なんか“やっと出てきたか!”って感じですね。
ティザー逆効果だったって 感じですが・・。
エンジンは全て直噴ターボで1.6と2.0の2種、ドライブトレインが全て4WD でボディもワゴンのみというのはスバルらしいところです。
今のところ国内 専用モデルです。
試乗したのは1.6のGT-S、つまり1.6のビルシュタインダンパー付モデルです。
スタイル★★★☆
ボディは、現行型「レガシィツーリングワゴン」比で100mm短く70mm低いです。
ちょうど同車の先代モデルに近いサイズ。
やはり日本ではこれがジャストサイズですね。
スタイルも現行レガシィのような大味な印象でもなく凝縮感もあります。
ボンネットのエアインテークがWRXぽい感じもあってなかなかスポーティーです。
フォルムはセオリー通りというか特徴はありませんが、その分バランス良く 破綻はありません。
スバルらしい無骨さも感じられるので及第点と思います。
内装★★
内装は質感に留意したというだけあって頑張っている感は伝わってくるので すが、いかんせんデザインが相変わらず垢抜けない感じです。
各部にあしらわれたブルーのステッチや、シルバーカーボン調の加飾パネル、 アルミペダルなどは、BMWを研究したといいますが、なにぶんコストの問題 もあって質感が伴っていないのでまとまりの悪さを感じます。
操作性もステアリング左右に類似したスイッチが多数並べられていて戸惑い ます。
内装色はブラックとアイボリーの2色というのも平凡。
試乗車にはオプション の本革シートが付いていましたが、スバルの革はいつもながら安っぽいので 標準のファブリックとトリコットの組み合わせの方がいい気もします。
リアシートは6:4の分割可倒式で、3段階リクライニング機能も付いています。
スペースも十分です。
またラゲッジルームは、後席を起こした状態で522リッターの容量を確保し 「レガシィツーリングワゴン」(520リッター)も上回ります。
このあたり は後発の強みでしょうか。 質感はともかくワゴン作りになれたスバルだけあって機能的には優れたワ ゴンです。
エンジン・ミッション★★★
最高出力170ps、最大トルク25.5kgmを発生する新開発の1.6リッター水平対 向4気筒直噴ターボエンジンを搭載します。
もちろんアイドリングストップ機構を採用しており、燃費は16.0~17.4km/ リッター(JC08モード)。
レギュラーガソリンに対応というのもポイント です。 パワーはまあまあ出ていると思います。トルクのツキが悪く感じるのはい つものCVTが足を引っ張っているわけですね。
後述するせっかくしまった足 とのリズムが取れず残念の極みです。
2リッターならパワーがある分ましになるかと思いますが、他のレポートや 以前のレガシィの経験から言うとまだまだ納得できるものではないようです。
またせっかくの水平対向のフィールが感じられないのも最近のスバルの寂 しいところです。
とにかく効率を詰めネガを消してゆくと“味”という部 分が薄くなるのは仕方ないかもしれませんが、ファンにはこれも残念な部 分です。
安全運転支援システムの「アイサイト」は第3世代に進化しました。
緊急自 動ブレーキによる追突回避可能速度を高め「最高約50km/h」たり、ステア リングアシストによる運転支援機能を追加したりと、大幅な機能の向上が 図られています。
ここは大きなセールスポイントになりますね。
足回り★★★★
サスペンションセットは2種類。
標準的仕様の「GT」に対して、試乗した 「GT-S」はフロント側にピロブッシュを封入した鍛造ロワアームや、ビル シュタインダンパーなど、走りの精度をより高めたパッケージとなってい ます。
タイヤもGTの17インチに対し18インチが標準です。
確かに足は締まって います。乗り心地も悪くありません。
一言で言って良く出来た欧州車のよ うなフィールです。
問題は電動パワステのフィールでしょうか?どうにも人工的というか、せ っかくのボディ剛性がダイレクトに伝わりません。 ブ
レーキはコントロール性も良く問題ありません。欲を言えばサスとのバ ランスでもっとがっちりとした剛性感があればいいと思います。
総評★★★☆
多くのスバルファンは“レガシィが帰ってきた”と思うのではないでしょ うか?そのサイズと成り立ちはファンが長年親しんだレガシィそのものだ からです。
私もレヴォーグには確かにその実力が備わっていると思います。
ただ今の CVTやパワステのぬるいドライブフィールでは私は欲しいとは思いません。
XVのようにハイブリッド化して加速のアシストで同調するとか、いっそア ウトバックでも作ってゆったりしたドライブを楽しむとか・・。
もちろん 本命のWRXの登場を待つのが一番かもしれません。
足の仕上げには満足ですがそれでもこのクラスならアテンザを選ぶかな。
アイサイトは魅力ですが、アテンザのゆったりとしたフィールとスポーテ ィーのバランスには大人を感じます。
レヴォーグは登場が遅れたのできっとかなり煮詰めて出てくるものと思っ ていましたが、少し期待値が大きかったのかもしれません。