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A6 ハイブリッド アウディ 試乗

かなりスポーティーなハイブリッド
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現行のC7系は2011年1月のデトロイトショーでのデビューです。

これが意外にもアウディ初となるハイブリッドです。

ベンツはSクラス、BMWはX6から始まったプレミアムブランドのハイブリッドですが、アウディもスペースに余裕のあるA6からスタートです。

 

 

スタイル★★★★

 

どこから見てもアウディらしいというか、もう完成されたスタイルですね。

6ライトのサイドを特徴とするセダンの見本のようなフォルムはプロポーションも完璧です。
ライト周りがLED化されたことでフレッシュさも取り戻しています。

 

C5、C6系を踏襲する丸いワンモーションのルーフラインもA6の特徴ですが、このC7系でもそれは採用されています。

確かに全長が伸びた分、Cピラーが少し直線的になっていますが、それでも美しいことに変わりありません。

 

ブランドとはいえメルセデスベンツやBMWと違ったテイストでセダンのフォーマルさを表現しているのは流石です。

星が欠けるのはちょっとバランスが良過ぎて面白み不足というか、高級車に必要な一種のアクや面白みに欠けるところです。

 

 

内装★★★☆

 

内装も外観同様に相変わらずの安定感です。

品質は特に定評のあるところですね。
ただデザインは流石にそろそろ飽きてきましたね。

 

インパネや特に丸く野暮ったいステアリングはそろそろどうにかならないでしょうか?

シートもデザインは単調ですね。

また座面が少し短く、腿のサポートが不足気味なのもこのクラスとしては気になります。

リアもスペースは十分ですがクッションはもう少したっぷりしていた方が高級感が出ると思います。

きっちりと座らせようという意図は分かるのですが、後席ではもう少しリラックスしたい気もあります。

 

 

エンジン★★★★

 

エンジンは2リッターターボの4気筒211psと54psのモーターを組み合わせています。
2.8のガソリンがV6で204psですから、ターボとはいえリッター100psを超えるハイチューンと組み合わせているのはヨーロッパ流ですね。

 

始動時のショックも含めて振動はかなり慎重にシャットアウトされています。

しかしサウンドは高級車としてはなかなか勇ましいというかブーンという4気筒の自動車らしいサウンドです。

でもそれが嫌でないのはパワーがしっかり出ていてサウンド以上の加速感を伴うからです。

 

モーターの助けがあるとはいえA6ハイブリッドはかなりのスピードを持ちます。
低速からモーターがアシストするのでキックダウンすることもなく加速するサマは大排気量車のそれのようでなかなかの快感です。

 

またパワーメーターがブースト領域に入る程にアクセルを踏み込めば本当にスポーツターボのようなフィールでかなりの力強さで加速します。
これまで経験したハイブリッドではBMW3のシリーズのハイブリッドと並んで最もスポーティーな性格のハイブリッドです。

 

 

足回り★★★★

 

ここも完璧ですね。

A6はアウディの中でもフラット感の強い乗り味が特徴ですが、このA6ハイブリッドでも基本的に変わりません。

乗り心地は軽やかで、悪路でも直接的なショックは一切なく、ハーシュも遠くで“タンタン”という感じで実に快適です。

 

それはリチウムイオン電池を37kgでまとめ、車重も1850kgと、2.8FSIクワトロの60kg増しに抑えた恩恵でもあります。

クアトロではなくFFとしたところも軽快感を感じられる要素です。

また、これはA6全てに当てはまるのですが、ドライブトレインのスムーズさが圧倒的で、直線をゆっくり走っているだけでも高品質感、高級感を感じられるのもポイントです。

ハンドリングも電池をトランクに置くことで前後バランスが良く実にプールプルーフです。

 

サスの硬さを変えられるアウディ・ドライブセレクトも標準ですが、アウディの場合これはいつもオートが最良の選択です。

コンフォートよりも姿勢制御がしっかりとし、私ぐらいのペースなら乗り心地もオートの方が快適です。

 

ちなみにコンフォートでは明らかにロールとピッチングが大きくなりますからこのモードは後席に年配者を乗せる時ぐらいしか使いません。

またダイナミックは揺れの周期が早くなり乗り心地は硬くなりますが、ワインディングを楽しむ時には確かに限界がつかみ易くコントローラブルで安心感が高まります。

 

タイヤは245/45R18、ブランドはアウディの常でピレリP-ZEROですが、これが乗り心地も良く剛性も高くてコントロール性もいいんですね。

ミシュラン・パイロットスポーツと並んで高いだけのことはあると思わせるタイヤです。

 

 

総評★★★★

 

価格が安いこともA6ハイブリッドの魅力ですね。

2.8FSIクワトロが(610万円)でBMWアクティブハイブリッド3は(745万)、レクサスGS450h(700万円~)ですからA6ハイブリッドはお買い得感があります。

それにしてもヨーロッパのハイブリッドは走り優先で燃費は二の次ですね。

 

これも3日間の試乗でかなり飛ばした事もありますが、燃費は11km/hでした。

おそらく2.8のガソリンと2~3km/l程度しか変わらないでしょう。

多少高いがよく走って燃費もいいということがヨーロッパのハイブリッドの価値でしょう。

その意味ではこのA6ハイブリッドも確かにその要素を満たしています。

 

全長×全幅×全高=4930×1875×1465mm/ホイールベース=2910mm/車重=1850kg/駆動方式=FF/2リッター直4DOHC16バルブターボ(211ps/4300-6000rpm、35.7kgm/1500-4200rpm)+モーター(54ps、1.4kgm)/燃費=13.8km/リッター(JC08モード)/価格=690万円

 

(※この記事は2013年2月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)

 

 

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