軽No.1の出来の良さ!
1995年にデビューした初代から数えて、はや6代目ですね。
ダイハツの軽のラインで言えば背の高い順にウェイク・タント・ムーヴ・ミラとなります。
ワゴンRとは永遠のライバルですね。
スタイル★★★☆
デザイン的には4代目の意欲的なワンモーションフォルムから徐々に退化したかに思いますが、機能的にも見た目の安定感もこちらを好む人が多いのも頷けます。
N-BOXが火をつけた機能主義的な直線基調のデザインはまずウェイクでフ
ォローし、このムーヴで完成しました。
面白いのはルーフをボディーとは別色で塗り分けた、ツートンカラー仕様の設定ですね。
N-BOXスラッシュのようなルーフの塗り分けはなかなか高級感もあって楽しいです。
ハッチゲートのカラーを変えたアルトといい軽にも2トーンの流れが来ているようです、
内装★★★★
内装の質感もかなり高いですね。フロントシートはベンチ式で、後席には左右独立のリクライニングおよびスライド調整を採用しています。
スライドの調整幅は240mm。
室内はもちろん十分に広いです。
ヘッドクリアランスは遥か高いウェイクよりもむしろこのぐらいが落ち着きます。
いいのは空調の操作パネルが最近はやりのタッチ式ではなく、一部ダイヤル式になっていることですね。
これなら走りながらのブラインドコントロールが可能です。
コストはタッチパネルよりもむしろかかさみますがこの方が使い勝手はいいですね。
試乗したのはカスタムですから色はお約束のブラックですね。
「ハイパー」には「ギャラクシーマーブル」と呼ばれる大理石調の加飾パネルが張られますがこれはちょっと残念感じですね。
なんと言うかオートサロン的お下劣感が漂います。
エンジン★★★★☆
試乗したのはNAの方です。
最高出力52ps、最大トルク6.2kgmを発生する自然吸気エンジンですが遮音がいいと印象が随分良くなりますね。
非常に静かでスムーズです。
CVTのNA軽でこれほど自然な走りは初めての経験です。
パワー不足を感じないばかりか、マナーの良さに驚かされます。
ちなみにターボエンジンは最高出力64ps、最大トルク9.4kgm、新たに可変バルブ機構の「DVVT」も採用されていますのでこちらの試してみたいです。
またムーヴの良心的なところは予防安全システムが全車に標準で着くところです。「スマートアシスト」には、後方誤発進抑制制御機能も追加されていますし、横滑り防止装置(VSC)やトラクションコントロール(TRC)、坂道での後退を抑制するヒルホールド機能も全車に標準装備されています。
足回り★★★★★
ココも驚きの仕上がりです! これまでの軽で経験したことのない上質な乗り心地です。
ウェイクでは果たせなかった乗り心地が確かにあります。
ウェイクと同じ道を走ったら揺れは半分以下ではないでしょうか?
ウェイクやタントで気になった突き上げが全くありません。
しかもステアリングの支持剛性もしっかりしていて飛ばしても不安はありません。
先日乗った日産のノートよりも遥かにイイです。
これまで軽はその幅の制約から小型車を超える乗り心地とハンドリングの両立は難しいものがありました。
ムーヴはこのスタイルで初めてその常識を覆したといえるのではないでしょうか?
総評★★★★☆
この乗り味は久しぶりの衝撃でした。
軽ではおそらくビートやソニカ以来?というぐらいにムーヴの走りには驚かされました。
俺に比べると同じシャーシのはずのキャストはぬるくて見劣りします。
確かに高いです。
アルトの1.5倍!小型車と変わらぬぐらいに!しかしこの走りならそれも仕方ないかなとも思います。
自然なワゴンRもいいと思いましたし、N-WGNもバランス良く出来ていると感じましたが、このセミトール部門ではムーヴが頭一つ抜け出た感があります。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1630mm/ホイールベース:2455mm/車重:830kg/駆動方式:FF/エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ/トランスミッション:CVT/最高出力:52ps(38kW)/6800rpm/最大トルク:.1kgm(60Nm)/5200rpm/タイヤ:(前)155/65R14 75S/(後)155/65R14 75S(ダンロップ・エナセーブEC300+)/燃費:31.0km/リッター(JC08モード)価格:145万8000円