夏バテで更新サボってました。
最近ちょっと涼しくなってきたので復活です。
スバリスト待望の7シーター、エクシーガに乗ってきました。
走りにこだわるスバルらしく、ハイト系とせず、車高を1660mmに抑えられたワゴンのようなミニバンです。
もちろんそのレイアウトは、オペル・ザフィーラのOEMだったトラヴィックと違い、伝家の宝刀、水平対向エンジン&シンメトリカル(左右対称)AWDです。
運動性能重視のパッケージングを持つエクシーガ、ファミリーを持ってなお、走りにこだわるスバリストのハートを掴むことは出来るのでしょうか?
●概要
レガシィよりも190mm高い車高を持つ、3列7シーター・ミニバンです。
スバルの3列といえば、先のトラヴィックの他、ドミンゴや海外向けのトライベッカ等が思い出されますが、エクシーガは日本市場向けに久々に投入された意欲作です。
ライバルはストリームやオディッセイ、プレマシーといったドライバーズ・ミニバンでしょうか。
スタイル★★
このダサさがスバルと言えばスバルなのですが、なんとも垢抜けないスタイリングです。
Aピラーの位置が後ろ過ぎて今どき何で? のロングノーズになっちゃってます。
エンジン縦置きにこだわるのはいいのですが、ボンネットはもう少し短く見せてくれないと、ミニバンとしてはスペース効率が悪く、古くさく感じます。
ワイパー部分やDピラーを大きくブラックアウトするなど努力の跡も見えますが、ボンネットラインとAピラーの角度が昔のワゴン風で、ニューモデルなのに懐かしささえ感じさせてくれちゃいます。
内装★☆
これまた「やっちまったなー」です。
インプレッサでも指摘しましたが、ダッシュボードの質感はもう少し何とかなりませんか?
せめてソフトパットを使うとかこのクラスなりの配慮が欲しいです。
下品なVIP系チューナーの後付け商品ような木目パネルにいたっては、もう視界から消えて欲しいです。
メーターの青いイルミネーションやレタリングも子供っぽくて悲しくなります。
各シートの掛け心地もいいですし、この車高にしては3列目もなかなか有効な空間を得ていると思います。
後ろに行くにつれ20mmずつ高くなるレイアウトも快適性を向上させています。
せっかくのパッケージング、適度にタイトで濃密な空間が、この素材とセンスで失われるのは非常に惜しいと思います。
エンジン★★★
2.0フラット4は148psです。
アイドリングやパーシャル時は非常に静かでほぼ無音です。
ところが負荷をかけると、とたんに普通のエンジンのようにブーブー文句を言います。
ATが4速なのも今時寂しいですが、水平対向のビートやサウンドがあまり感じられないのがスバリストからするともっとも不満かもしれません。
これが225psのターボなら大分印象がよくなります。
こちらも今や振動は少なく、フラット4の鼓動はさほど味わえませんが、ATも5速となり満足出来る走りとなります。
足回り★★★★★
見た目の評価から一変、やはりスバルは走るといいのです!
その仕上がりはインプレッサやフォレスターよりもハッキリといいと思います。
乗り味は非常に締まっていて上質感を感じます。乗り心地はそれでも十分にソフトで、1列目に居る限りフラット感も十分です。
ハンドリングはフロントヘビーでアンダー感が強いのが少し気になりますが、それよりもステアリングの自然な感触と豊富な情報量、コーナーでの姿勢変化の少なさ、しなやかな足捌きといった美点が先に来て、背の高いミニバンではとても到達出来ない領域の走りへ連れて行ってくれます。
先日、褒めたビアンテをやはり車高の分? 凌ぎます。
走りに定評のあるストリームやプレマシーとタメを張ります。いや深さでは勝っています。
インプレッサでフォレスターでこけたスバルですが、今回はブランニューで開発陣も販売などから余計な事を言われなかったのか、バランスのいい走りをいきなり見せてくれました。
この部分、紛れも無くスバル久々の力作です。
総合評価★★★★
スタイルと内装を酷評しましたが、走っている限りそんなことはあまり気になりません。
それよりも、刻々と変わる路面状況を見事にいなしてくれる足回りの懐の深さと、清々しい操縦感覚に惚れました。
スポーツミニバン系でこれほど波長が合ったのはストリーム以来です。
それに、こちらの方が真面目に見えますね。ダサいとも?
実際かなり売れているようです。
まあ、この今のおっさんぽさが、大人っぽさに変わるよう育てていけば、ロングセールスも夢ではないと思います。