今年乗ったクルマで一番欲しいかも!
2年前のアバルト695トリブート フェラーリ(569.5万・限定1696台)に続いて第2弾とも言うべきコラボモデル、アバルト695 エディツィオーネ マセラティに乗ってきました。
今回は世界限定499台中100台がなんと日本に割り当てられるといいますが、既にほぼ完売状態とか!
アバルトは以前にこのメルマガでもVol.97で500・5MT(135ps)と595ツーリズモ・5AT(160ps)をお伝えしましたが、今回はフェラーリ版と同じ(180ps)のハイスペックです。
しかも課題のシングルクラッチのシーケンシャル5ATのシフトスピードも大幅に速められているというではありませんか!価格もフェラーリ版には無い電動のキャンバストップを備え499万!まあ高いと言えば高いですが、マニアにとってはなかなか魅力的な1台です。
スタイル★★★★☆
ココは文句なしです。
ノーマルでも500の可愛らしさをそのままに、しかしさらにスポーティー且つ高級なスパイスを効かせた見事なものです。
カラーはマセラティと同じ3層メタリック塗装“ポンテヴェッキオ・ボルドー”1色です。
ポンテヴェッキオはご存知の通りイタリアにある橋の名前ですね。
大阪ではイタリアンレストランや心斎橋にある宝石屋さんの名前としても有名です。
ホイールも専用品です。
デザインはマセラティのエンブレムであるトライデント(三叉の銛)をモチーフとしたものでなかなかカッコイイです。
タイヤサイズは前後とも205/40R17。284mmのブレーキディスクやグレーのブレンボ製ブレーキキャリパーが覗くのもそそります。
とにかく全体のアレンジ加減が絶妙で見事に大人の男が乗っても恥ずかしくない趣味車に仕上げられています。
ちょっとドレスアップして生意気な感じが、しかし微笑ましいというか、憎めない感じです。
国産車はコレが下手なのですね。
日本車の場合、小さいクルマで頑張っちゃうとどうしても子供っぽくなってとてもいい大人が乗れた代物ではない感じになってしまうのですが、流石に多くのブランドをコントロールしているフィアットのさじ加減は見事
です。
内装★★★★★
ココもマセラティと同じ材質というサンドベージュのレザーシートが大人っぽさを演出します。
オーディオは9個のスピーカーを備えたJBLのオーディオシステム(400W)が装着されています。
このあたりも走りに特化したフェラーリ版よりもラグジュアリーなマセラティの特長です。
それにしてもこの本物の質感はサイズの枠を超えています。この内装をみると500万が高くないと感じてしまいます。
こんなクルマは日本にはありません。世界的にもアストン・マーティン シグネットぐらいでしょうか。
エンジン・ミッション★★★★☆
アバルトのエンジンは全て楽しいですがこの695は流石に強力ですね。
高速で一気に引っ張るシャープさはちょっとこのサイズでは他にライバルが思い当たりません。
エンジンは1.4リッター直4ターボ。ギャレット製1446を備え、「トリブート フェラーリ」と同じ180psと25.5kgmを発生します。
サウンドは重低音で迫力のある音です。
これはアバルトお得意の2ウェイバルブを採用したエキゾーストシステム「レコードモンツァ」よるものです。
流石に本家のマセラティのように色気のある高音のマルチサウンドを謳うわけではありませんが、アバルトの中では1番のハイチューンですから痛快なサウンドを響かせます。
それはほぼフルオープンになるキャンバストップをオープンにするといっそう楽しめます。
また今回いいなと思ったのは、低速ではアクセルをラフに扱ってもギクシャクしない事ですね。
これは大きなターボを与えた事で低速トルクが無くなっていることの裏返しでもあるのですが、街乗りでまったく気を使うことなく乗れます。
そして件のシングルクラッチ・ミッションもこの種の中で1番スポーティーに感じました。
タイムラグはスポーツモードで回している限りほぼ気になりません。
それどころかブレーキングやシフトダウンの度に“フォンフォン”と綺麗にブリッピングを入れてくれるあたりはなかなか楽しいし見事だと感じました。
足回り★★★★
乗り心地も大人っぽいですね。
ボディは十分にしっかりとしていて、路面からのショックや振動がハーシュネスとして残ることはありません。
硬いながらも実にしなやかで高級感に溢れています。
このあたりはマセラティの乗り味を意識しての事でしょう。
ノーマルも良かったですが、飛ばせばアバルトの中で一番快適です。
ゆっくり乗っても595よりも快適なほどです。
足はコニのショックアブソーバーと、ブレンボの4ピストンブレーキキャリパー(前輪)、およびドリルドベンチレーテッドディスクで固められています。
ブレーキのフィールも素晴らしいですね。
がっちりとしていてキャパも十分、信頼に足るものです。
そしてハンドリングですが、トリッキーな面が無いので安心して飛ばせます。
確かにステアリングのレシオは早いですが、足はもっとシャープでもいいと感じたぐらいです。
乗り心地がいいので丸く感じるだけかもしれませんが。。
総評★★★★☆
今年に乗ったクルマの中で1番欲しいと感じたクルマですね。
ブランドビジネスと分かっちゃいるけど欲しい!
だって、乗って楽しい、見て楽しい、所有して嬉しい!こういうクルマはなかなかありそうでありません。
しかも屋根も開く!
このクルマの相棒はマセラティである必要はありません。
例えばレンジローバーと2台持ちとか最高じゃないですか?
それにしてもこういう趣味性の高いクルマをさらりと作れるのがフィアットグループの凄いところですね。
次はランチアかアルファとのコラボもやるのでしょうか?
どんな乗り味になるのか?クルマ好きとしては楽しいクルマを出してくれるのは大歓迎です。
【スペック】ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3655×1625×1505mm/ホイールベース:2300mm/車重:1160kg/駆動方式:FF/エンジン:1.4リッター直4 DOHC 16バルブターボ/トランスミッション:5段AT/最高出力:180ps(132kW)/5500rpm/最大トルク:25.5kgm(250Nm)/3000rpm/タイヤ:(前)205/40ZR17 84W/(後)205/40ZR17(ミシュラン・パイロット エグザルト)/燃費:–km/リッター(JC08モード)/価格:499万円
(※この記事は2013年7月に書いたものです。有料版の記事の一部を加筆訂正し約1年遅れで配信しています。)