驚きのハンドリングと安定性!
ハーフウェットの富士スピードウェイでフィエスタ・ギア・モンデオST・フォーカスSTをチョイ乗りです。
今回はこの3台から最も感銘を受けた(予想以上に良かった!)フィエスタを取り上げてみます。
もちろんフォーカスSTとモンデオSTは定評のあるところですから、特にこういうステージでは流石のハンドリングを示すわけですけど、このSTでもなんでもないギアが最高のバランスだったのでぶったまだったのです!ちなみにSTは「Sport Technologies」の略です。
●概要
欧州フォードの「フィエスタ」は、初代が1976年にデビュー、2002年にフルモデルチェンジされ5代目となりフォードグループのマツダ旧「デミオ」とプラットフォームを共有します。
グレードは1.6&4ATのベーシックな「GLX」と、アルミホイールやフォグランプなどを装着する「GHIA」、2.0&5MTの「ST」があります。
スタイル★★★
全長×全幅×全高=3920×1680×1445mm。
けれんみのないシンプルでプレーンなスタイルです。
旧デミオというよりはサイドやリアからだとプレマシーにも似ています。
フォード流の破綻なく厭味なく、しかし特徴もないスタイルです。
↓今回は乗れませんでしたが、ギアでこれほどですからSTなら自在のハンドリングでしょう?
↓ニューフィエスタです。フォード・オブ・ヨーロッパのエグゼクティブ・デザイン・ディレクター、マーチン・スミスが率いるデザインチームが提唱する「キネティックデザイン」。
以前に酷評したニューフォーカスと違い、確かにかっこいいけど、プジョー207みたいですね。
曲面とエッジの効いたラインを組み合わせたフォルムはどうしてもこんな形になりますね。後席の居住性が心配です。
内装★★★
これまたフォード流で、デザイン的には評するに困る内装です。
しかし、シートの出来はよく、サーキット走行でもサポートに不満はありませんでしたし、コンパクトカーの割にストロークもしっかりあって座り心地も上々です。
シートを薄くしたり小さくして無理やりスペースを稼いでいない点は好感が持てます。
↓ステアリングのパッドなどが微妙に膨らんでいるのが、高速時の心理的安心感に一役かっています。
↓リアシートにも座ってみましたが、意外に広く普通に座れました。
エンジン★★★★
直4、1.6リッター、100ps。
普通のエンジンですが実用域のトルクが高く、且つ回転にも目の詰まった上質なフィールがあるので全くストレスがありません。
サーキットで最終コーナーを立ち上がって全開にしても、長い長いストレートを前にただ待つのですが、そんな時でも出来る範囲で効率よくがんばっている感が伝わってきます。
フラットトルクで扱いやすいのも美点です。
足回り★★★★★
アンダーパワーのエンジンに小さなボディ、路面感覚を恐ろしく良く伝えるステアリング、何をしても破綻をきたす気配もないサスペンション。
まさに自在、何をしても怖くありません。
広いサーキットということもあります、それはコーナーでスライドして入るまさにその最中でも今日の晩御飯のことを考えていられるぐらいなのです。
まあ、スポーティカーとしては退屈かもしれませんが、ここまで安定性が高いと、郊外の道でバンバン飛ばしてやるという楽しみも実用車としてアリかなと?
「試乗オヤジ」ぐらいの腕なら限界が高くシビアなクルマよりもよっぽど楽しめます。
総合評価★★★★
久々にこういう小型車に乗ると、骨太なヨーロッパの小型車の良さがハッキリ感じられます。
例外もありますが多くの日本の小型車はボディや特にサスペンションの取り付け剛性の面でまだまだヤワな印象を受けます。
このあたりがしっかりしていないと飛ばす気にもなれませんし、耐久性にも心理的に不安を感じます。
フィエスタには丈夫なスニーカーのように使い倒してやる楽しさがあります。
↓駐車場にはKaがいっぱい。カラフルで可愛い