コンパクトクラスのSUVほど便利なクルマはありませんね!
市街地では視界が良くて荷物も載せられて、多少歩道に乗り上げても大丈夫だし、道端に止めて休憩する時にもその高さが歩行者の視界をさえぎってくれます。
X3が古くなった今、このクラスで最も魅力的なクルマがQ5ではないでしょうか?
●概要
小型プレミアムSUV市場を独占していたX3のライバルとして開発されたモデルです。
3シリーズに対するA4のようにアウディが名指しで真っ向勝負を挑んだ力作です。
このクラスには他にもティグアンやフリーランダー2、GLK、クレオス、エスケープ、国産ではRAV4やエクストレイル、CR-Vなどもありますが、プレミアムクラスとして一頭抜きん出た存在になっています。
スタイル★★★★
サイズは全長4630×全幅1900×全高1650mm。
A4を上下に伸ばしたようなちょっとずんぐりしたスタイルです。SUVとしてもまとまっていますが何よりアウディらしくクリーンで都会的なイメージになっているのは流石です。
アイコンであるLEDのテールランプなども高級感の演出に一役かっています。
内装★★★★☆
アウディのことですから内装はいつも精緻で素晴らしいのですが、このQ5も例外ではありません。
写真のベージュ系はあまり好みではありませんが、ブラック系はなかなかのものです。
ダッシュのメーターリングやイルミネーションは昼間から華やかですし、スイッチ類のタッチにVWとの差を感じます。
まあその分高いので当然といえば当然ですが、その違いが分かる人にはその価格差は十分に納得の出来るものだと思います。
エンジン★★★★★
この2.0のドライブトレインの出来のよさは恐るべきものがあります。
211ps/4300-6000rpm、35.7kgm/1500-4200rpm&7速DCTです。
このボディに2.0と聞くとアンダーパワーを想像しがちですが、まったくもってスポーティです。
アウディドライブセレクト(44.0万円のオプション)のスイッチをスポーツにすると、足の固さと共にステアリングのギアレシオやエンジンのシャープさまで変わります。
ノーマルでも効率のいいDCTがどんどんショック無しにシフトアップし、効率的な加速をしてくれます。
さらにスポーツにするとグッとアクセルレスポンスがダイレクトになり右足とボディが直結します。
普通はこれほどこまめにシフトされると、ギクシャクするものですが、このクルマの場合あまりの機械的洗練にため息すら漏れます。
信頼性もまったく問題なさそうなので安心して機械に身を任せられます。
それほどにこの2.0ドライブトレィンは完璧です。
とにかくこの2.0の制御を知ると、よりスムーズでパワフルなはずの3.2がダルに感じます。
確かに同時に試乗した3.2はスムーズで高級ですが、2.0があまりに出来がいいので積極的に2.0を選びたくなります。
2.0TFSIエンジンはトルクで3.2を上回っています。インターナショナル・エンジンオブザイヤーを4年連続で受賞した名エンジンをベースに改良されただけのことはあります。
足回り★★★★★
これまた素晴らしい出来です。
アウディドライブセレクトがどの位置にあっても乗り心地は1枚シルクを被っていて、いかなる場面も直接的ショックを伝えません。
BMWのダイレクトな感覚もスポーティーですが、アウディはこのクラスで7のようなディーブでぬめった乗り心地を実現します。
格上のX5ですらアダプティブ・ドライブのオプションを加えないと得られない領域の高級な乗り味です。
さらにスポーツを選ぶとこのSUVがまるでS4のようにダイレクトなフィールに変身します。これは楽しめます。1台で何通りもの顔を見せてくれます。
総合評価★★★★☆
久々にアウディの実力を思い知らされました。
このクラスでこの乗り味はなんなんだ!!
特に乗り心地ではX3はもちろん、ノーマルのX5をも完全に上回っています。
VW&アウディ系の小排気量過給直噴エンジン&縦置き7速DCTと洗練のシャーシ技術は完全にドイツ車の下克上です。