「試乗オヤジ」が子供のころは日野のRT型の爆音でバスの接近を感じたものですが、最近のバスは随分静かになって乗り心地も良くなりました。
スタイル★
日本の市バスってどうしてどれもこれもわけの分からないストライプ入れて走ってるんでしょうか?
京都の観光地には緑色のクラシックタイプのバスもありますが、普通のバスももう少し街の景観を意識したものにならないでしょうか?
その点、海外ではバスは街の景色を作るという認識からか洒落たデザインのものも多く、バスを見てその都市をイメージするということも少なくありません。
内装★
これもご覧の通りで、そこにデザインなんて言葉はありません。
ただただ適当に適当な椅子を並べただけで、デザイナーが椅子のデザインやモケットの柄を吟味した形跡はまるで感じられません。
そもそも市バスを作るメーカーにインテリアデザイナー自体いるのでしょうか?
このあたりも海外のバスとの違いですね。
海外で空港から迎えに来るバスの中にはたまに「おっ」っと思うような配色の柄や洒落たデザインのシートもあったりして、クルマ好きとしてはそれだけで嬉しくなってしまうほどです。
エンジン★★
800から1600回転辺りが実用域の超低速型ディーゼルです。
リアに搭載され、電気信号式のマニュアルミッションでシフトします。
長いリンクを使うことがなくなったので、昔のようにテコを利用したフロアから生える長いシフトももちろんありません。
5MTを手元で「コクコク」やっているのは傍目にも楽しそうです。
92年辺りから採用されたこれを一般にフィンガー・コントロール・トランスミッション(FCT)と呼んでいます。
現在新しく導入されているものは全てATとなっていますが、京都での普及はまだ2,3割です。
観光バスに比べ、遮音材も少なくマウントも硬いのでしょう。振動も騒音もそれなりです。
それでも昔のように一番後ろはうるさくて座ってられないというほどではありません。
低速トルクが「モリモリ」で低いギアリングとともに市街地でのパワーが十分なのは乗っているだけで伝わってきます。
ちなみにスペックは日野レインボーⅡの場合、直5、直噴コモンレールダーボディーゼルで6403ccで225馬力、67kg・m。
三菱ふそうエアロスターは、直6、240馬力とターボの300馬力。
いすゞエルガミオは7790cc、240馬力。
日産ディーゼルのスペースランナーは300馬力、といったところです。
古いものでは直4ターボというのもあるそうです。
ちなみに日産ディーゼルの称号の「UD」とは、昭和30年代に製造していた独自の単流掃気方式2サイクルディーゼルエンジン「Uniflow scavenging Diesel engine」の頭文字から取ったものだそうです。
足回り★★
ボディ構造は初期のフレームの時代から、1950年代あたりからは早くもモノコックになり、ボディにも強度の一部を負担させていました。
そのためリベットがいっぱいのブツブツボディでしたが、70年代からはスケルトン構造という骨格にだけ強度を背負わせる構造に戻っています。
外装パネルは張ってあるだけなのでリベットはなくなり設計の自由度も増しました。
サスはリジットですがバネは現在は前後フル・エアサスが主流です。
超ロングホイールベース&ワイドトレッドですから、多少硬くともあちこちでガタガタ音が鳴ろうともさほど不快感はありません。
それより立っていて気になるのはロールです。
ゆり戻しも大きく、交差点を回って少しでもハンドルを戻し遅れると、ぐらりと逆方向へおつりがきます。これはかなりふらつきますね。
止まってからも左右にゆらりゆらりと続きますから、かなりダンパーの減衰は弱いのでしょう。
新しい車両はボディは低床のノンステップ、ミッションはトルコン、パワーユニットはアイドリングストップ、ハイブリッド、バイオメタノール仕様など乗用車同様、技術革新が盛んですが、まだまだ現役の古い車両も多く活躍しています。
ハイブリットは基本的には乗用車と同じ回生システムを持つものですが、車重が重く充電が必要です。
日野は現在、充電時間を大幅に短縮出来るシステムを開発中です。
ちなみにバスの寿命は15年、走行距離60~100万キロだそうですが、ディーゼル規制の厳しい東京では8年。UDのヨウ素水(アドブルー)を噴射する低公害エンジンを搭載した三菱ふそう(OEM)、日産ディーゼルのシェアが高いのも東京の特徴です。
日野は耐久性が高く、三菱は乗りやすく性能がいいので運転手さんには人気があるといいます。
ボディとエンジンOEMの関係で、日野・いすゞグループと三菱ふそう・日産ディーゼルに大きく分けられますが、2004年のリコール問題で現在は7:3で日野・いすゞのシェアが勝っています。
念願のピタパです! バスに乗ろうとすると何故か小銭がないんですよね。
仕方なく揺れる車内で財布を取り出し、両替機で両替するわけですがホント面倒です。
3月1日から京都の市バスでようやくピタパが使用可能になりました。
東京のパスモや大阪に次いで、全国的には早い方らしいですがオヤジ的にはようやくという感じです。
乗る時と降りる時に「ピピ」で完了です! これは楽です。
それに今まで不思議だったのですが、バスの運転手さんは小銭で払う人の料金を一人一人ちゃんと見ているのでしょうか?
整理券と小銭をばら撒くように次々に一斉に入れられて、ちゃんとチェックできるなんてとても人間業とは思えません。
明らかに見てない人もいたりして、これは払う側の良心に頼っているのかも? って思っていました。
ところが、親戚の市バスの運転手さんに聞くと、なんと瞬時に小銭を数えて表示してくれる機械があるというではありませんか!
しかも最新のものは整理券を入れるところがありその照合まで自動でやってくれるといいます。
近々全ての路線に導入予定だそうです。
これで運転手さんもだいぶ楽になるのでは?
まあ、路線図の案内はいまだに把握しにくく、もう少しどうにかならないものかと思いますが、ピタパの導入で少しは気軽にバスを利用できるようになりました。