日本仕様では導入時「C180」「C200」「C250」の3つのガソリンモデルが用意されています。
試乗したのは2リッター直4ターボで最高出力は184psを発揮するC200です。
往年のメルセデスらしいなと感じたのは走り始めの穏やかな動きですね。
決して重いわけではないこのクルマに適度に溜めを作ることで重厚感と高級感を与えています。
もちろんパフォーマンスは十分です。常に分厚いトルク感を感じますし、回せばどんどんスピードを載せます。
ただ最新のエンジンらしく回転数はさほど高まりませんしトルクの山もありませんので、本格的なスポーツ走行を望むなら後から出てくるAMGモデルを選ぶしかありません。
ただ、回転感など質の高さに不満はありません。
先進セーフティーデバイスも満載です。
ステレオカメラと長短距離捕捉レーダー、およびパーキング用ソナーからの情報をもとに車両を統合制御する「インテリジェントドライブ」はSクラスとほぼ同等の機能を持ちます。
例えばクルーズコントロール機能は、60km/h以下の速度域であれば、前車の軌道を捕捉して追従する方向へと操舵(そうだ)アシストを働かせる「ストップ&ゴーパイロット」も付いています。来るべき自動操縦への布石は着々と進んでいる感じです。
足回り★★★★★
ここもハイライトですね。とにかく乗り心地が素晴らしい。
このしっかり感とのバランスではまだ煮詰まっていないSクラスを上回っていると感じました。
試乗車はオプションのエアサスを装着していたこともありますがとにかく直接的なショックを感じません。
内装の建付けやボディーの剛性感も小さい分Sクラスよりもいいと感じました。
とにかく路面にゴムをひいたかのような優しいタッチは、完全にDセグを超えています。
そしてスポーツモードに切り替えると足が締まり、ボディーが小さく感じます。もともと電動としては異例にセンターの出ているステアリングは一層手応えを増し安心感を伝えます。このステアリングや乗り心地にメルセデスが帰ってきたという人もいます。
確かにこれまでのAやBクラスにはない伝統の味をこのCには感じます。
FRメルセデスの、正統派ラインの乗り味が久々に戻ってきたと感じます。
総評★★★★★
リアシートにも乗ってみたのですが、フロントに比べやはり大きなピッチングを感じました。
まあこれはSクラスも同様なのですが、アウディなどと比べメルセデスのリアシートの乗り心地の落ち幅は少し大きいようです。
逆に言えば気になった欠点はこれぐらいです。
リアに乗らない人には文句無しです。
今買えば10年は不満なく乗り続けられるクルマです。
こんなクルマはやはり日本車にはなかなかありません。
リセールもいい筈なので安全性も含めてクルマに趣味的なこだわりを持たない人には間違いなくお勧めできるクルマです。
また昔のメルセデスが好きで最近のはダメだなあ!と思っていた人にもお勧めです。
190やW201が持っていた重厚感や溜を持った久々のメルセデスですから。
【スペック】全長x全幅x全高:4690x1810x1435mm/ホイールベース:2840mm/車両重量:1540kg/乗車定員:5名/駆動方式:後輪駆動[FR]/エンジン種類:直列4気筒 DOHC ガソリン直噴ターボエンジン/総排気量:1991cc/最高出力:184ps(135kW)/5500rpm/最大トルク:30.6kg-m(300N・m)/1200-4000rpm/トランスミッション:電子制御7速オートマチックトランスミッション/燃料消費率:16.5km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:225/50R17/メーカー希望小売価格:5,240,000円