デミオのネガを補ってきた!
アルファードの予定でしたが、楽しみにしていたCX-3の試乗車があるというのでCX-3に乗ってきました。
CX-5では大きいという人のためのモデルです。
プジョー・2008やルノー・キャプチャー、フォード・エコスポーツ、スバル・XV、日産・ジューク、ホンダ・ヴェゼルなどがライバルとして考えられます。
CX-3の売りはデミオでも好評だった1.5リッターのディーゼルエンジンですね。
デミオのディーゼルには2度試乗しましたが、このエンジンにはいい印象を持っています。
今回さらに改良が加えられたというので早速チェックしてきました。
ではでは、逝ってみましょう!^^
スタイル★★★★★
このスタイルは見事ですね!デミオだとそのサイズからマツダお得意の「魂動デザイン」の抑揚の伸びに欠けるかなと思っていたのですが、このCX-3だと成立します。
ポイントはCX-5と違ってCピラーをボディ同色とせずに後ろにイメージを流している事です。
これで寸詰まりにならず、よりサイズの大きなCX-5よりものびやかで自由な印象すらあります。
ボディ下部をブラックアウトし、18インチの大きなホイールにクロスオーバーっぽいオーバーフェンダーとホイールトラベルはボディを薄く見せる効果もあります。
ちなみに全高は立体駐車場を意識してか1550mm。この車高もあってCX-3はSUVというよりクーペの車高を上げたスペシャリティー・クロスオーバーっぽい雰囲気を持っています。
内装★★★☆
内装はベースのデミオと同じというのが少し寂しいですが、それでもベースのデミオはクラスを超えた品質感を持っているので、平均値は軽く超えてきます。
デミオと同じく格納出来ない透過式の速度計は気になりますし、ナビもスマホかタブレットのように単体として成立するデザインが与えられていますが、特に移動出来る訳でもないのは最近の傾向とはいえなかなか慣れません。
いいのはデミオと同じ感触のソフトなシートです。
サイズもたっぷりで初期のデュアリスを思わせるフレンチテイストが感じられます。
オルガンタイプのアクセルペダルもデミオと同じです。
リアシートは流石にこのサイズなので余裕はありません。
特に後席はSUVとしては足元の空間が狭く感じます。まあデミオよりも視点が高い分解放感はあります。
エンジン★★★★☆
エンジンは直列4気筒1.5リッター、ディーゼルターボ。
最高出力はデミオのクリーンディーゼルターボと同じ105馬力(4000回転)ですが、最大トルクは27.5kg-m(1600~2500回転)で、デミオに比べると2~5kg-m高くなっています。駆動は2WDと4WD、ミッションは全てのグレードで6速ATと6速MTが選べます!今回試乗したのは4WDの6ATです。
このエンジンはスタート以外はほぼディーゼルと感じさせることのない静粛性を持っていましたが、防音材をさらに豊富に与えられたCX-3だと一段と静かです。
今回新たに採用されたナチュラル・サウンド・スムーザーはピストンピンにダンパーを組み込みディーゼルノックを防ぐというものですが、アイドル時や発進時にはまだディーゼルノックが残っており、デミオと比べ明確な効果は感じられませんでした。
パワーは相変わらず十分です。特にスタートがスムーズなのはこの種のクルマにはありがたいですね。
ミッションもトルコンなので加速感も自然でストレスフリーです。
トルク感はガソリンの2.7リッター級というだけあってクラスを超えたゆとりが感じられます。
足回り★★★★
乗り心地はデミオと同様、非常にいいです。この重厚な乗り味は完全に欧州車を感じさせます。
ジュークよりもBMW のX1シリーズのような感覚です。
いわゆる味のある乗り心地です。
ハンドリングもいいです。デミオよりも大径のホイールを履きストロークも大きいですが、バンプを乗りこえた際のブレは無くバラン
スも一流です。デミオよりアンダーが少なく感じます。
しかもスタビリティも高く、SUVにつきもののボディ・ロールによる不安も一切感じません。
S字の切り返しも自信を持って行えます。
このハンドリングもBMW X1並といえます。
一方残念なのはステアリング・フィールです。
ここはデミオもですが、重心が高くタイヤも違うCX-3では一段と希薄です。
このステアリングでサスペンションの良さが大いにスポイルされます。
4WDシステムはいいですね!並のオンデマンドではありません。
マツダの4WDは、状況に応じてプリロードを掛けます。
前輪がスリップを起こす予兆の検知を入念に行い、エンジンの駆動力や車両、ステアリングの動き、ワイパーの作動などさまざまなセンサーの情報を分析し、路面状況を推測します。
試していませんが雪道でもほとんどタイムラグなくフルタイムのような安定性を確保しているといいます。
総評★★★★
この乗り味はマツダの完成形ですね。
CX-5でフルスカイアクティブになったわけですが、当初の足はまだまだの感がありました(最近のマイナーで良くなっています)。
デミオもこのコーナーでお伝えしましたが、ハンドリングは決していいとは言えませんでした。
その点、このCX-3は初めから完成度が高いです。
マツダらしいスポーティーな乗り味をSUVで持っています。
ただSUVの場合、ストロークの長いサスペンションによる鷹揚な乗り味を好む人も多いと思います。
CX-7もですが、このCX-3も完全なマツダ・ライドですからそういう人には適しません。
逆にこのサイズを利したシティランナバウトとしてはなかなか面白いと思います。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4275×1765×1550mm/ホイールベース:2570mm/車重:1330kg/駆動方式:4WD/エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ/トランスミッション:6段AT/最高出力:105ps(77kW)/4000rpm/最大トルク:27.5kgm(270Nm)/1600-2500rpm/燃費:21.0km/リッター(JC08モード)価格:302万4000円