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525i Mスポーツ 2002年 BMW 

今やクラシックな感じのスポーツセダン

BMW E39 525i Mスポーツ


新型のデザインが根付いてきたせいか、今やバロック調のクラシックな感じさえ受ける旧5シリーズ、E39です。
 

概要

 

95年デビュー、00年にマイナー、オールアルミのM54エンジンは2.5で22psアップの192psとなりました。

バリエーションは他に直6は3.0、V8、4.4があります。

 

 

デザイン★★★★
 

★4つはデビュー当時としてはという評価です。マイナーでバンパーの形状が変更され、特にこのMスポーツ仕様はスポーティーな印象になっていますが、バランスのいいプロポーションはこれ以上古くならない感じです。歴代の5のようにボクシーなクラシックとして生き残ってゆくのではないでしょうか?

 

 

内装★★★★

 

BMW(5シリーズ)のインテリアはどれも男らしいですね。

革の質やダッシュの質はインテリアオタクのBMWの名に恥じない品質感です。

ドライバーオリエンテッドなダッシュはこの時代までのBMWの特徴です。 

 

↓ステアリングはMスポは太い革巻きの3本スポークとなります。マルチファンクションスイッチ付きでオーディオ&クルーズコントロールが手元で出来ます。
ナビのスイッチは小さく操作も独特で使いにくいです。

BMW E39 525i Mスポーツ

↓このMスポは限定車で、ドアトリムとダッシュにはアルミがあしらわれステアリングやシート、ドアハンドルには粋な青いステッチが入ります。

BMW E39 525i Mスポーツ


↓個体は10万キロを経ていましたが、シートのへたりは少なく耐久性は良好です。
BMW E39 525i Mスポーツ


エンジン★★★

 

BMWのストレート6に期待する官能性はあまり感じられません。

それは2.5というキャパのせいでもあります。今のモデルは2.5でも活発ですが、このボディに192psではBMWとしては役不足です。

 

確かにスムーズで静かでもありますが、トルクの盛り上がりやシャープさに欠けます。5速100キロでは2500回転ほどですが、そこからの加速は鈍いです。

高速で少しでも坂道だとすぐに4速にキックダウンしてしまいます。このあたりは530や540との大きな違いです。

さらに悪いのはミッションのセッティングです。

 

AT自体、5段でシフトショックもなく、とてもスムーズなのですが、とにかくスタートが唐突過ぎます。

E39はステアリングは重いのにマイナー後のこのモデルからアクセルが軽くなって、操作系のバランスが悪くなってしまいました。

かなり注意深くスタートしないと勢いよく飛び出し過ぎてしまいます。

これは日本仕様の実に子供っぽいセッティングです。

 

いかにキャパシティーがないとはいえ、これは明らかにやりすぎです。

当時のCG(カーグラフィック)などの自動車専門誌を見てもずいぶんと酷評されていますね。ベンツなどではこうしたことを嫌って2速発進にしたりしますね。

もちろん今のモデルは改善されていますが、この時期のこのモデル(525)の重大な欠点だと思います。

 

全てコンピューター制御でプログラムの変更も出来ないし、スロットルもワイヤーではなく、電気信号のフライバイワイアなので調整も出来ません。

これではリアタイヤの減りは早いし、リラックスして乗れません。全体にクルマのバランス・ポイントが上の方なのでせかされます。

 

↓5ATはシーケンシャルが付きますが左ハンドル仕様のままです。

手前が+(シフトアップ)というのは人間工学的に利にかなっていると思います。
BMW E39 525i Mスポーツ

 

ハンドリング★★★

 

デビュー当時はクラスのベンチマークとされた部分ですが、このスポーツサスの入ったMスポは明らかに乗り心地を乱しています。 
タイヤが前245/40R18 後265/35R18というこの時代のセダンとしては極端なロー・プロファイルで、履きこなしていません。

 

街中では常にゴツゴツ感がつきまとうのが最大の欠点です。

テスト車は4分山でした。

 

サイドウォールのたわみ効果を期待できない35扁平では、トレッドが減った時点で極端に乗り心地が悪化するのだと思います。

普通のMスポーツはF:235/40R17 R:255/40R17なのですが、このは限定モデルではさらにワンサイズファットなタイヤとなってしまっています。

この時代の悪しきマーケティングの産物ですね。ノーマルから比べ2インチも違うというのはやはりやりすぎだと思います。

E39はセントラル・アームという凝ったマルチリンクサスで、バネ下を軽くすべくアルミのアームまで使っているというのに、このタイヤではその恩恵を感じられません。

 

ストロークも不足しています。

タイヤの磨耗とブッシュで印象ががらっと変わるほど神経質なサスもこの車の特徴です。

不思議なことに朝一の走り出しなどオイルの固い時はむしろ印象がいいのです。ダンパーの固さがなぜか心地よく感じます。
 
BMW E39 525i Mスポーツ


総合評価★★★

 

BMWとしてはイマイチですね。

まあ、Mスポのさらに限定車でしかも4分山のタイヤでは仕方ないかもしれませんが・・。
 
もちろん美点もありあます。

高速になるとやはりいいのです。

 

直進性は素晴らしいですし、音も静かです。ボディ剛性も高いし、経年変化も少ない方ですね。

条件さえ許せば180キロぐらいでも全く怖くないです。

このあたりは流石にドイツ車だと思いますね。

 

もちろんアウディ・クアトロなどのフルタイム4WDには敵いませんが、雨の日などもこの時代のFRとしてはトップレベルの安定性だと思います。

以前にE39で土砂降りの台風の日に阪神高速湾岸線を走ったことがありますが、強い横風と水溜りのような路面にもびくともしないほどの安定性を示し、さほどペースを落とすことなく走れたことを想います。

高速性能はこの時代の3シリーズ(E46)よりも明らかに上です。

タイヤを換えてもう一度乗ってみたいものです。

 

BMW E39 525i Mスポーツ

 

 

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