遅ればせながらiQに乗ってきました。
実物はトップグレードのレザーパッケージだったこともあってか、塗装の艶といい内装といい小さな高級車の風格が漂っていました。
サスもトヨタの大衆車とは別物のしっかり感!
ワインディングも試しましたが,
なかなかのものでした!
●概要
2008年末にデビューしたトヨタ版のスマートですね。
まあ、こちらは欲張ってというか割り切りがわるいというか、4人乗りとなっていますが・・。
価格が高くクラスレスなのもスマートと同じです。
このGのレザーパッケージはヴィッツよりも遥かに高い160万円です!
まあ軽のターボが140万円もするよりはマシですが・・。
10・15モード燃費はiQの23km/リッターと言うエコカーですが、この価格が災いしてか思ったより売れていません。
昨今の世界不況がなければこういう贅沢なセカンドカーはもう少し売れたのかもしれませんが?
スタイル★★★★
スタイルは日本のお家芸とも言えるちょっとアニメちっくなガンダムが顔ですが、
直線基調のスタイルは一連のBMWやレクサスとの近似性を感じる高級感があるといってもいいかもしれません。
彫刻的な固まり感はヨーロッパ車のような重量感です。
チョロQなんて揶揄する人もいますが、クリーン&モダンで、なかなか長持ちしそうなスタイルです。
内装★★★★
マンタがモチーフという内装もなかなかのものです。
カラーが大人っぽいのも並のトヨタ車との違いです。
この内装を見ると同じネッツ店のショールームにあった
新型ウィッシュの廉価モデルの酷さが悲しくなります。
居住性はフロントは文句無しです。
幅も広く、着座位置も高いので広々としていてこのサイズに乗っている感覚はまったくありません。
リアはレッグスペースは非常に上手く稼ぎ出していますが、もっと簡単に解決出来るはずのヘッドクリアランスがありません。
標準的な男性なら頭がつかえるのです。
これは膝を丸めるより苦痛です。あと数センチでも稼ぎ出せれば解決するだけに残念です。
★が一つ少ないのはドアの内張りやダッシュがプラスチック素材(カラーと造形で上手くごまかしていますが)なのと、ドアのインナーハンドルが何故か極端に前の方にあり締める時に力がいるからです。最近こういう例をよく見かけますが、風邪の強い日などは支えきれなくて危ないと思います。またこういう小型車は乗り降りが楽な事がポイントなのですから、そのあたりはこだわって欲しかったものです。
エンジン★★☆
1リッター直列3気筒DOHC、68ps/6000rpm、9.2kgm/4800rpmです。
アイドル時やスタート時、加速時の振動と音が興ざめです。3気筒でももっと上手くやっている例はいくらでもあります。
ただパーシャル時の静粛性とCVTの洗練性は見事なものです。ここは小さな高級車しています。
また今回の試乗車はまだアタリが付いていないのか、全般にトルク感がないのも気になりました。つねにアンダーパワー感が付きまとい余裕がありません。
まあ、回してもノイズレベル自体はさほど高まらず、ストレスフリーなのは救いです。
足回り★★★★★
今回最も感心したのがこの部分です。
ハーシュネスはなくハンドリングも締まっています。並のトヨタの大衆車にこの締まりはありません。
ドイツ製の最新のクルマの様なスッキリとした気持ち良さがあります。
ホイールベースの割りには細かなピッチングや振動も良く抑えられていると思います。
ステアリングの手応えやブレーキの硬質なフィールなど、サイズこそ小型なれどすべてが大衆車と違うことをアピールしています。内外装の高級感もそうですが、明らかにレクサスのレベルです。本当にレクサス店で扱えばいいのにと思います。
総合評価★★★★
エンジンやヘッドクリアランスなど、細かな不満は色々ありますが、やはりこのサイズにしてこの乗り味は見事のものだと思います。
ハッキリと小さな高級車です。
だからこそ何度もいいますが、高級車オーナーのセカンドカーとしてレクサスブランドで売り出して欲しかったと思います。
この価格は本当の意味での小型経済車でないことは明らかなのですから・・。