マイナーでブランニューエンジンDFI(ダイレクト・フューエル・インジェクション)になりました。
ミッションも「7速PDK(ポルシェ・ドッペル・クップルング=Porsche Doppel Kupplung)」です。
VW・アウディがDSGで先行しましたが本家はこちらですね。
ポルシェは80年代からPDKをCカーの956や962Cで参戦していましたから。
マナーはとてもいいです。
スタートやシフトショックはGT-RなどよりスムーズでVWのファミリーカーのように自然です。
エンジンですがカレラSは3.8リッターになります。
ボア・ストロークは102.0×77.5mmと超ショートストロークです。マイナー前と比べると30psと2.1kgmもパワーアップしています。アイドリング時には「チチチチ」と
いう直噴独特のインジェクターノイズが聞こえます。
パフォーマンスですが、ノーマルモードではスムーズですが911の、しかもSという前提では物足りないです。
特にレスポンス、911のフラット6といえば回転の上がりよりもその下がりが早いことが特徴でした。
シフトアップ時にアクセルオフすると早いシフトでないと回転落ちの方が早くつんのめるような感じさえありました。
マニアはそのスピードに負けないぐらいの電光石火のシフトを試みたものです。
でもこのエンジンならMTでも普通のシフトで間に合いそうです。
トルクはありますが、GT3のようなシャープなフィールは望むべくもありません。
但し「SPORT」「SPORT PLUS」のスイッチを押すと状況は一気に変わります。
トルクの付き、レスポンスは大幅に改善され、豪快な加速を展開します。
ただ重々しいフィールは変わりません。
やはり現代の911に73カレラRSのようにカミソリのようなフィールのレスポンスを望むのは間違いなのでしょうか?
またせっかくのPDKですが、普通の右シフトアップ、左ダウンのパドルと違って、左右に付いたボタンでそれぞれアップダウンするタイプです。
これはやはり細かい操作を要求されますので、ヘアピンなど大蛇角を与えられると難しいです。
スポーツドライビングを熟知したポルシェらしからぬUIです。
足回り★★★★
ここも重いんですね。
昔のポルシェのように硬質で爽やかな感じがあればいいのですが、ただただ重々しい。
乗り心地は悪くないです。
ポルシェらしくダンピングの効きは強力ですから、揺れは一発で収まります。
ただそのフィールはスポーツカーというよりはAMGなどの重量級のサルーンベース・スポーティーカーのような感じです。
それが物足りないです。
操縦性も同じですね。
素のカレラでなくわざわざSを買ったという満足感が無いのです。
これなら素のカレラでいいです。