遅ればせながらのデミオです。
RJCカーオブザイヤーをはじめ、世界で30以上もの賞に輝いたという評価の高い小型車ですね。
軽量化に尽力し、1トンを切った車重やマツダお得意のキビキビとしたハンドリングなど、通受けするクルマですね。
同時期に出たライバルのフィットが、日本カーオブザイヤーでデミオがRJCと言うのも頷けます。
チョイ乗りでどの程度その真価を見せてくれるか? 早速乗ってみましょう。
●概略
96年にフェスティバの後を受けデビューした初代から数えて3代目ですね。
02年のフルチェンジで125mm全長が延びましたが、それでも4mを切っていました。
そして07年7月にデビューしたこの3代目は、フルチェンジの度に肥大化する小型車にあって、先代比40mm短く、55mm低いコンパクトなボディと魅力的なデザインが与えられました。
加えて徹底した軽量化の恩恵による、小型車らしいキビキビとした楽しいハンドリングで、一躍ツウ受けするクルマとなったわけです。
↑この引き締まったヒップも魅力的ですね。若い女性に乗ってもらいたいクルマの一つです。
スタイル★★★★★
ここは5つ★が与えられると思います。
ヘッドライトから続くボリューム感のあるFフェンダーなど、最近のマツダのアイコンを随所に取り入れつつ小型車なりのシンプルさとクリーンさを持っているのは中々のセンスだと思います。
カラーが13種も用意されているのも日本車には珍しいことです。
躍動感も巧みに表現されていて、ちょっとずんぐりになってしまったプジョーの107よりも107らしいほどです?
内装★★
ここは残念な部分です。
デザインはがんばっている感が伝わってくるのですが、それがコストの制約もあって少々安っぽく、且つ子供っぽくなってしまっているのです。
ダッシュや内張りはプラスチックそのものです。シートも汚れにくい素材を使っているのですが、その質感はライバルのフィットと比べても随分劣ります。
このクルマを買って生活に彩が出る気がしないのです。
まあ小型車ですから素材はいいとしても、デザインでカバーできていないのが残念です。
この辺はぜひともプジョーやフィアットを見習ってもらいたいです。
彼らは安い素材を、そのデザイン力で見事にカバーします。センスフルなモノを所有する歓び、豊かな生活を表現してくれています。
エンジン★★★
今回の試乗車は残念ながらC-Vではありませんので、ミラーサイクル&CVTではありません。
1.3リッター91ps&4AT、アイドリング時のマナーはとてもいいです。
振動も少なく、音も静かなのですが、走り出すとそれなりに「ガーガー」いいます。
音質を求めるのも酷かもしれませんが、せめてもう少し特徴があれば楽しめると思います。
ATももっさりとした感じです。
1.3はやはりマニュアルで楽しみたいですね。
足回り★★★★
ここはデミオのポイントです。
1.3でも固く引き締められていて、「タンタン」と凹凸をいなします。
乗り味は軽量ボディのため軽快で楽しいです。 4つ足踏ん張ったディメンションも安心感があり、オーバーハングもありませんから、安心して振り回せます。
5つ★でないのはステアリングがスローで、せっかくのサスをスポイルしているからです。
もう少しレシオの早いステアリングが与えられれば、このクルマのドライブはグッと楽しいものになると思います。
総合評価★★★☆
軽量ボディと足の良さが、もっさりしたエンジン&AT&ステアリングにスポイルされています。
ドライビングのリズム比で足が速すぎるのです。
ミッションならば随分印象が変わったと思います。
そういう意味でもこのクルマは昔のファミリアのような清々しいクルマです。
ホットハッチと言うジャンルが日本から消えて久しいですが、このクルマの素性の良さは将来の可能性を感じさせます。
フィアット・グランデプントのアバルトやマーチ12SRのようなスペシャルモデル楽しみですね。
デミオは確かにまっとうな小型車ですが、ファミリーユースならオヤジはフィットを選びます。
なので今後は、マツダスピード・アクセラの下を担うようなスペシャル・デミオの登場を期待します。