ずば抜けた品質感と完成度!!
危うく衝動買いしそうになりました。
試乗オヤジは初代MINIクーパーSの6MTに乗っていたこともあり、新しいMINIは興味深々なのです。
新型クーパーSの6MTは発売当時、1年前に試乗したことがあったのですが、今回は後で追加されたATに乗ってきました。
これが素晴らしく良かったのです!
この1年でまたまた驚くほど良くなっていました!
最近、なぜか射程外だったMINIですが、危うく衝動買いしたくなるほどの出来でした。
●概略
先代2002年デビューの「BMW MINI」は、当初コンサバなファンにこそ異議を唱えられたものの、その絶妙なスタイリングと性能ですぐに世界中から好意をもって受け入れられました。
また女性や若者など新しいファンを掴んだ事はその販売台数が証明しています。
中でもオヤジが乗っていた「クーパーS」は実にとんがったクルマでした。
クラスを超えた圧倒的な質感と剛性感を持つボディ、ゴーカートと称された刺激的なハンドリング、クライスラー製の1.6リッターのスーパーチャージャー・ユニットは「ギャイーン」という唸りを響かせ、内臓の上下が分かるほどに突き上げのきつい乗り心地もやんちゃそのものでした。
しかも、小さいながらもこの骨太なボーイズレーサーは少々強引にねじ伏せるようなドライビングを要求しエンスージアストを楽しませたものです。
オヤジはその突き上げのきつい乗り心地に耐えかね、1年ほどで手放してしまいましたが・・。
この2006年(本国)発売の新型のエンジニアリングはよりBMW色が濃くなっています。
エンジンはスーパーチャージャーからターボに変更され、馬力は170psへ強化、実用燃費も向上しています。
オリジナルミニをモチーフとしたファンカーとして一部の隙もないデザインだと思います。
2007年に追加されたクラブマンも観音開きのリアゲートや小さなリアドアなど見事な出来です。
そしてこのデザインを支えるのがBMWのクオリティーです。
塗装の艶やボディの立て付けなど、ぜひ一度ショールームで見て下さい!
にわかに信じられないかもしれませんが、BMWの1シリーズや、並みのベンツより遥かにいいほどです。
クラブマンの小さなリアゲートも上質なダンパーに支えられ「スー」っと開きます。
「カチリ」閉まる硬質なドアの音も久々に930時代のポルシェ911を思い出したほどです。
新型になって僅かにコストダウンの形跡が見られるのがこの部分です。
メッキ部分がプラスチックになったりしているのが旧型オーナーには気になりますが、それでも他と比べるとやはりデザインも上手く文句無しです。
オプションの豊富なこと、カラーを選べることも趣味性の高いクルマならではの愉しみです。
このエンジン、ATと組み合わせてもトルク漲りまくりです。
どこから踏んでもまるで大排気量車のような力強さでグイグイ走ります。
その時、重厚なフィールが伴うのもクラスを超えた高級感があります。
ミッションはシフトフィールの良くない6MTよりもステアリング・パドルシフト付きのATの方が楽しめます。
発信時、超低速のトルクが不足しているのは先代同様です。そこから急激に立ち上がる特性ゆえ、アクセルワークに若干気を使いますが、それ以外はパーフェクトです。
足回り★★★★★
先代と比べ何より良くなったのが乗り心地です。
塊のような剛性を持つボディと共に安定感も抜群で乗り心地は圧倒的に上質です。
1年前に比べ随分完成度が高まっています。
これほどの乗り味のクルマは久しぶりです。
ブレーキの効きタッチも抜群で、赤信号さえ楽しくなるほどです。
その分、止まる寸前のコントロール性などは日本車に及ばず、スーっと止まるのが難しいですが、この気持ちよさを知れば、そんなことはもうどうでもよくなります。
ステアリングも正確で充実しています。小さなボディをこのステアリングで操っているとドライブがとても楽しいです。
久々の満点、5つ★です!
小さいのに高級なクルマは長く持っていて楽しいものです。
ベンツが実用車になってしまった今A・B・Cクラスは全く問題外!
小さな高級車といえばそのセンスとデザインでランチア・イプシロンやフィアット500、VW・ビートルがライバルと言えるかもしれませんが、ボディのしっかり感、走りを含めた品質ではMINIがはっきり一頭抜けています。
フィアット500と比べ、オヤジが乗っても気恥ずかしくないキャラも魅力です。
カラーやオプションが豊富なのも大人のクルマ道楽を愉しませてくれます。
今回ショールームにあったクラブマンのブラウン&ブラックのツートンにオプションでチョコレートカラーの革シートが真剣に欲しいと思ってしまいました!
これなら長く飽きずに乗れそうな気がします。
このダックスフンドのようなクルマと暮らしてみるのも悪くないかと思ってしまったのです。
日本には残念ながら、いまだこうした楽しみを与えてくれる小型車はありません。