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レガシィ B4 2.0GT DIT (4WD/CVT)  試乗  スバル 

まだまだこんなもんじゃい?
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今回から“よりズバズバいきますよ!”なんて宣言しておきながらいきなりファンの多いスバルのそれも基幹車種であるレガシィを取り上げるのは別に踏み絵でもマーケティングでもなく単に気になったからです。

 

レガシィはVol.19でも取り上げましたが、その時の印象もはっきりと良くなかったので気になっていました。こんなものではないはず。

もっと熟成されれば・・と思っていました。

 

だって先代のB4の後期のSI-DRIVEをS#にした時の走りの切れ味は確かにスバルファンならずとも唸らせるものがありましたから。

しかも今回はあのBRZのエンジンにターボを付けて2.0で300psを発揮するニューエンジンが搭載されたというではありませんか!

これは誰がなんと言おうと乗らなければなりません。

 

スタイル★★

 

ここは何も変わっていません。

全長×全幅×全高=4745×1780×1505mm、ホイールベース=2750mmというアメリカ仕様の巨漢は未だにこれがレガシィと認めたくない部分です。

 

特に1505mmという車高はスポーツセダンと矛盾しますし、何よりせっかくの低重心のボクサーエンジンを活かしているとは全く思えないパッケージングです。

 

フロントは吊り上ったいびつなライトだし、一転リアは旧GSみたいな洒落た丸みのあるコンビネーションランプだったりで統一感もありません。
まあフロントはこのいびつさがスバルらしさと取れなくもありませんが、はっきり言って美しいわけでもなくまったく好みのスタイルではありません。

 

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内装★★

 

内装も相変わらずですね。

いいかげん黒一辺倒の旧態然としたセンスはどうにかならないものでしょうか?

今回シートに青のステッチが入れられたのが唯一洒落っけの感じられる部分です。

ただシートのデザイン自体は単調で相変わらず面白みのないものです。

 

またドアパネルやダッシュは流石にインプレッサほど安っぽくはありませんが、とにかく色使いが単調で質感の演出も下手です。

せっかく荒れた路面でもミシリともいわない品質を備えているのにそれが見た目に伝わってきません。

シフトゲート周辺のデザインも単調で間延びしているのもスポーティーカーとしては間抜けな感じです。

 

ゆったりセダンになりたいのかどっちなんだ?と聞きたくなる内装です。

良くなったのはステアリングにSI-DRIVEのモード切替スイッチが移った事です。
これで切り替え時に視線の移動が少なくて安全に操作できるようになりました。

 

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エンジン・ミッション★★☆

 

これまでスバルのフラット4はロングストローク型のFBとショートストローク型のEJがありましたが、これにこのBRZで登場したスクエア型FAが加わり3種になりましたね。

NAのFA20との違いは、NA(BRZ)がトヨタの直噴技術であるD-4S(筒内直接噴射とポート噴射を併用)が用いられているのに対し、こちらはスバル独自の筒内直接噴射のみに改められています。

DITとはダイレクト・インジェクション・ターボの意味ですね。

 

今や世界の主流ともいえる直噴ターボ化によって長年レガシィの弱点といわれた燃費もJC08モードで12.4km/リッターがうたわれています。

そして件のミッションですが、これは残念な事にリニアトロニックと呼ばれるCVTしか設定がありません。

インプレッサの時にも“全然リニアじゃない”と酷評したCVTです。

 

まあこのスペックからある程度は予想していましたが、結果予想通りの乗り味でした。

確かに300馬力のターボパワーは豪快です。

でもそれがこのCVTによって意のままにならないのが全てです。

ツインクラッチやタイトなトルコンが叶わぬならせめてマニュアルで乗りたいところですがその設定もありません。

SI-DRIVEも各モードの差が何故か以前ほど体感できません。

 

IからSにすると確かにCVTも低付加ではかろうじてタイトになります。

でもSとS#はもっとはっきり変わってもいいと思います。

メーターのトルク曲線によるとピークパワーは変わりませんが、中速トルクはぐっと厚くなっているはずなのに実感が無いのは絶対値こそ変われど、トルクのツキなどレスポンスの部分で変化が少ないからではない
でしょうか?

 

先代のB4ではこの部分が明瞭でパワーは少なくてもはっきりとレスポンスが向上し、気持ちのいい走りが出来たものです。

とにかくこのパワートレインはどのモードでもですが、全開にするとターボパワーによって予想以上の勢いでスピードを乗せます。

ただアクセルを戻してからも少し加速が残ります。

 

CVTのレスポンスの悪さがこれを助長します。

まるでターボラグの大きな出来の悪い旧世代のターボのように“ギュイーン”と加速してその後“ふっ”と車体か軽くなるような嫌な余韻が残ります。

これならパワーは無くともトルクのツキのいいNAのFA20方がいいなと思ってしまいます。

思い通りのスピードにコントロールがし辛いというのは加速の絶対値よりも、スポーティーの度合いとしてはよほど致命的です。

レスポンスの良さやリニアな加速は気持ちのいいドライビングのためにはパワーより先にあるものでなくてはいけません。

また細かなところではアイドリングの振動がかなり大きいです。まあ前述のCVT&パワー特性からするとたいした問題ではありませんが・・。

 

 

足回り★★★

 

足回りもエンジンと似たキャラです。

低速では十分に締まっていて“オーこれはもしや!”と思ったのもつかの間、フルスロットルを与えるとステアフィール共々途端に不安になります。

車高の高さによる不利なディメンションもですが、その重さとぬるいストローク制御から高速域ではピッチングとローリングを誘発しそのパワーに対してボディコントロールははっきりと上手くありません。

 

電動ステアリングもデビュー当時よりは大分シュアになりました。

それでも人工的な演出は見られますし、飛ばしたときの信頼感は全く不足します。

14.5という速いレシオも高速では仇になっている感じです。

落ち着きが足りません。

 

ココも先代の方が完成度は高かったと思います。

確かにこれがトヨタのセダンなら頑張ったといえるレベルにはあります。

乗り心地も飛ばさない限りはこれほどしっかりしたフィールの日本車もなかなかあるものではありません。

つまりスバルはこんなものではないと思いたいです。

 

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総評★★

 

でも2.5のターボよりもパワーも価格も上のこのDITモデルはレガシィのということはスバルのフラッグシップたるモデルです。

エセスバリストの私でもそれがこの出来では納得がいきません。

これなら80万安い2.5のNAの方がいいかと思ってしまいます。

 

このDITは下手にパワーがあるだけについ飛ばしたくなるのですが、飛ばしても何いいことはありません。

NAのFA20と違って音も人工的で快音はありませんし、とにかく飛ばすと嫌な面、アラしか見えません。

4WDなのにたかだか?300psのパワーを支配しきれていません。

 

あー、また言っちゃいました!!今回も熱心なスバリストの方からお叱りのメールが届くかもしれません。

確かに343万はバーゲンですが、もう少しコストをかけてもミッションとシャーシを煮詰めて欲しいです。

今後のSTIやS402のような仕様の登場を期待するしかないのでしょうか?

 

 

スペック: 全長×全幅×全高=4745×1780×1505mm/ホイールベース=2750mm/車重=1560kg/駆動方式=4WD/2リッター水平対向4 DOHC16バルブ(300ps/5600rpm、40.8kgm/2000-4800rpm)/価格=343万3500円

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