お盆休みですっかり更新をサボっていました。
またまたミニバンです。このところデリカ、ビアンテとミニバン続きですが、ついでにもう一丁、
大人気のホンダ・フリードに乗ってみました。
ストリーム以来、
ホンダのこのクラスの超洗練された走りには、リスペクトされっぱなしの試乗オヤジでありますが、
フリードもクラスを超えたホンダ一流の乗り味を持っていたのでしょうか?
●概要
ホンダ最小のミニバン、モビリオの後継ですね。
バリエーションは、最もよく売れている2列目セパレートシートの7人乗りの他、8人乗り、3列目を荷室に充てた5人乗りがあります。
スタイル★★★☆
ユーロトラム(路面電車)コンセプトで超クリーン&モダンだったモビリオから一転、
普通の自動車らしいデザインになりました。
2740mmのホイールベースはそのままに、オーバーハングが160mm伸び全長は4215mmとなっています。
ボディサイドのウエッジの利いたキャラクターラインやフロントからのワンモーションフォルムは
ベンツのBクラスを連想させます。
全体に筋肉質の欧州系自動車デザインになりました。
それでもこれだけの室内空間を単なるミニバン(ハコ)に見えないよう上手くデザインされていると思います。
残念なのはリアピラーの意味の無い三角の切れ目です。これで随分子供っぽくなってしまっています。
まあそれでもツウ受けするモビリオほどのインパクトはありませんが、十分に一般受けする佳作だと思います。
内装★★★
この2階建てのインパネはまったくもって秀逸です。
視覚的な開放感と操作性を両立し、デザイン的な遊び心も感じさせてくれます。
ところが、質感にはがっかりです。
シートやインパネ、ドアトリム、どこにも豊かさはありません。
この値段ですから高級感は求めていませんが、
特にシートの素材はどうにかならなかったのでしょうか?
ホンダは同じコストの制約のある筈のストリームではなかなかのセンスを見せています。なのに何で後から出てくるフリードが・・。
せっかくの空間を豊かにする素材選びや、楽しい色使いがあれば、このクルマの魅力は倍増すると思うのですが。
エンジン★★★
エンジンはフィットからの流用で1.5リッター、118ps&CVTです。
ミッションは低回転を上手く維持して燃費を稼ぎます。
とにかく、このパワートレインはスムーズなことが印象的です。
もちろん官能的なサウンドもフケ上がりも何も無いですが、これはこれで実用車のパワートレインとして洗練されています。まあ残念なのはCVTのフィールが安っぽいことです。
ブレーキは非常に扱いやすく「スッ」っと止まります。
加速もちょっとアクセルを踏んだだけでグイっと出てしまうような子供騙しの演出はありませんからスムーズそのものです。
とにかく、この適度なサイズと高いアイポイントによる良好な視界ともあいまって、
フリードは街中で本当に乗りやすいクルマです。
足回り★★★
エンジン同様、足回りもスムーズそのものです。
ハーシュネスは軽く、街中を走っている限り姿勢変化も最小です。
低速でコントロール性のいいブレーキとスムーズなパワートレインも一躍かっていますが、
ノーズダイブも無く、加速時のスクオットや交差点での初期ロールも気になりません。
この足回りも街中で非常にラクで扱いやすいものです。
もちろん、フィットよりも背が高いので山道や高速のコーナーに行くと重心の高さを感じないわけにはいきません。
特に高速になるとどこか軽く不安定になるのはホンダであってもファミリーカーということでしょう。
でもほとんどの欧州車は安定感があるのも事実です。
軽々しいステアリング・フィールも高速では気になります。
総合評価★★★
このフリードを見るとあらためてホンダも随分大人になったものだと思います。
これほど優れた実用生活車を提供するメーカーになったのですから。
確かにフリードは日本で使うに「サイコーにちょうどいい」サイズと性能を持っていると思います。
だからこそ残念なのです!
ホンダがホンダなのは優秀な実用車を提供するからではありません。
どこかスポーティーであったり、抜群にセンスがよかったり・・。
昔のアコードやシビックは最高の実用車でありながら、そのセンスもキャラクターも最高で、そして走りも・・
だからこそ若者にもインテリにも支持されクラスレスな日本車らしからぬイメージを得たものです。
ホンダがフリードに欠けているものを、早急に取り戻すことを望みます。
↑このリアのコンビネーションランプやウインドウからリッドの曲線の出し方なんかもベンツに似ていると言われる所以です。それと、Dピラーの意味の無い、切れ目?終わってますね!