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911 カレラS  PDC 2010年 試乗 ポルシェ 

911もずいぶん太ったなあ

997Carrera-1

911をけなすなんてやっぱり自動車雑誌では出来ません。

でも昨年末にこのクルマを借りて京都の温泉に出かける機会がありました。

結果、1泊300キロを走って思ったのです。イマイチだなって!

  • ●概要
    この秋にもフルチェンジが噂されている997は04年のデビューです。

    996型で不評だった涙滴型ヘッドランプを廃止、部品は80%以上を刷新されたとも言われています。

    08年6月には大規模なマイナーチェンジが行われ、NAモデルはブランニューの直噴エンジンを搭載。

    さらにティプトロに変わりPDKと呼ばれる7速でデュアルクラッチも選択ができるようになりました。

    グレードは素のカレラ、このカレラS、4駆のカレラ4、カレラ4S、カレラ・カブリオレ、カレラS・カブリオレ、カレラ4・カブリオレ、カレラ4S・カブリオレ、タルガ4、タルガ4S、ターボ、GT2、GT2RS、GT3、GT3RS、
    GTSなど、非常にバリエーションが多いです。ポルシェがこの911にかける意気込みが伝わろうというものです。

    スタイル★★★★
    どこから見ても911以外の何者でもありません。

    そういう意味では完成形です。

    もはや古くもなりません。

    この911のように60年代のデザインテイストを守り続けているクルマはMINI、ビートル、フィアット500ぐらいでしょう。

    星が一つ足りないのはボンネットが996時代よりも高くなりぼってりした感じになっているからです。

    ナンバーが無いとウーパールーパーに見えます。

    まあこれは歩行者保護の安全対策ですから仕方ない面もあるのですが・・。

    LED化されたリアコンビランプなどで新しさを演出しています。

    Cd値は0.29と優秀です。

    内装★★★☆
    996比で改善された部分ですね。

    質感はかなり高まりました。

    残念なのはステアリングシフトのパドルスイッチのマテリアルがなんともプラスチッキーで安っぽい事です。

    樹脂に塗装しただけです。

    せめてリアル・アルミでしょう。

    こういう、しょっちゅう触る部分はこれまでのポルシェだったら徹底的にこだわりぬいた所です。
    ステアリングの革やシフトノブの素材と同じぐらいこだわらなければいけない部分です。

    それがプラモデルみたいな感触では・・。

    エンジンやミッションのフィールに合わせるなら重厚なタッチが相応しいのですが。

    またオプション価格が高いのもポルシェの商売上手なところです。

    メタリックのボディカラーは16万円、レザーシートで24万円、フルレザー内装だと54万3000円です。

    この価格に相応しいクオリティかと問われると少々疑問です。

  •  

    画像 063

     ↑走行距離に注目、試乗中11111kmに! 特にいいことはありませんでしたが・・。

 

エンジン★★★☆

  • マイナーでブランニューエンジンDFI(ダイレクト・フューエル・インジェクション)になりました。

    ミッションも「7速PDK(ポルシェ・ドッペル・クップルング=Porsche Doppel Kupplung)」です。

    VW・アウディがDSGで先行しましたが本家はこちらですね。

    ポルシェは80年代からPDKをCカーの956や962Cで参戦していましたから。

    マナーはとてもいいです。

    スタートやシフトショックはGT-RなどよりスムーズでVWのファミリーカーのように自然です。

    エンジンですがカレラSは3.8リッターになります。

    ボア・ストロークは102.0×77.5mmと超ショートストロークです。マイナー前と比べると30psと2.1kgmもパワーアップしています。アイドリング時には「チチチチ」と
    いう直噴独特のインジェクターノイズが聞こえます。

     パフォーマンスですが、ノーマルモードではスムーズですが911の、しかもSという前提では物足りないです。

    特にレスポンス、911のフラット6といえば回転の上がりよりもその下がりが早いことが特徴でした。

    シフトアップ時にアクセルオフすると早いシフトでないと回転落ちの方が早くつんのめるような感じさえありました。

    マニアはそのスピードに負けないぐらいの電光石火のシフトを試みたものです。

     

    でもこのエンジンならMTでも普通のシフトで間に合いそうです。

    トルクはありますが、GT3のようなシャープなフィールは望むべくもありません。

    但し「SPORT」「SPORT PLUS」のスイッチを押すと状況は一気に変わります。

    トルクの付き、レスポンスは大幅に改善され、豪快な加速を展開します。

    ただ重々しいフィールは変わりません。

    やはり現代の911に73カレラRSのようにカミソリのようなフィールのレスポンスを望むのは間違いなのでしょうか?

    またせっかくのPDKですが、普通の右シフトアップ、左ダウンのパドルと違って、左右に付いたボタンでそれぞれアップダウンするタイプです。

    これはやはり細かい操作を要求されますので、ヘアピンなど大蛇角を与えられると難しいです。

    スポーツドライビングを熟知したポルシェらしからぬUIです。

    足回り★★★★
    ここも重いんですね。

    昔のポルシェのように硬質で爽やかな感じがあればいいのですが、ただただ重々しい。
    乗り心地は悪くないです。

    ポルシェらしくダンピングの効きは強力ですから、揺れは一発で収まります。

    ただそのフィールはスポーツカーというよりはAMGなどの重量級のサルーンベース・スポーティーカーのような感じです。

    それが物足りないです。

    操縦性も同じですね。

    素のカレラでなくわざわざSを買ったという満足感が無いのです。

    これなら素のカレラでいいです。

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↑オプションのスポーツクロノパッケージ=19万4000円です。

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