期待していたのだけど
またまた、フランス車ですみません。好きなもので。
今回はルノーのグランセニックを借りることが出来ました。307SW、C4ピカソとは三つ巴のライバルですね。
でも、C4ピカソが出た後では、やはりちょっと普通っぽいというか、はっきり言って見劣りしちゃいますね。
何か見つかるかもしれません?
●概要
メガーヌのプラットフォームをベースにつくられた、3列7人乗りのシートレイアウトを持つミニバンです。日本では2005年のデビュー。
エンジンは2リッターで279万ほどの価格も戦略的でした。
スタイル★★★
スタイルは良くまとまっていると思いますね。
メガーヌの流れを汲むエッジの効いたリアセクションをソフトなフロントから破綻なく纏めています。
まあ、その分ちょっと国産車みたいな感じになっちゃってますね。
特に前からだと関係の深い日産のNOTE大みたいな感じに見えなくも・・・。
もちろんアヴァンタイムほどのインパクトはありませんが、これはスペシャリテではないのでそれはそれです。
少しの洒落っ気と、フランス車らしい優しさのあるフォルムは、イバリ系の横行する国産のミニバンとははっきりとしたセンスの違いを見せてくれます。
↑便利なガラスハッチを備えるのも実用性にこだわるフランス車の美点ですね。
内装★★★
ココも悪くはないですがもう少しがんばって欲しいですね。
なんたってフランス車なんですから!
まあ、ダッシュから生えたシフトやスイッチ式のパーキングブレーキ、エスパスの流れを汲む未来的なインパネは「とれびあーん」です。
がんばって欲しいのはシートですね。
3列とはいえもう少しサイズが欲しいところ。
せめて前席だけでもたっぷりとしたサイズを与えてくれたら、それだけで贅沢感がグッと上がったと思うのですが?
デザインもフランス車としては退屈で眠たくなります。
メガーヌと同じ、2リッター、133psに200キロ重いボディではそれなりの走りしか出来ないですね。
ATが4速なのも辛いところです。クルーズ時にまあまあ静かなのはいいですが、フィールに面白みはありません。
まあ、本国ではディーゼル&マニュアルが主力ですから・・・。
聞くところによるとそちらは力強く、しかも愉しいそうです。
そちらの乗り味がうらやましい。
それにしても「日本のディーゼル悪玉説」そろそろどうにかなりませんかね?
足回り★★
今回、最大の失望がこの部分でした。
ルーテシアやラグナ、セニックなどの経験からルノー・ライドを信用していたのですが、どうしたことでしょう?このクルマにルノーの光は射していませんでした。
背が高く、確かに重心が高いかもしれません。
でも、この左右の細かなふらつきはなんなのでしょう?
かなり気になります。
ピッチングではなく、ロール方向のだらしないふらつきが付きまとい、ピシッっとしないのです。
あのカングーを作るメーカーとは思えない違いです。
フランス車にはドイツ車とはまた違ったフラットライドが存在するのですが、このクルマは重く背の高いボディを抑え切れていない印象です。
ステアリングも電動パワステで軽いのですが、フランス車に期待する路面の情報伝達はありません。
つまりリニアリティーに欠ける感じです。
カングーなら写真のようなザラザラした路面だと“くるみ”でなくとも、小石を踏んでも(右フロントの外側2センチで踏んだなとか)その感覚を掌に伝えてくれるものなのに。
これはなんだかトヨタ車みたいなフィールでした。
グラちゃんの名誉のために加えるなら、手荒く使われた試乗車ゆえ(走行18000キロ)ダンパーがヘタッテいたのかもしてませんし、タイヤの空気圧がばらついていたり、規定値でなかったのかもしれません。
また高速にも乗っていないので得意の高速性能もなんともいえません。
「1000キロ走っても疲れない!」ってCMしてるぐらいですから、もしかして高速になると驚くようなフラットライドを呈する?なんて事だったらこのクルマの評価は一気に変わることになるのですが?
フランス車好きのボクは、実はこのクルマはとても期待して試乗しました。
中古なら早くも200万円を切ったクルマがあります。
C4ピカソはまだ高いし・・・、フランス車で実用的なミニバンは、この他にはプジョーの307SWしかないのですが、307は少しドイツ車よりになった乗り心地にちょっと冷めていたので。
第一印象というかカタログ&ショールーム・レベルではとても良かったんです。
この適度なサイズに見晴らしのいいポジョン、ボクにとって不要な3列目をすっきりと収納できるのもGoodです。ダブル・サンルーフや、リアのグラス・ハッチ、ピクニック・テーブルや、センターコンソールから生えたシフト・・・、そうしたディメンションも購買意欲を掻き立てました。とにかく見た目の性能はなかなかのもの。
お洒落で料理も上手な家庭的な女性に見え、ついつい求婚したくなってしまったのです。
でも、どうにもこうにも市街地でしゃきっとしない乗り味が全てでした。
フランス車に期待する足回りの圧倒的な重量感や正確で骨太なステアリングフィールがないのです。
どんなにバンビーなコーナーでもステアリングだけで突っ切っていくようなあの感覚。
ボクが実用車であっても、いやだからこそ?フランス車に求めるあの少々強引な走りのダイナミズムが・・・。
乗り心地は確かにソフトで当たりは柔らかい。
このクラスにしてハーシュネスには無縁でいられるぐらいのものは持っています。
それでもこの程度なら国産車でもいいしね。
クルマはやっぱり乗ってみなくては分かりません。
試乗を終えると、同じメガーヌでもショールームにあったスポールの方にすっかり興味が移ってしまいました。