確かに便利だけど・・
今回は試乗車の都合で予定のフィットRSが間に合わなかったので急遽予定を変更して、今年の10月にフルチェンジしたタントを中心にライバルのスペーシアとN-BOXも連れ出し、軽のハイトワゴン対決をしてみたいと思います。
人気の軽の中でもこのジャンルは今最も売れている車種です。
NAでも車両価格で170万程度ですが普通車よりも高いですが、その圧倒的なスペースはたしかに並のリッターカーを大きく凌ぎ維持費の安いミニバンとしてすっかり日本に定着した感があります。
まあ、軽なのに“大きくて重くて燃費もそこそこで高価”という・・ちょっと矛盾をはらんだあたりが日本独自で、故に“ガラ軽”なんて言われていますが売れているのは事実です。
今回はその使い勝手と実力をタントをメインに比較してみたいと思います。
スタイル★★★☆
タントのスタイルは割りきりが見事ですね。
従来型では49度だったAピラーの角度を新型では56度とさらに立てられています。
他の2台はウエッジラインなど多少なりとも車のフォルムを意識している中タントだけはほとんど水平ラインで電車のようなイメージです。
それでもテールゲート一体型のルーフスポイラーやリアフェンダーライナーなどの採用で空気抵抗は従来モデルに比べ10%ほど低減しているそうです。
また機能的にはヒンジ式だった運転席側のリアドアを、スライド式に変更したのがポイントです。
出来れば運転席もスライドにすればもっと面白かったのですが流石にコスト
的に合わなかったのでしょう。
好みで言えばスペーシアが一番自然で★★★★、N-BOXは★★★ですね。それとどのモデルもカスタム系は子供っぽすぎてアウトでしょう。
なんでこぞってヤンキー仕様にするのか意味がわかりません。
男性向けの表現があまりに稚拙です。タントカスタムにいたってはフロントグリルにブルーに光るライトまで付いちゃっています。
カスタム系は全ての車種で星2つぐらい引きたいです・・。
内装★★★
タントの内装はノーマルモデルはプレーンでいい感じです。
ダイハツお得意のセンターメーターもちょっと見にくいのが難ですがデザイン面での意欲は感じます。
ポジションの自然さではスペーシアが1番です。
タントとN-BOXは同率。タントはチルトステアリングがオプションというのがちょっと気になります。
リアシートですがタントは前後に240mmもスライドします。
ここは固定式のN-BOXの一人負けですね。
あまりに広くて落ち着きません。
子供なんて乗せていたら会話が出来なくて立ち上がるのではないでしょうか。
ブレーキを掛けると吹っ飛びますね。
全ての車種にいえることですが、内装に関してはやはりカスタム系の方がお金がかかっている分だけ高級感(センスではありません)はあります。
大体10-15万ぐらい高いですから当たり前ですね。
でもカスタム系はカラーはどれも相変わらず黒一辺倒ですね。
ここらはどうにかして欲しいですね。
1社ぐらい違ったアプローチは出来ないのでしょうか?
エンジン・ミッション★★☆
パワーユニットは、52psの自然吸気エンジンと64psのターボエンジンの2種類です。
今回は全ての車種NAで比較しています。
動力性能の1位は車重の軽いスペーシアです。
自然なフィールです。タントとN-BOXは流石にNAでは重さを感じますね。
特にタントはちょっと回転が荒い感じです。
CVTのスリップ感もかなり気になります。
踏むと音も大きいです。
「ゴー」という感じで決して心地いい音ではありません。
単なるノイズです。
ここはターボが欲しくなります。
ターボ車との価格差が少ないのはタントの利点ですね。
NAでもいけるスペーシアに対しタントはターボでどうにかバランスします。
安全装置としてはタントはグレード名に“SA”の文字が付いているものには、プリクラッシュブレーキやAT誤発進抑制制御機能などからなる安全運転支援システム「スマートアシスト」が装備されます。
これがオプションだと5万、ちなみにスペーシアは4.2万です。
足回り★★★
タントはロールが少ないのが印象的ですね。
交差点でその高い車高の視線が水平移動する感覚はなかなか低重心で良く出来ていると感じさせます。
しかしその分というか乗り心地は固めです。
「コツコツ」としたタイヤからのショックは、かなり気になりますね。
これは要改善です。
このクラスのユーザーには受けないものです。
タイヤサイズは、全グレード共通で155/65R14ですがトレッドの硬さを感じます。
スペーシアとN-BOXは問題ないです。
というかここでもスペーシアが1番バランスいいです。
スペーシアの自然さは際立っています。
N-BOXはNAでは少し柔らかめで飛ばすとタントほどの安定感はありません。
総評★★★
今回多くのハイト系の軽を試して“確かにこれは便利だわ”と感じました。
乗り降りが楽で視界も良く且つ室内も広いとなれば道具として文句はありません。
ただどれも趣味的要素はありませんね。
ヨーロッパの小型車のようにスタイルや内装のセンスとか、愛着が沸くとか、乗り味が面白いとかそういうことを期待してはいけません。
単なるシロモノ家電として良く出来ている・・。
なので、クルマ好きの読者の皆さんが買って満足するジャンルではありません。
むしろこれを買ってしまったら必要最低限の全てをもっているので「これでいいや!」となってクルマのことを考えなくなると思います。
最後にあえて順位をつけるなら1位はスペーシア、2位タント、3位は発売時期の問題もありますがN-BOXです。
(※この記事は2013年12月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)
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