
伝統的にいいのは乗り心地とリアのスタビリティの高さですね。
オープンのこ の小さなボディーで安心して飛ばせるのはやはり足がしっかりとしているから でしょう。
さらに驚かされるのは乗り心地がしなやかな事です。
これはタイヤサイズを 165/50R16と無為に太くしなかったことが利いています。
ハンドリングもこのサイズのお蔭で低速から繊細な楽しみを残しています。
例 えば交差点を曲がるだけでも前後バランスなどが感じられ、“今のは上手く回 れたな”とか“今のはちょっとリアに負担をかけたな”とかが良く分かります。
これは路面のフィールをよく伝えるステアリングにも負いますが、軽量スポー ツの醍醐味でもあります。
若い人がこういうクルマでクルマの運転を覚えるのはいいことだと思います。
総評★★★★
セカンドカーとしてこういうクルマがあったら楽しいと思いますね。
ケータハ ム160もいいけど、そこまでぶっ飛べない人用というか、これなら実用性もば っちりです。
とにかく電動で開閉するオープン2シーターって贅沢じゃないですか!
ちょっ といい天気だったり、涼しい夜だったり、星が綺麗だったり、オープンにする 機会は意外とあると思います。
そんな時にどんどんオープンにして楽しむのがいいと思います。
このクルマならスポーツカーとしての刺激はほどほどなので、あくまでクルマ が主役になることも無く景色を楽しむ事が出来ると思います。
税負担の少ない軽規格であることもこのクルマの価値ですね。
ホンダがS660を 出して来たらキャラクターもはっきりすると思いますがコペンはなかなか大人 っぽいところもあるクルマだなーと感じました。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1280mm/ホイ ールベース:2230mm/車重:870kg/駆動方式:FF/エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ/トランスミッション:CVT/最高出力:64ps(47kW)/ 6400rpm最大トルク:9.4kgm(92Nm)/3200rpm/タイヤ:(前)165/50R16 75 V/(後)165/50R16 75V(ブリヂストン・ポテンザRE050A)/燃費:25.2km/ リッター(JC08モード)価格:179万8200円