フルチェンジで何故かますます大人気のヴェルファイア(アルファード)です。その秘密を探ろうと乗ってみましたが・・。
今オーダーしても納車は盆明けだそうです!!
●概要
エスティマベースの先代アルファードは2002年のデビューですから6年ぶりのフルチェンジです。
このヴェルファイアはネッツ店用のバッジエンジニアリングですが、クルマ好きとしてはいまだこの手の商売がまかり通るのかという思いですね。
スタイル★
もともとエバリ系のデザインでしたが、ますますパワーアップしてますね。
シボレーのアストロやブレーザーといったクルマがこの2段ライトをやっていましたね。機能的に根拠の無いデザインはいずれ消滅するでしょう。
ロレックスとブルガリの腕時計を2つ並べてはめているみたいでわけわかりません!
この顔を見たらアルファードが大型犬のように可愛く思えてきました。
トヨタは中庸のメーカーだと思っていたら、こと若者向けとなったらbBのように突拍子もないことをやってくれますね。トヨタの役員も若者のセンスは分からんから口出ししないということでしょうか?
フォルム自体も先代と比べ何の進化もありません。デザイナーの仕事は、与えられた寸法を鉄板で覆いライトとグリルを考えただけです。
↑上級グレードはこのようにFグリルのえげつなさがますますヒートアップします。オプションリストを見たらさらに凄いのがあってぶっ倒れそうになりました。
内装★
これまた新鮮味ゼロです。
この古ぼけた形状とブラウンのカラーのどこにデザインがあるのでしょう?
ステアリングとウッドパネルの質感の酷さにいたっては致命的です。
大袈裟ではありません、嘘だと思ったら是非実物を見てください!!
あのトヨタがまさかまさかのです!
エンジン★★★
ようやく3つ★です。
V6、3.5は、2トンを超える車重をしかし十分な加速で引っ張ります。静粛性もATのマナーも完璧です。この辺りはトヨタの面目躍如です。
ブレーキのタッチも良くコントロール性も抜群です。この大きなボディをノーズダイブなくスーっと音もなく止めるセッティングの妙は、ストップ&ゴーの多い日本の市街地を知り尽くしたトヨタの得意とするところです。
ただしダイレクト感や楽しさは期待してはいけません。
足回り★★
ロールは良くチェックされていますが、エリシオンほどのフラット感はありません。
それでも先代やエルグラに比べれば随分ましです。
ただ乗り心地がイマイチなのが不思議です。もちろんこのサイズと重量ですから挙動自体は落ち着いているのですが、しっとり感が足りず高級車に乗っている感じはありません。鋭角的なギャップで足回りから安っぽい音を発するのも底が浅い感じで興ざめです。
どうでもいいステアリングフィールを含めトヨタそのものの乗り味です。
この分野ではサイズは小さく安いシトロエンのC4ピカソなどの方が遥かに高級な乗り味を持っています。もちろんデザインにいたっては比べるのも酷でしょう。
総合評価★★
2列目に座るのなら別ですが、ドライバーとして評価するなら★2つでも大サービスです。
自動車評論家の清水和夫さんが以前にエスティマを衝動買いした時、「ボクはマイクロバスを買ってしまった」と嘆いてらっしゃいましたが、このクルマもマイクロバスです。そしてデザインはエスティマ以下です。
それでもこのクルマは間違いなく売れます。既に売れています。
今の日本人はこういうクルマが好きなんですね。確かに壊滅的な日本の自動車環境を見ると、一般の人が走る楽しさを忘れるのも無理はないですが・・。
出来ればもう一度良く考えて欲しいですね。本当にこのサイズが必要なのか?
年に一度の家族旅行ならレンタカーを借りた方が楽しいです。そのために残りの364日無駄な空気をたっぷり積んで走ることになります。
コーナーでロールに気を使い、交差点で内輪差に気を使い、駐車場で高さとバックに気を使う。こういうクルマに毎日乗っていると、ますますクルマに乗るのが億劫で嫌いになります。
ちなみにヴェルファイアとは「VELVET(もの静かな)」+「FIRE(情熱)」からの造語だそうです。
どこかもの静かやねん!!
皆さんに代わって突っ込んでおきました。