このパワートレインはいつ乗っても文句の無い出来なのではっきり言って書く事がありません。
全くどのクルマにも合ってしまう不思議なユニットです。
チューニングはミニバン用ですから、ミニのクーパーSなどと違い音もおとなしくシャープでもないですが、それはこのクルマのまったりとした乗り味に合わせてのものです。
アイシンの6ATもトヨタに供給するものと違ってちゃんとタイトに仕上げています。
つまりスリップ感が少なくレスポンスに優れます。
またアクセルを少し深めに踏んだ後は低いギアを保ったまましっかりとエンブレを効かせます。
このあたりはフランス流の伝統的なセッティングが残されているなーと嬉しく感じる部分ですね。
足回り★★★★☆
プラットフォームは、「シトロエンC4ピカソ」や「プジョー3008」と共通です。
足はそれぞれ特徴があります。
C4はリアにエアサスを使いますし、3008ではリアに、左右ダンパーを結ぶ油圧回路の途中に“第3のダンパー”を挿入することで、過度のロールを抑制する「ダイナミック・ロール・コントロール」を装備します。
そしてこの5008ではリアのトーションビーム式サスペンションユニットのマウントにオイル封入式のマウントを使っています。
荷重が大きく変わるミニバンのリアサスにそれぞれ違ったアプローチで対処するのはヨーロッパらしいところですね。
一番スポーティーなのは3008で、逆にソフトなのはC4ですね。
5008はその中間でしょうか、でも乗り味はディープです。
ここはプジョー度が濃いですね。
ソフトなのに粘ります。
確かに3008と比べるとボディが大きい分だけ剛性も物足りない感じもありますし、乗り味も僅かに淡白に感じます。
それでも他のクルマから乗り比べれば圧倒的に乗り心地もハンドリングも優れています。
C4と比べればロールスピードも抑えられていますし、ステアリングも自然な感じです。
車高が国産のミニバンほど高くないこともありますが、本当に何をしても怖くない感じです。
飛ばせば飛ばすほど信頼を増す懐の深さはプジョーマジックたる所以です。
ホイールのサイズは、試乗した「シエロ」が17インチで、エントリーグレードの「プレミアム」は16インチです。
専門誌では16インチの方がいいと書いてありますが、17インチでも不満は感じませんでした。