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インプレッサ WRX STi A-Line 5AT 試乗  スバル 

ちょっと古典的な味わいのスポーツセダン
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↑タイトでしっとりしたATにはツインクラッチにはない高級感が・・。
初期より乗り心地も良くなっていて、ちょっと古典的な味わいのスポーツセダンに成熟していました。

 

86のATとMT、BRZのMTに乗ったので、残るはBRZのATに乗ろうとスバルの店に行ったのですが、たまたま代車で出ているとの事だったので、これも乗りそびれていたインプレッサのWRX STi のA-Lineに乗ってみることにしました。

WRX STiは2リッターの6MT版は体験済みですしたが、この2.5リッターのA-Line(AT仕様)は乗っていませんでしたので楽しみです。

 

3代目インプレッサのWRX STIがデビューしたのは2007年10月です。

当初は5ドアHBのみでしたが、後の2010年7月のマイナーでこの4ドアが追加されました。

 

なお5ドアHBも4ドアセダンも、5AT仕様は「Aライン(A-Line)」と呼ばれています。

価格は6MTに対し55万も安くなっていますが、エンジン以外にもパワートレインや駆動系(4WDシステムやLSDの装備など)の違いのほか、ブレンボ製ブレーキやレカロ製アルカンターラ/本革シートの有無など少なくない違いがあります。

 

スタイル★★★★
ここはミニ・レガシイみたいになっちゃった4代目に愛着の持てない人には最後のインプとも言うべきものでしょう。

特にこのセダンは比較的立ったA&Cピラーに張り出したオーバーフェンダーといった、少し古典的でコンパクトなスポーツ4ドアの美点を持っています。

 

少しリアセクションがぼってりした感じになってしまっている5HBよりも人気が高いのは剛性的に有利なスタイルというだけではないようです。

ちなみに4代目の新型はAピラー下部フロントガラスを200mmも前方へ移動しボクシーなセダンらしさは失われています。

 

実際私はVol.41で新型のスタイルに★☆の評価をしています。

この型は個人的に最も好きだった2代目の丸目に次ぐ出来だと思います。

 

内装★★★★
内装も今の4代目よりもこちらの方が遥かに本物感がありますね。

まあグレードがWRXということもありますが、レカロ風のシートもオプションでタンカラーのレザーが選べるなど、大人っぽい演出も楽しめます。

ダッシュボードも単純な水平基調となった新型に比べ、こちらはセンターから左右に跳ね上がるようなアクセントラインがあるなど、躍動感の演出もより巧みです。

そして何より適度な凝縮感があってスポーティーな印象です。

リアシートはこのサイズが信じられないほどゆったりとしています。ひざ周りの余裕は十分に実用的です。

また落ち着いた乗車姿勢やリアガラスの位置など、またこの適度な囲まれ感はHBやミニバンでは味わえない安心感があります。

 

エンジン・ミッション★★★★
エンジンはもちろん水平対向4気筒のシングルターボですが、6MTは2リッターのツインスクロール式ターボ(308ps)で、この「Aライン」は2.5リッターのシングルスクロール式ターボ(300ps)となっています。
最大トルはMTが40.8kgmを発揮するのに対し、このA-Lineの最大トルクは2800回転から6000回転までフラットで、きっちり35.7kgmです。

5AT用の2.5ターボは、現行レガシィの2.5ターボがベースとなっています。

6MT用2.0ターボのような等長等爆エキマニではなく、非等長のタコ足を使っているおかげで2.0ターボでは聞こえなくなった独特のボクサーサウンドが、僅かですがこの5AT仕様には残っているのがマニアには嬉しい部分かもしれません。実際には回せばどんどんスムーズになってしまう?のですが、アイドルから40km/hぐらいまでトコトコ走っていると僅かにボクサーサウンドと振動が確認できます。

フィールはMTのようにシャープで8000rpmまで一気に回るというタイプではありませんが十分にトルクリッチで不満はありません。

SI-DRIVEを省エネモードの「I」(Intelligent)にするとまるでファミリーカーのようにもっさりとしたレスポンスになりますが、「S」にすると流石にWRXという走りになります。

しっかりしたボディとタイトなセットのトルコンはスポーツセダンらしいダイレクトな加速を示します。

 

さらに「S#」にすると一層シャープに加速しますが、いかんせん2リッターほどの盛り上がりはありません。

それでも5ATは、A-Line用にチューニングを施したもので「ダウンシフト・ブリッピングコントロール」(回転数同期制御)を備え、なかなか巧みで素早いシフトダウンが出来ます。

惜しいのはATが5速でギアレシオが離れているため、かなり余裕を持たないと「ピー」と警告音が鳴るだけで、シフトダウンが拒まれてしまうことです。

BMWのように8速とは言いませんが、せめて6速あればワインディングで操作しやすいパドルを楽しむ機会も増えると思います。

 

また今回いいなと思ったのは、カチカチとしてドライなツインクラッチ式にはない良く出来たトルコン特有の絶妙の湿り気とタメです。

この感触はAMGや国産ならZなど、良く出来たスポーツAT特有の楽しみです。かなり高級感があります。

 

足回り★★★★
久々に乗ったWRX STiは初期の頃よりかなり乗り心地が良くなっていました。

固めた足に付き物の細かな微振動がシャットアウトされ硬いながらもフラットで快適な乗り心地です。

これなら日常で使えます。

以前に乗ったランサーエボリューションX GSRはこれよりはるかに硬く、これは街乗りはきついなと感じたものです。

またランエボはデフがしょっちゅうカリカリと鳴きましたが、WRXではそんなこともありません。

WRXはAWDと呼ばれるフルタイム4WDで4輪に分配されます。

 

A-Lineでは6MT用のDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)方式AWDとは異なり、フロントにヘリカルLSDは備わらず、リアのLSDもトルセンタイプから、よりマイルドなビスカス式となっています。

さらに「DCCD」でセンターデフの差動制限をドライバーの好みに合わせて変えるスイッチも付いていません。ですがATとの組み合わせでのバランスは取れているとみえ、物足りない挙動はありません。

むしろその快適性とのバランスで見事だと感じました。

 

サスはAラインを含む全車にアルミ鍛造製のフロントロアアームが採用されています。

さらにそのロアアームのリヤ側にあるブッシュをピロボール化したり、リヤサスペンションのサブフレームに大型ブッシュを採用したりとかなり手が込んでいます。

ステアリングを切れば、クルマの向きはフロントヘビーの4WD車とは思えないほどクイックです。

ステアリングはもう少し直進付近の座りが欲しいと感じましたが、操舵感自体は自然で好ましいものです。

確かに実用域の接地感はランエボに比べ僅かに希薄なのが惜しいですが、並みのクルマに比べれば遥かに信頼のおけるものです。

 

総評★★★★☆
とにかく315万でこの内容はやはり国産車はお買い得なのだなあと思います。

同じフルタイム4駆で333psのアウディS4は799万です。

まあ直接比較するには無理がありますが、サーキットタイム的にはいい勝負だと思います。

 

もっと直接的なところだと三菱ランサーエボリューションX GSR(4WD/6AT)で375万。

こちらはツインクラッチですが、乗り心地はインプレッサの方がいいですね。
マツダ・マツダスピードアクセラ(FF/6MT)300万なんてのもあります。

 

まあこのA-LineにM3ほどのシャープさはありませんが、ならばts(472万)やS206NBRCHALLENGE PACKAGE(593万)なんてのもありました。

コンパクトで上質な4ドアセダン自体今の日本では貴重ですが、これほどスポーティーな走りを日常的に楽しめるクルマとなるとちょっと他には思い浮かびません。

 

4代目WRXの登場も噂される時期ですが、4代目のスタイルとミッション(ツインクラッチは無さそう?)なところを見ると、これのファイナルバージョンは狙い目かなと思います。

値下がりも少なそうです。

このA-Lineで日常を楽しむも良し、カーボンルーフやアルミボンネットのS206のファイナル(出るかどうか知りませんが)でM3やRS4に拮抗するほどの走りを楽しむも良し・・。
やはりWRX STiはというかスバルはこういうクルマを作らせると本当に上手いと感じさせてくれます。

スポーティーな走りの好きな人はこのA-Line1台でかなり満足したカーライフが送れると思います。

 

【スペック】全長×全幅×全高=4580×1795×1470mm/ホイールベース=2625mm/車重=1490kg/駆動方式=4WD/2.5リッター水平対向4DOHC16バルブターボ(300ps/6200rpm、35.7kgm/2800-6000rpm)/価格=315.0万円

(※この記事は2012年8月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)

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