終わっちゃってます
ティアナに乗ってきました。
先代は内外装ともクリーンで日本車離れしたデザインでしたね。
ところが、今回フルチェンジされた実車を見てびっくり!
またまたやっちゃいましたね!
すっかり中国市場に向けた悪趣味なセダンになり下がっているではありませんか!!
好きだったのに残念です!!
●概要
先代はセフィーロの後継として2003年にデビューしたFFセダンでしたね。
「モダンリビング」と題した、これまでの日本調と違ったセンスのいいインテリアが最大のセールスポイントでした。
2005年にマイナーの後、 これはこの6月にフルチェンジされたばかりのブランニューです。
スタイル★★
4850×1795×1475mmというたっぷりしたサイズの伸びやかなプロポーションは先代通りです。
ただ先代にあったクリーンな印象はもはやありません。
特にこの白の「アクシス」というブランドは何なのでしょう?
どぎついフロントグリルと悪趣味そのもののエアロ(特にフロントのエアダム)で、
これはもうティアナと呼びたくありません!
お笑いレッドカーペットのザ・パンチではありませんが「お願いだから星になって~」って感じです。
今回は中国市場を意識したと言いますがそれなら日本仕様はもう少し何とかならなかったのでしょうか?
内装★★
ここも先代の見事なスカンジナビアンテイストはもはやありません。
肝心のウッドパネルは先代のマットなものではなく、一目見て分かるテカテカのプラスチック・テイストです。
しかも細部の造形が悪く、角が丸くなっているのでニセモノ感全開です!
先代はフラットな面にしかウッドパネルを使用せず、見た目にも本物の質感をかもし出していたのですが・・。
内装のセンスが売りのクルマがこのレベルでは・・、もはやこのクルマの存在意義は何なのでしょうか?
↑ただシートだけは相変わらずいいです。特にこの上級グレードに用意される革シートはクッションストロークたっぷりで超ソフト! ルノーとの提携の賜物です。このシートで★一つ分です。
↑カタログの接写なので分かり辛いですが、このステアリング終わってます!!ちょうど手に持つ部分のウッドがプラスチックそのものの感触と質感です。優秀な日産のテスターが気付かないはずがないと思うのですが?
↑ダブルサンルーフもいいですし、ミドルグレードに用意される「パールスエード」と呼ばれるバックスキン調の素材も先代通り素敵ですが・・。
↑これが酷い! アクシスの内装です。内外装とも安物のチューニングカーレベルのセンスですね。
エンジン・足回り★★★★
しかし悲しいかな、エンジンと足回りは第一級です。
フーガよりチューンの低いVQ35DEの3.5リッターエンジンとCVTの組み合わせは、街中でなかなかのドライバビリティを発揮します。
新しいプラットフォームに支えられたボディの剛性感も十分ですし、飛ばせば安定してくる骨太な感じは、直前に乗ったクラウンの3.5アスリートを敵としないほどの充実感です。
ステアリング・フィールはクラウンと比較にならないほどの情報を伝えてきますし、重心も低い感じでトラックの横をすり抜けるにしてもクラウンより自信を持って突っ込めます。
タイヤの影響で僅かに「コツコツ感」を伝えるのが、唯一気になった程度です。
総合評価★★
もはやこれはティアナではなく、セダンがもてはやされる中国市場のためのクルマです。
その内外装は旧型ティアナを中国メーカーがコピーしたかのようです!
日産は日本のユーザーが本当にこのデザインで満足すると思っているのでしょうか?
だとすると、とてもプロのマーケティングとは思えません。
先代のティアナは、セドリックやクラウン・マークⅡが我慢できないという、日本の中でも特にセンスにこだわりのある人たちが買っていたはずです。
その後継がこれでは買い替えは期待できません。
「試乗オヤジ」が日産の社長ならこんなクルマの発売は日本では断じて認めません。