2004年
ポルシェ・カイエン・ターボ 6AT 138.9万円(車両価格)
「最安値?のカイエン・ターボ」
まずこの価格に驚きました!
いくら10年落ちとはいえ、新車で1300万ほどのカイエン・ターボが軽自動車並みの138.9万円って!
だいたいこの年式ならノンターボのSでも200万は下らないし、ターボになれば300万円からですね!
このクルマは諸費用入れても157ほどですからこれは魅力的です。
↑貴重なノーマルホイールからは赤のキャリバーが覗きます
しかも色も渋いですね。カイエンは白か黒が多いのですが、白はパンダみたいだし、黒は塗装が弱いのか、古くなると白っぽくなってやつれて見えるクルマが多いのですね。
その点、このグレーは艶もたっぷり残っているし、何より飽きが来なくていいですね。
ならばいったい何でこんなに安いのか?
もちろん安いには理由があります。
走行距離が多いのですね。
約20万キロ走っています。
でも、このクルマの場合は整備記録がしっかり残っています。
かなりしっかりと整備されていた車のようです。
正規ディーラーでしっかり定期点検も含めて記録が残っていますね。
でないと逆に20万キロも走れませんね。
ミッションなども交換されています。
納車整備もしっかりとの事!
ではでは、ちょっと安心したところで、早速乗ってみましょう!
未だにカイエンはこの初代のマイナー前(955型)が好きっていう人も多いですね。
やっぱり愛嬌のある丸っこいフォルムにはこのお目々パッチリライトが似合うのかもしれません。
2006年の12月に行われたマイナーチェンジで薄いライトになって、なんか目つきの悪いサメみたいになっちゃいましたもんね?
内装のコンデションもいいです。
マイナー前は質感がイマイチと言われましたが、このターボに限っては、ノーマルと違ってダッシュボードまで革張りになっていることもあってなかなか豪華なムードです。
ステアリングやシートもターボは電動調節式になっています。
メータは一番右が、カイエンやSでは電圧計であるのに対し、ターボではブースト計になっています。
黒のレザーシートの張りも十分です。
傷やスレも見られません。
天井やピラーを覆う内貼りのグレーのアルカンターラの状態もいいですね。
この内装を見るだけで前のオーナーがいかに大切にしていたかが分かります。
それにしてもこのシルバーのアクセントラインやピアノブラックの化粧板などは今見ても古くないですね。
シフトレバー付近のピアノブラックなどは最近の流行ですらありますもんね。
ステアリングやシートもターボは電動調節式です。
↑ミッションは6速のティプトロです。DVDナビも装着されています。
↑オプションのサンルーフも付いています。
エンジンは4.5リッ ターV8ターボでインタークーラー付き(450ps/6000rpm、63.2kgm/2250-4750rpm)です。
この時代の素の3.2が250psで、同じV8のSが340psですから、やはりターボの威力は圧倒的ですね!
450㎰のパワーはこの巨体を軽々と高速へ誘います。
なんせ0-100km/h加 速が5.6秒といいますから、未だに第一級の性能を持っています。
ターボが利きだしてからの加速はやはり独特で、シートバックに押し付けられるその圧力はジェンボジェットが離陸する時のフル加速を思わせます。
走行距離の割にはプレッシャーもしっかり残っていて異音もありません。
気になるタペット音やマウントのヘタリ も感じませんでした。
もともとターボのエンジンには高い負荷に備えて鍛造ピストンが使用されています。
またシリンダーヘッドも熱に 強い特殊なアルミ合金が使われています。
20万キロぐらいで壊れるエンジンではありません。
それにしてもV8な らではのスムーズな回転フィールと圧倒的なトルク感は病みつきになりますね。
この大パワーの魅力を知るともうノーマルには戻れないでしょ う。
とにかく高速が楽です。余裕が違います。
なので、前のオーナーも20万 キロも走ったのでしょう。
ドライブが楽しいですから。
↑リアシートも6:4の分割可倒式で使いやすいです。
今はマカンもありますが、カイエンはポルシェとしては初の3人がけリアシートを持つモデルでした。
↑ ラゲッジは540リッター。スペースも広大で幅115cm、奥行きはリアシートを起こした状態で95cm、倒せば165cmまで広がります。
また、ガラスハッチのみの開閉も可能です。
そしてカイエンの特徴は乗り心地とハンドリングの良さもありますね。
特にターボは標準でエアサスになりますか ら初期型の硬さ(マイナー前のメカサスは硬かったです)を感じません。
ちな みにSUVでエアサスペンションを採用するメリットは、サスペンションストロークを必要とするオフロード走行と、姿勢変化を少なくしたい オンロード走行とを、高い次元で両立出来ることです。
このターボは6種類の車高切 り替えができるほか、減衰力のアクティブなコントロールが可能です。
「PASM(ポ ルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)」と呼ばれるこのダンパーコントロール機構は、「Normal」ほか、「Sport」 「Comfort」モードがあります。
このモードを「Normal」 から「Sport」に切り替えると一気に足腰が引き締まって一体感が増します。
無 駄なピッチングを許さなくなり早いリズムでのドライビングに対応します。
車体が一回り小さくなったかのような感覚になって、車高の高さも 気にならなくなりますね。
ポジションが高い分視界が良く、コーナーでクリップを狙いやすくなるので、下手なスポーツカーより安心して飛ば せます。
ちな みにエアサスの車高調整は6段階です。
「ノーマル(最低地上高217mm)」をベースに、速度が約125km/hに 達すると自動で27mm、約210km/h超 でさらに11mm低くなります。
荷物の積み降ろし時には60mm低く設定でき、発進するとノーマルレベルに復帰、オフロード走行時には26mmと30mmアップすること も可能です。
カイ エンと言えばVWのトゥアレグと同じと思っている人も多いですが、実は駆動系はかなり変わっています。
通常 時の前後トルク配分が「前:後=50:50」 のトゥアレグに対して、カイエンの場合、基本的には「前:後=38:62」という不等トルク配分を行う電子制御の多板クラッチ式4WDシステムとなっていて、この手の重量級SUVと してはアンダーステアが非常に少ないです。
なの で、そのハンドリングは明らかに軽快な印象です。
またトゥアレグより車高が低いことも効いていますね。
ブ レーキの違いもポルシェならではですね。
ターボともなればさらに強力です。
特に高速からのブレーキは圧巻ですね。
この カイエン・ターボは、とても10年前のクルマとは思えません。
この強力なパフォー マンスは今の基準に照らしても第一級であることに変わりません。
そし てその性能を維持するポルシェの耐久性の高さにも感心しました。
今年のル・マン24時 間レースを制した実力はやはり本物です。
【新車時スペック】
カイエンターボ:全長×全幅×全高=4782×1928×1699mm/ホ イールベース=2855mm/車重=2355kg/駆 動方式=4WD/4.5リッターV8ター ボインタークーラー付き(450ps/6000rpm、63.2kgm/2250-4750rpm)/車両本体価格=1250.0万 円(試乗車はオプションの電動チルト&スライドサンルーフ19.0万円付)