2007年にプントで復活したアバルトですが、今販売されているモデルは2009年に追加されたこの500と2種類です。
今回試乗した500は2種のエンジンに分かれます。
ノーマルの135psとハイチューン版の595シリーズ(160ps)です。
ノーマルのミッションは5MTのみで、595はツインエアなどと同じシングルクラッチのシーケンシャル5ATです。
また595にはオープンボディのCの他、コンペティツィオーネと呼ばれるバケットシートやスポーツマフラーを与えられたモデルもあります。
また限定車ではトリビュート・フェラーリやエディツィオーネ・マセラティの695(180ps)などもありますが、試乗したのはスタンダードな500(135ps)の5MTと595(160ps)ツーリズモ・5ATです。
スタイル★★★★★
ココは文句なしでしょう。
ノーマルでも初代の可愛らしさをそのままに、しかし現代的にアレンジされた見事なスタイルになっています。
このスタイルはどこも触るところが無い出来ですね。
アバルトではスポーティーなスパイスが効いています。
伝統のサソリのエンブレムやカラーリングで適度にアバルト流の毒と牙が与えられています。
このアレンジ加減がまた絶妙で見事に大人の男性が乗っても恥ずかしくない趣味車に仕上げられています。
ちょっと生意気な感じが、しかし微笑ましいというか、憎めない感じ。
怒ったフレンチブルみたいな愛嬌があります。
国産車はコレができないのですね。
日本車の場合、小さいクルマで頑張っちゃうとどうしても子供っぽくなったりしてとてもいい大人が乗れた代物ではない、といったクルマになってしまうのですが、アバルトの場合そのさじ加減は流石です。
正にイタリアのデザイン力を見る思いです。
カラーがツートンになる595もいいですね。
内装★★★★☆
ココも素晴らしい!ステアリングは下部をフラットにしたD型でシフトノブはアルミ削りだしです。
夏はちょっと熱くなりそうで怖いですが、フィット感は良く操作性は上々です。
シートは2013年1月にこれまで標準だったレザーシートをファブリックシートに、フルオートエアコンをマニュアルエアコンに替えるなどして、295万円だった価格を269万円に下げられています。
コレは嬉しいですね。
もともとこの種のクルマは、自分好みのチューニングやドレスアップをする人が多いのでベース車両は安いにこしたことはないです。
メーターのカバーには本皮が奢られています。
ただ昨年まではここに赤いステッチが入っていました。
リアシートも分割可倒式だったのが一体式になったりヘッドレストが省かれたりしています。
リアシートは私の身長(177センチ)ではヘッドクリアランス不足で頭が当たります。
オープンのCならあけることで解決ですが。
またテレスコの無いステアリングは、シートをペダルに合わせるとイタリア的にステアリングが遠くなるので、背もたれを立て気味にする必要があります。
問題はヘッドレストですね。
しかし流石にこれはやりすぎと判断したのでしょう。
セールス氏曰く次の入荷モデルからリアのヘッドレストが装着され、分割可倒式も復活するらしいです。