熟成の極み!
このブログは基本的に雑誌では書けないような欠点や真実をすべて書いてしまおうという事が趣旨なのですが、今回ばかりは降参です。
A6の熟成ぶりが半端ではありませんでした!!素晴らしき機械的洗練!リファイメントの極みだったのです!
●概要
現行A6は2004年デビューです。マイナーは5年後の2009年1月。来年にはフルチェンジも予定されています。
ディメンションは4925×1855×1435mm、ホイールベース=2845mm 車重=1860kg エンジンは3リッター V6DOHC24バルブスーパーチャージャーで290ps/4850-6800rpm、42.8kgm/2500-4850rpm 価格は780万円です。
スタイル★★★★☆
デビューから既に6年になりますが、セダンとしていまだ完璧に美しいスタイルです。
特にシングルフレームが与えられてからはダイナミズムもあり、高性能スポーツセダンの見本のようなスタイルです。
しかもベンツやBMWのような記号性の強さや押し出しだけではなく、適度にフォーマルでもあり、控えめでもあるというのがアウディの強みでしょう。
知的でスポーティーしかも高品質・高性能というブランディングはなかなか見事なものがあります。
星が半分足りないのは、先代にあったような全体を一つの塊として捕らえるような潔さと芸術性に劣るからです。
まあその分A8にも負けない強さはありますが・・。
内装★★★★
これまた高品質&スポーティーの代名詞です。
特にSラインのフロントシートは見た目はバケッドでありながら適度にルーズな運転も許容する寛容さがあります。
もちろんGの掛かった時にはしっかりとサポートしてくれる強靭さも持ち合わせていますからこのクラスのスポーツセダンに必要な要件は完璧に満たしているといえるでしょう。
各ピラーから天井にかけての素材も丈夫&汚れなさそうでいいと思います。
アルカンターラの素材よりも安心感があります。このクラスらしい素材選びです。
星が一つかけるのは、いくらフィニッシュが良いとは言っても、流石に見飽きたインパネの造形とブラックオンリーのカラーリングです。
これがオプションのダークブラウン系なら明るさと華やかさを演出できたと思います。
エンジン★★★★☆
このV6、3.0スーパーチャージャー&ATは最高です。
3リッターでここまでのスピードを実現したのは現代の技術ならではです。
最新のテクノロジーをフルに投入して初めて到達できる領域のスピードと洗練を備えています。
つまりV8、4,2を捨て去ったのはエコの問題だけではありません。
そのドライバビリティーを含めた実現できるスピードが上回ったからです。
つまりスピードで過去のV8、4,2以上、燃費で過去のV6、3.0以上を実現しています。
低速での素晴らしいドライバビリティー・スピードコントロールの容易さ、ギクシャク感のなさ。
つまりアクセルのオンオフでのヒステリシスというか機械的洗練が見事、ブレーキの効きの素晴らしさ&最後(止まる寸前)のコントロール性の良さ、つまりがっくんとならない。など全てが美しい!
飛ばせば明確なビートと粒の揃ったサウンドを伴いながら一直線にスピードを上げる!予想以上に!
ビートは振動ではなく鼓動。完璧な洗練。
つまり最高!星が半分足りないのは超回転でのカタルシスの無さ、しかしそれを望むのはこの車には筋違い、しかしそれを望んでしまうほどのシャーシ性能の高さ。
足回り★★★★☆
タイヤサイズは255/35-19、アダクティブエアサスペンションはついに完成の域へ!
このロードホールディングにしてこの引き締まった洗練はなんなんだ??
オヤジはプライベートでS8に乗っていますが、くやしいです!!
何で同じメーカーの1510万のクルマが780万のクルマの足回りに負けるのか!!
まあ設計年度の違いといえばそれまでなのですが、エアサスのブカブカ感はまるで無く良く出来たメカサスのソリッドさとよく出来たエアサスのコンフォートを完璧に両立します。
最近のマイナーでA6は全てエアサス仕様になりました。
この完成度なら当然です。
特に高速でのフラット感と乗り心地、ダイナミックモードでのソリッド感はメカサスでは到底到達できない領域にあります。
星がが半分欠けるのは、S8にしかないオイルの上を泳ぐような高級なヌメリ(滑り)感に欠けるのと若干の嫉妬からです。
総評★★★★★
このクラスのスポーティーセダンとしては、恐るべきことに最新のEや5シリーズを上回ります。
たしかにEの快適性や5の洗練も魅力です。
しかし少なくともオヤジのドライビングスタイルにハマルのはこのA6です。
クルマの進歩とは早いもので僅か6年で古典なんでですが、その熟成もまた見事です。
国産ならとっくに死んでいる時期ですが、技術集団のアウディはこのA6を最新のEや5に負けないほどにブラッシュアップしてきました。
恐るべき執念と技術をもって!
このクルマに乗ると国産車のリファインなんてごく低速の領域に過ぎないと分かります。
雨の高速で、条件が厳しくなるほどこのクアトロはその真価を発揮します。それはFRのEや5がいまだ相手にならない領域です。