優しさに包まれた上質な道具
今年9月のフランクフルトショーで新型が発表されたA4ですが、2008年3月から日本に導入された現行モデルもまだまだ魅力的な存在です。
今回はA4 アバント 2.0 TFSI クワトロSラインの他、2011年モデルのA42.0 TFSI(FF/CVT)も合わせて試乗しましたので、その進化と違いについてもレポートしてみます。
ではでは、早速逝ってみましょう!^^
スタイル★★★
2012年4月のマイナーチェンジでヘッドランプやグリルのデザインが変更されています。
ただ印象はさほど変わっていません。
見分けるポイントはヘッドライトの外側が吊り上っているのが旧型で、ワイドに垂れ下がっているのが新型です。
フォルムは丸く優しい饅頭のような印象ですね。
つまり破綻なくまとまっています。
どちらかと言えば女性的なイメージです。
3シリーズのような男性的なシャープさやCクラスのような新しさはありませんが、アウディならではの高品質な質感が救いです。
美しいウィンドウグラフィックや艶やかな塗装の質感などは素肌美人を思わせます。
内装★★★☆
内装も特にデザインが優れていると言う印象はありません。
インパネやステアリングもどこか丸っぽい印象で一歩間違うとダサい感じになるのですが、そこも外観と同様に圧倒的な質感がカバーしています。
MMI(マルチメディアインターフェイス)の操作性はスイッチ類が多過ぎて、結局は下を向いて操作しなければならない事や、一つの指示に2アクションを要するなど、相変わらずイマイチです。
ポジションは、このクラスとしては車幅が最大級に広いこともあってゆったりとしています。
ただし右ハンドルアウディの常でトランスファーが張り出しているために、センターコンソール側のフロアが盛り上がり、左足のあたりが窮屈です。
これはいつもながらちょっと気になりますね。
今回試乗した「S-lineパッケージ」では背もたれに「S-line」のロゴが添えられたスポーツシートとなっていましたがこれが、サイズも大きくサポートも完璧なので、ずっと座っていたくなるほどの優れものでした。
リアシートはジャストサイズと言うか意外にしっくりときて快適です。
特に背もたれの角度が絶妙で、結果きちんとした姿勢を取れるので長距離でも疲れは少なそうです。
荷室の容量はアバントで、5名乗車時490リッター、後席を倒すと1430リッターにまで拡大できます。
エンジン★★★★
直噴のL4 2リッターターボエンジンは211psと35.7kgmを発生します。
新開発の7段SトロニックはA4にスポーティーな走りをもたらします。
マイナーチェンジを機にアイドリングストップ機構が追加され、JC08モードの燃費値は13.6km/リッターです。
パワーは特に低速トルクが厚く2リッターとは思えない余裕で望みどおりの加速をします。ミッションも文句なしです。
以前のCVTも日本車のそれと比べるとずいぶんタイトな仕上げでスリップ感は比較的少なめでしたが、やはり精緻な感覚が身上のアウディとしてはSトロは欠かせません。
またCVTの方は擬似的に作られたクリープが弱く、そこから少し加速しようとすると急にドンと思わぬ飛び出しに見舞われることなどがあるのも気になりました。
まあそこから走り出してしまえばCVTのメリットである無断変速のスムーズさに身を任せてラフなアクセルワークも許容するのですが・・。
足回り★★★★
マイナーで圧倒的に乗り心地がフラットかつしなやかになっています。
特にS-lineの変化が大です。
以前のS-lineはかなり硬いイメージでしたが、マイナー後は乗り心地が素晴らしくよくなっています。
この当たりの柔らかさなら、高速のフラットさや早いステアリングワークでの安定感など、ペースの速いドライブを好む人なら圧倒的にこちらがお勧めです。
ノーマルは確かにソフトですが、動きがちょっともっさりとして古いクルマという印象になります。
まあのんびりと走るにはCVTの特性と合わせて合っている感じもありますが。。
ステアリングフィールも相変わらずいいですね。マイナーで電動化されていますがその悪癖は感じません。
オプションの「アウディドライブセレクト」をダイナミックにするとさらに引き締まった印象になりますので、ハイペースでも安心してステアリングを握っていられます。
S-lineのタイヤは標準サイズより1インチ大きな18インチになりますが、これもコーナリング性能を高めています。
前輪位置を前に出した新しい駆動系レイアウトと、基本前後トルク配分を40:60としたクワトロシステムに支えられたA4の走りは、未だにライバルに対して引けをとらないばかりその安定性においてまだまだアドバンテージを保っています。
久しぶりにA4に乗ってその熟成具合に驚かされました。
ステアリングフィールも相変わらずいいですね。
マイナーで電動化されていますがその悪癖は感じません。
オプションの「アウディドライブセレクト」をダイナミックにするとさらに引き締まった印象になりますので、ハイペースでも安心してステアリングを握っていられます。
S-lineのタイヤは標準サイズより1インチ大きな18インチになりますが、これもコーナリング性能を高めています。
前輪位置を前に出した新しい駆動系レイアウトと、基本前後トルク配分を40:60としたクワトロシステムに支えられたA4の走りは、未だにライバルに対して引けをとらないばかりその安定性においてまだまだアドバンテージを保っています。
久しぶりにA4に乗ってその熟成具合に驚かされました。
総評★★★★
S-lineのA4アバントはこのクラスにあって未だに魅力的な走りを持っています。
それはクアトロのもたらす圧倒的な安定性をベースにしたものです。
これに比べると3のドライブフィールはやはりスポーティーでシャープですが、長距離ならA4を選びたくなります。
Cクラスに対してはソフトな乗り心地で一歩譲りますが、飛ばした時の安定感は引けをとりません。
現行モデルでこれほどの実力を持つA4ですが、新型は120kgほど軽量化されているといいますので今から乗るのが楽しみです。
【スペック】全長×全幅×全高=4730×1825×1445mm/ホイールベース=2810mm/車重=1730kg/駆動方式=4WD/2リッター直4DOHC16バルブターボ(211ps/4300-6000rpm、35.7kgm/1500-4200rpm)/価格=541万円(テスト車=653万円)
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