ミニバンほど所帯染みてもなく、SUVほどハードでもない、まぁそれがクロスオーバーなんですが、それにしても街で使うのにちょうどいいサイズです。
ヒップポイントが高く視界もいいし、最低地上高も160mmあるので多少の段差も強行突破できます。
これはセカンドカーとしても最適かも?
●概要
09年春のジュネーブでデビューですね。
4桁モデルは主力から派生し、より個性的なキャラが与えられるというのがプジョーのお約束です。
日本へは1年遅れたかわりに4速だったATがアイシンの(AW6)6速となりました。
グレードは2種でプレミアムとグリフ、上級のグリフは18インチとなり、電動レザーシート、キセノンなどが与えられます。
4桁ラインは、本国ではこの上にアウトランダーのOEMとなる4007、ピカソ・クラスとなる5008などもあります。
スタイル★★★★
全長4365mm×全幅1835mm×全高1635mm、ホイールベースは2615mm。
308と比べ、全長で75mm、全幅で15mm、全高で120mm、HBで5mm拡大しています。
垂直に切り立ったフロントグリルや高いフロア高はSUVらしさを感じさせる部分です。
308がプジョーらしくネコ科なら、3008はイノ豚科ぽい感じもあります。
悪い意味ではなく愛嬌のあるスタイルだと思います。
写真は撮れませんでしたが、試乗車のヒッコリーと呼ばれるコーヒーのような濃いブラウンのカラーも良かったです。
コロッとした感じが芋虫というかミノムシというか・・。
繰り返しますが悪い意味ではないのですよ。
4つ★ですから!
内装★★★★
プジョーは308あたりから急に内装が良くなりましたね。
この3008も品質感が高く、高級なパーソナルカーのような雰囲気です。
シルバーリングのメーターや助手席側に与えられたグラブバー、センターの7連トグルスイッチなど、SUVらしさとスポーティーさが絶妙にバランスしています。
シート高が絶妙で視界が良く乗り降りもしやすいです。
シートは掛け心地、サポートとも文句なしです。
表面が柔らかく、しかしコシのある感触も新しいフラン
ス車そのものです。
ポジョションもSUVぽくなく自然です。
ステアリングのコラム調整がちゃんと水平に伸びます。
これはシャフトのユニバーサルジョイントを2ヶ所から3ヶ所に増やし、高いポジションからバランスさせているからです。
通常、ジョイントが3箇所もあるとステアリングフィールが不自然になるものですが、このクルマは不思議とそんな感じはまったくありませんでした。Nice Jobです。
ただ、センターアームレストの開口が助手席側のままなのは使いにくいので、右ハンドル用にちゃんと直して欲しいです。
エンジン★★★★
エンジンは今やプジョー・シトロエンの主力ユニットとなった1.6リッター直噴のツインスクロール式シングルターボ(EP6CDT型)、BMWのやつですね。
ダウンサイジングのムーブメントは今やヨーロッパ中を埋め尽くし、このぐらいのサイズなら1.6が当たり前になってきました。
VWなどはこれよりはるかに大きなシャランでさえ1.4Lです。
しかしパワーに不足はありません。
最高出力は156ps/6000rpm、最大トルクは24.5kgm/1400-3500rpm。
オートキャンセルの付いたエレクトリックパーキングブレーキも使いやすい。
このエンジンはいつ乗っても低速トルクが豊かで市街地走行が楽です。
そしてミッションもイイ!
アイシンの6ATはトヨタなどに供給しているものとはまったく味が違い、実にタイトです。
スタートからDSGかと思うほどのダイレクトさで加速します。
これは低速からトルクのつきのいいエンジンも効果を発揮しています。
非常にスポーティーです。
実際、2-6速はロックアップです。
この好ましいエンジン&ミッションのおかげで、
ボディの大きさ重さをまったく意識することなく小型車のようにキビキビと走れます。
このタイトなパワートレインを知ると、全ての国産のCVT&トルコンはゴムの伸びたパンツです。
足回り★★★★
この背の高さでこれだけロールが気にならない(直進時のグラつきも含め)クルマはちょっと思い浮かびません。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはH型トーションビームと一般的ですが、ダイナミック ロール コントロールという左右の後輪ダンパーを結ぶ第三のダンパーで、ロールを抑制します。
これが結構効いているのか、スタビのようにストロークを規制することなく姿勢を保ちますので、スムーズな乗り心地のわりにロールしません。
ボディもがっちりしていて、さらにエンジンの稿でもいいましたがパワートレインがタイトで、素晴らしい一体感があります。ドライビングが楽しくなります。
星が一つ足りないのは、猫足フィールではないので、フランス車ファンには物足りないかと思ったからです。
足もイノ豚系です。
けなしているのではありません、重厚感があり直進安定性抜群という意味です。
総合評価★★★★
世界的にライバルの少ないジャンルです。
このサイズで思いつくのはMINIのクロスオーバーやデュアリスぐらいです。
ティグアンやエクストレイル、X3などはちょっとSUV寄りのキャラですね。
冒頭でも述べましたがこのサイズ、とにかく使いやすいです。
近々登場が噂されているディーゼル&ハイブリット4WDが登場すれば文句なしです。
しかし現状でも十分満足です。
乗り味もキャラも、フランス車のセンスと楽しさ、
ドイツ車の信頼性の高さを併せ持っています。
そういう意味でもクロスオーバーです。
何度も言いますが、
イノシシと豚のクロスオーバーでも
ミノムシと芋虫のハイブリットでもありません。
久々に結構欲しくなった一台です。