SAV(スポーツアクティビティクーペ)なる変わったジャンルのクルマですね。
X5との比較で乗ってみました。
●概要
08年6月のデビューです。
メカニズムはX5のバージョンアップですね。
SUVなのにスポーティな走りをもつという贅沢で欲張りなクルマです。
グレードは直6、3.5の35iとV8(306ps)、4.4ツインターボの50i(407ps)、そして555psというモンスターのMです。
スタイル★★★★
サイズは全長×全幅×全高=4885×1985×1690mm。
この巨大なクーペボディを宙に浮かせるのはなかなか面白い。
緩やかに弧を描くきながらリアに向かうルーフラインやそれに続く長いリアオーバーハング、サイドのキャラクターラインなどでクーペの優美さを演出しています。
張り出したホイールアーチは力強さとスポーティさの演出です。
まあ誰が見ても迫力のあるサイズとクーペらしいエレガンスを併せ持った存在感の抜群のスタイルです。
内装★★★
ここはちょっと物足りないというか見慣れた?飽きた?感じです。
基本的にセダンの3・5・7と共通のテイストでX5もそうですが、SUVいやSAVならではのスペシャルな感じはありません。
シートも7と同様のコンフォートシートを選べるのもX5同様で、スポーティーにしたいのかラクシュリーにしたいのかよく分かりません?
まあ、クオリティ自体は非常に高く快適なので大きな問題はないのですが、
ベースも古いですし、せっかく外観がここまで尖った内装の方でも、特別何かを感じさせてくれるデザインでも良かったのではないでしょうか?
エンジン★★★★
試乗した「xDrive35i」は直噴ガソリンターボで、直列6気筒3リッターから306psと40.6kgmを発生します。
ミッションは6AT(ステップトロニック)ですね。
X5の272psと比べると非常にトルクフルで、目の詰まった回転と共にグイグイとクルマを前に押し出します。これなら十分です。
ただ7の時と違い、X6は上に行けば行くほどさらに良くなります。
価格差だけのエモーションは返してくれます。
足回り★★★★★
ドライブトレインも基本X5と同じ、電子制御4WDシステム(Xドライブ)ですが、こちらには駆動力配分を前後だけでなく左右輪でも行うダイナミックパフォーマンスコントロールが加わります。
これによって初めて、この大きなボディをまるで小型スポーツのように走らせることが出来ます。
もちろん安定性も文句無しです。
そしてX5との一番の違いがその重厚で高級な乗り心地です。
X5と違って細かな路面の不整は伝えませんし、フラット感も見事です。背が高くとも揺ら揺らとロールすることなんてもちろんありませんから、この背の高いボディにして、高級サルーンそのものの乗り味を発揮してくれます。
総合評価★★★★
X5との価格差ですが、X5は780万からです。
ただこのX6に拮抗するパワーとなるとV8,4.2を選びたいのでこちらだと995万円、さらに乗り心地に40万円のオプション「アダプティブドライブ」が必須ですから。1035万!
するとこのX6の875万というのは随分安く感じます。
ライバルがいないのでリセールもこちらの方が高いですから、残存価格を設定したリースなどにするとX6の方が遥かにお買い得だと思います。
スタイルが気に入れば機能的には文句無しの太鼓判です!