ニューMINIとなって早いものでもう3代目なのですね。
私は初代が出てすぐにクーパーSを新車で買いました。
今のと違ってものすごく乗り心地が固くて体調の悪い日はきつかったですね。
でも少しチューニングもしたので飛ばせる道ではとても楽しかったです。
ダイレクトなフィールという意味ではこの初代が今でも1番ですね。
で、この3代目ですが、まずチェックしたかったのがMINIがMINIである所以でもあるゴーカートフィールなハンドリングは健在なのかという事です。
ではでは、乗ってみましょう!
スタイル★★★★★
ここは流石ですね!MINIのアイコンを受け継ぎつつも新鮮なアップデートが施されています。
サイズは2代目比で、95mm長く(3835mm)、40mm幅広く(1725mm)なり、高さは同じ(1430mm)です。ホイールベースは30mm延びて、2495mmです。
このサイズアップはリアの居住空間とラゲッジスペースの拡大のために充てられました。
これまできつかったリアのレッグルームはどうにか膝が擦れない程度にはなり、ラゲッジスペースも51リッター増えて211リッターとなりました。
一見変わらないフロントもよく見るとフロントグリルは上下一体式となり、より精悍な印象になりました。
ヘッドランプの周囲にはLEDが組み込まれり夜は「Ω」状に光るようになるなど新鮮な印象を与える小技にもぬかりありません。
フロントよりも大きく印象を変えたのはリアでしょう。
コンビネーションランプがかなり大型なものとなってちょっと深海魚っぽい感じもあります。
それでも日本車のようなあざとさは無く気恥ずかしくなることが無いのは流石の塩梅です。
ボディーのCd値は0.28。
燃費対策もありますが、ここも最新のテクノロジーでアップデートされています。
内装★★★★★
毎度のことながら内装もMINIのハイライトですね。見事です。
質感はよく見るとドアのアシストグリップなど初代ほどでは無いところもありますが、2代目よりはよくなっています。
特にダッシュの質感などはちょっと今の日本車ではかなわない部分です。
価格差もありますが、ここはかなり差があります。
インパネ中央には従来のスピードメーターではなく8.8インチのワイドディスプレイが収まります。
周囲にはLEDが組み込まれており、カラーバリエーションを楽しめたり車両の状況に合わせて色が変化したりするようになっています。
内装とシートの表皮色は「ファイヤーワーク」と呼ばれる複雑な織柄のものが与えられます。オプションで選べるレザーのバリエーションが豊富だったりするのもMINIの楽しみです。ここも文句無しです。
エンジン・ミッション★★★★
注目は新開発の3気筒です。
試乗した「クーパー」のエンジンは1.5リッターの直3ターボで最高出力136ps/4400rpm、最大トルク22.4kgm(オーバーブースト時は23.5kgm)/1250-4300rpmを発生。
従来モデル(AT車)比で燃費は16%改善され、最高出力は10%向上しています。
このエンジンはBMWでは新型FF車「2シリーズ アクティブツアラー」にも搭載される予定です。
ちなみにクーパーSの方は直4、2リッターターボエンジンで(192ps/5000rpm、28.6kgm<オーバーブースト時は30.6kgm>/1250-4600rpm)です。
つまりこのエンジンはモジュラータイプで、500ccのシリンダーを3つ並べるか4つ並べるかで作り変えているのですね。
音は結構大きめですね。
3気筒っぽい不整爆発の感じられるというか、割とバリバリと勇ましい感じです。しかしこれが全く嫌でないのは振動が無くスムーズでしかもパワーが付いてきているからです。
かなりトルクフルで快適かつ楽しいです。
クーパーなら2代目のちょっとそっけない4気筒より遥かに個性的で楽しめます。
気になったのでスタートからごく低回転、出だしのトルクが無いことです。
というか1500回転を超えたあたりから急激にトルクが立ち上がるので、アクセルワークに気を遣います。
逆に言えば気になったのはそのぐらいですね。
流石はBMWのエンジンです。これならSの2リッターも期待できると思います。
もちろん「アイドルストップ」や「アダプティブ・クルーズ・コントロール」や「衝突被害軽減ブレーキ」、「パーキングアシスト」といった最新デバイスのオプション設定されるようになりました。
足回り★★★★★
ここも5つ★です。文句なしの乗り心地です。
後述するハンドリングのために若干ストロークが短く規制された感じはありますが、圧倒的なボディ剛性によって全く不快ではありません。
すべてのショックを丸く収めます。
もはやランフラットのネガも全く感じません。
この上質な乗り心地はMINIのブランドを高めています。
また感心したのは内装の立て付けの良さです。
どんな大きなショックでもミシリとも言いません。
ここがヤワだと印象が途端に悪くなるものです。
その点MINIの内装は先代もですが素晴らしくしっかりとしています。
はっきり言って新型のメルセデスSクラスより上です。
これまでニューSクラスは3台乗りましたが全て内装から音が出ていました。
ハンドリングも嬉しいことにMINIの特徴を残していました。
どんどん伸びるホイールベースに心配しましたが、交差点ひとつ回るだけでドライバーはこのクルマがMINIであることを意識します。
ほとんどロールを感じる事なく、FFとは思えないほどの優れた回答性を持っています。
つまりシャープなゴーカートフィールをどこでも堪能できす。
MINIの伝統は保たれた訳です。
総評★★★★
ウーン、それにしても毎回見事です。外しませんね。
この内外装のセンスもそうですが、プロダクトとしての実力や時代に合わせてアップデートしてゆく底力など、ロールスもですが、BMWはブランドコントロールが上手いですね。
これから出てくるであろうONEはもちろん、クーペやクロスオーバーなど多
彩なボディバリエーションも楽しみです。
それとこのクルマ、ボディカラーも綺麗なんですね!どの色もその質感といい微妙に抑えた大人っぽいカラーで趣味クルマとしての価値を高めてい
ます。
これならサイズを超えた高級車として楽しめます。
いつか日本車でもこうしたクルマが出ることを期待したいです。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3835×1725×1430mm/ホイールベース:2495mm/車重:1200kg/駆動方式:FF/エンジン:1.5リッ
ター直3 DOHC 12バルブ ターボ/トランスミッション:6段AT/最高出力:136ps(100kW)/4400rpm最大トルク:22.4kgm(オーバーブースト時:23.5kgm)/1250-4300rpm/タイヤ:(前)205/45R17 88W/(後)205/45R1788W(ピレリ・チントゥラートP7 ランフラット)燃費:17.9km/リッター(JC08モード)/価格:280万円