最近アウディに乗っていなかったのでショールームを覗いてきました。
新しいA4やA6も気になりましたが、やっぱり運転の楽しさを期待してTTに乗ってみました。
V6の3.2ではなく軽快な操縦性が売りの2.0です。
●概要
先代のデビューは1998年秋、凝縮感たっぷりのコンパクトなボディは911ではないけど、確かに「TTを着る」という感覚がありました。
現行モデルは8年後の2006年のデビューです。
構成は直4、2.0ターボ&V6、3.2となり、直4は先代の1.8の180psから200psへパワーアップされました。FFとクアトロがあり、ボディは先代同様ソフトトップをもつロードスターもあります。
スタイル★★★★
フリーマン・トーマスのデザインした先代はモダンなバウハウスデザインの究極で間違いなく5つ★でしたが、今回は4つ★です。
このモデルもご覧のように完全に洗練された正にアウディ一流のデザインなのですが、それゆえ先代のようなアクというかインパクトがなく、ただキレイなクーペという印象で目の前を過ぎ去ってしまいます。
美人過ぎるモデルさんのようにどこか現実感がなく色気に欠けるのです。
内装★★★★
内装もアウディらしく品質は文句ナシですが、先代ほどのフィット感はありません。
センターの丸いエアアウトレットが2つから3つになっただけでどうもタイトな感じが薄れてしまいます。
それが微妙にドライブフィールにも影響してしまうようでいけません。
品質感も他車と比べれば文句ナシなのですが、ショールームにあった新しいA6の抜群の仕上がりを知ると少し物足りなく感じます。
レザーパッケージであればまた印象も違ってくるでしょうが。
エンジン★★★
これもちょっと刺激不足というか物足りない感じです。
先代の1.8ターボの方がボディの小ささもあって活発で楽しく感じました。
スムーズさも4気筒としてはというレベルにとどまりますし、回せば速いですが低速トルクとサウンドもイマイチです。
排気音は「ブロロー」という低音で迫力はありますが、それはマフラーの演出であってエンジンの音ではありません。
ドライブトレインのソリッド感もSラインの固いサスとリズムが合っていません。
足の速い周期に比べ加速のレスポンスが甘すぎるのです。
自慢のDSGもスムーズではありますが、このパワーならマニュアルの方が楽しめます。
エンジンに楽しさを求めるならV6、3.2もしくはTTSをお勧めします。
足回り★★★
今回はハンドリングを期待してノーズの軽い2.0に試乗してみましたが、Sラインとクアトロが失敗でした。
乗り心地が固くフラット感としなやかさに欠けます。
この美しいボディにバランスしません。
このエンジンとのバランスならノーマルが上です。
FFのノーマルなら快適な乗り心地と軽快なハンドリングを示してくれるはずです。
足はオヤジならノーマルにオプションの電子制御ダンパーであるアウディマグネティックライドを選びます。
不思議なもので先代も固かったですが、ボディが小さく凝縮感があったためかそれを不快に思いませんでした。むしろクアトロとあいまって磐石の安定感と感動したものです。
それがなまじボディが大きく快適になったものだから期待値が上がってしまうのです。エレガントなボディに似つかわしい乗り心地を期待してしまうのです。
人間の感覚なんていい加減なもので、その期待値を少しでも下回ると、絶対値としては進化していてもNGなんですね。男なら多少部屋が散らかっていてもなんとも思わないけど、キレイな子の部屋が汚かったら幻滅するみたいな?
総合評価★★★
今回はグレードとオプションのチョイスを間違えたようです。
TTに順を付けるならTTS、3.2クアトロ、TT2.0&ロードスター(FF)までが4つ★です。
スタイルも乗り味も今回のモデルはちょっと刺激と洗練が足りませんでした。
↑TTSです。272psで695万ですが楽しさはNo.1です。
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