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9-5 エステート ベクター サーブ 試乗

ちょっと古いか
サーブ 9-5
↑ベクターは下のエアロに比べホイールがちょっと寂しいですね。

 

以前に乗った9-3が恐ろしく良かったので、9-5も確かめてみたくなりました。

ところが、インポーターのヤナセに聞くと、9-5の試乗車は名古屋にしかないとのこと。

まあ、名古屋ならドライブがてら2時間コースかなと思っていたら、なんと大阪まで陸送しますって! 

流石はヤナセ! 申し訳ないですね! 

 

しかーし、もちろん評価には一切の手心は加えませぬ。

 

●概要

97年のデビューです。GMファミリーのベクトラのプラットフォームですね。
06年にビッグマイナーを受け、新幹線のような? 精悍なフロントマスクにリフレッシュです。 

エンジンは以前あったV6は落とされ、何故か直4、2.3リッターのターボのみになりました。

チューンは2種でこのベクターは低圧の185ps、エアロが260psとなっています。

 

サーブ 9-5
↑ショールームにあったエアロです。フラットなデザインのホイールが似合っています。

サーブ 9-5
↑白のセダンもなかなかの雰囲気。変なモノ感を醸し出していますね。

 

スタイル★★★★

 

この独特のスタイルは個人的にかなり好きです。

9-3ではレガシイB4に見えたフロントも、流石にゆったりとしたサイズを得て、伸びやかになりました。

このモダンと絶妙のキワモノ感のバランスはサーブならではでしょう?

06年のマイナーで随分フレッシュな印象になりました。

 

そろそろ大ナマズか山椒魚になりかけていたボディをディテールの処理だけでこれだけモダンに蘇らせるのはなかなかなの手腕です。

 

シンプルでクリーンな印象は北欧家具の「Bo Concept」あたりを思い出しますね。

サーブ 9-5
↑写真では分かりにくいですが、このウッドパネルが実にプラスチッキーで残念です。独特のキーシリンダーは乗る度に左手に持ち替えるのも面倒だし、助手席に子供を乗せた時など気を使います。

 

内装★★★

装はクオリティがもう一つです。
プラスチックのチリの精度、ドアミラーの目隠しの部分は、ショールームにあったクルマも含め3台ともかなりずれていましたし、シフトレバーやステアリングシフトのスイッチなど重要な部分のガタが多いのは、気になります。

 

ベクターに関してはスカンジナビアンテイストをそれだけで大無しにする、プラスチックそのもののウッドパネルも残念です。

 

ただし9-3と同じ感触でサイズをさらにたっぷり取ったFシートは最高です。

柔らかな皮による表面のソフトな感触は他ではちょっと味わえません。
ソフトな皮のシートはシトロエンC5や昔のマセラティなどにもありましたが、最近のクルマでは久々です。
この高級で繊細なタッチは病み付きになります。

 

サーブ 9-5
↑見た目は大したこと無いですが、表面の数センチだけが異常にソフトで幸せになれます。

 

サーブ 9-5
↑シフトレバーの剛性やステアリングシフトのガタなどが気になります。内装やボディの立て付けは9-3の方が上です。設計が古いためかアッパーモデルのクオリティーはありません。

 

サーブ 9-5
↑ウッドパネルの無い分、スポーティなエアロの内装。こちらの方がシックです。

 

サーブ 9-5
↑リアシートは折りたたみを重視してクッションストロークが制限されているため、フロントシートほどの心地よさはありません。

 

エンジン★★★ 

 

低圧ターボの加速は実にリニアで扱いやすいものです。

以前にプジョー308で指摘したようなターボの嫌な癖はまったくありません。
街中でもアクセルを一定にしているのに、タイミング悪く勝手にブースとがかかって加速してしまったりするような扱いにくさは全くなく、単にキャパの大きいNAのようなスムーズなトルク特性です。

それはいいのですが、不思議と振動が気になりました。

 

9-3では4気筒でも驚くほどスムーズで“>「ボンネットの中はオイルの海か!」と思ったほどですが、こちらはアイドリングから振動が気になり、終始このクラスとしては無視できないレベルの振動を感じました。
試乗車は1万キロほど走行していましたが、その程度でこの状態は・・。
設計の古いボディとマウントが原因でしょうか?
以前にあったV6が恋しくなりました。

 

足回り★★

 

こちらも残念ながら9-3のようなスペシャルフィールはありません。

履いていたタイヤピレリP6000のトレッドの固さのせいもありますが、このクラスとしてはハーシュネスがコツコツときつく、癒されません。

ホイールベースの割にフラット感もいまひとつです。確かにゆったりとした周期ではありますが、設計年次の古さを感じる乗り心地です。

 

操縦性・安定性も飛ばすとそれなりに骨太な面も見せますが、まずボディの重さを感じさせます。
ステアリングフィールは充実していますが、スムーズさと取り付け剛性において古さを感じます。

9-3にあったまろやかさや心地よさはありません。

 

サーブ 9-5
↑テールランプやゲートの処理はビーエムっぽいですね。

 

総合評価★★★

 

うしたハードを承知で、サーブ9-5を選ぶというのはなかなか通な選択ではあります。 

使い難さを承知で古城を買ちゃう貴族のノーブレスオブリーシュです。

試乗オヤジはまだそれほどの財力も精神的余裕もないので選びませんが、中古になればこれまた不当に安いので、中古のV6にしれっと乗るというならちょっとやってみたいです。

 

オヤジはその昔プジョーの504Dという古城も持っていました。

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