もう一歩
ずっと乗ってみたかった日産のデュアリスです。
使いやすい適度なサイズのSUVで、万能のセカンドカーとして最適か?
なんて気になっていました。
「フランス車ちっくな乗り心地」とか雑誌の評判も上々だけに期待しての試乗でしたが・・。
●概要
英国で開発され生産も英国というクルマです。
キャッシュカイという変な名前でしたが、日本名はデュアリスという名前になりました。
日本では2リッターだけですが、本国では1.6リッターのガソリンや1.5、2.0のディーゼルも用意されるのはうらやましいですね。
同じエンジンとシャーシを共用するエクストレイルとの住み分けですが、こちらはFFモデルもあり、スタイリングもよりシティユースを意識したものということです。
スタイル★★★★
ちょいアグリーな印象のフロントマスクを除けば非常にスタイリッシュでバランスのいいデザインだと思います。
ここまでいいと逆にその顔がアクセントになっていいかもと思うほどです。
プラットフォームを共有し、資本関係にもあるルノーのいい影響がでたのかもしれません。
ただカラーバリエーションが少ないのが残念です。
内装★★★
インパネは現代のクルマとして実に平凡です。
外装同様カラーバリエーションが乏しく、黒しか選べないのも不満です。
それでもシートはデザインも座り心地もフランス車のようで素敵です。
表面の1センチぐらいが、雲のように柔らかく、ストロークもたっぷりでコシもあるというアレです。
長く乗っていると包まれ感たっぷりで幸せになれるシートです。
こういう味のあるシートは国産車では珍しいものです。
ちなみにエクストレイルはこうはいきません。
大きなグラスルーフも魅力的です。
エンジン★★★
静かでスムーズで何の不満もありません。
旧エクストレイルにあった雑なフィールも消えています。
CVTも今や自然です。
ただ、残念ながら面白みはありません。
低速トルクでグイグイ走るヨーロッパ版のディーゼルが羨ましいのはこの部分です。
足回り★★★
この部分最も期待したのですが、残念ながらチョイノリでは分かりませんでした。
ただ新エクストレイルよりも「コツコツ」きます。
新車だったためかステアリングもシュアな感じに欠けました。
4WD仕様ならまた違った感じだったのでしょうが、期待した重厚感も安定性もイマイチでした。
もちろん大きな不満があるわけではないのですが、フランス車に期待する懐の深さや鷹揚な乗り心地は感じられませんでした。
本当の真価はもっと高速を飛ばしたり大きなギャップをハイスピードで乗り越えてみなくては分からなかったのかもしれません。
ただ、これだけは言えます。
このFF仕様に期待した上質感はありませんでした。
まあ、このクラスのこの価格のクルマに期待してはいけないのかもしれませんが、新型フリーランダーのような出だしの5mほどで分かる上質感はありません。
それはチョイノリでもハッキリと分かります。チョイノリの範囲ではエクストレイルの方が上です。
同じザックスのダンパーですが、アタリもソフトでしたから。
総合評価★★★
それでもこのスタイリングはこのクラスのSUVとして魅力的です。
クロスロードなどと比べセンスというか存在自体好ましくも感じます。
サイズがいいだけに、CX-7のような乗った瞬間に分かる楽しさやCR-Vのような乗用車並みの洗練など、分かりやすい乗り味が街中でも感じられれば(FF)人気も上がると思います。
機会があれば4WD仕様で飛ばしてみたいものです。